5月の第2日曜日定例講座「医書五経を読む」の日。
今回のテーマは脈診3種
午前の治療実技と症例検討の後、脈診を主に学習しました。
今回のテキストは傷寒論の注釈書『医経解惑論』の脈法論です。この『医経解惑論』は私が東洋医学に自信が持てなかった頃、ひたすら読んだ書です。
繰り返し繰り返し読んで、ある時『そっか、このように考えて病理を理解すればいいのか!』と最初に腑に落ちた本です。
この『医経解惑論』の中に「脈法論」という脈診に関する章があります。今回はこの脈法論を読み進めていきました。
そういえば、ロウソクを使った脈診の練習もしました。詳細はナイショです。
大事なのはこの一文
読み進めたとはいえ、実際に座学の時間の大半を費やしたのは「脈は営衛の流行」という一文。
この言葉の通り、脈は営衛の流れ行く場所です。
営気と衛気は陰陽であり、互いに対をなす存在です。両者どちらも把握していないと“気を診る”とはいえません。
「脈を診るときには衛気を診るようにしなさい」と師匠の馬場先生に教わりました。当時は漠然とした理解でしたが、ここ数年 試行錯誤を繰り返すうちに衛気をみる脈法というのが我流ながらも分かってきました。
今回の実技では衛気をみる方法を体験、さらにそれを通じて“気をみる脈法”を紹介、実際に試してもらいました。衛気をみる所までは、ほぼ全員がクリア。“気をみる脈診”は全員とはいきませんでしたが、おぼろげながら理解してはもらえたかと思います。
体の上・中・下の脈をみる
この脈法だけだと全然『医経解惑論』の勉強ではないので、趺陽と少陰の脈も練習しました。『医経解惑論』では寸口・趺陽・少陰を上・中・下に分類しています。
人体を上・中・下に分ける脈診と言えば『素問』の三部九候脈論を思い浮かべます。
三部九候脈診は上・中・下に天・人・地を加えて九候を診る脈法ですが、寸口・趺陽・少陰は三部の脈診で上中下を診ます。
しかし上中下の三部だけでなく、寸口脈に対し、趺陽脈は胃気、少陰脈は腎気をみる脈法として、それぞれ脈診部位の特性を活かした脈法の組み立てともいえるかもしれません。
ここから『傷寒論』の序文の言葉「按寸不及尺、握手不及足、人迎趺陽、三部不参、動数発息、不満五十…」という言葉。
意訳しますと「寸口をみて尺中に及ばず、手の脈を診て足の脈を診るに及ばず、人迎の脈、趺陽の脈と三部を参(まじ)えず、脈を診たとしても五十至に満たず…」
このような張仲景の戒めを忘れずに日々診察と治療に励まなければ…と思う次第です。
次回の東京講座のお知らせ
【日時】定例通り第1日曜日に開催します。
6月3日(日)10:30〜17:00
【会場】足立鍼灸治療院です。
会場へのアクセスはコチラ。
【持ち物】筆記道具・スリッパ・白衣をご持参ください
【参加費】初参加の方は4,000円です。
継続される方は2回目以降6,000円(/月)および年会費が必要となります。
【定員】残りあと3名です。
新規加入を希望される方はお早めにお申込みください。
【申込み】以下のメールフォームからご連絡ください。
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