伝統医学の一貫性と多様性を学ぶことで道理に至る
2021/08/31 | category:奇経八脈攷
陰陽維脈の病 前回まで陰維脈・陽維脈の性質や特徴について学びました。陽維は衛分を上行し、陰維は営分を上行する。以前の記事で陰陽維脈は謎めいた存在だ(『謎めいた存在、維脈』)といった趣旨のことを書いたことがあります。 今回もミステリアスな維脈の魅力が深まるこ...
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2021/08/31 | category:鍼の道
交会穴は三陰交だけではない 思うところがあって、各経の交会穴を調べることにしました。複数経脈が交会する経穴というと、三陰交や関元(三結交)、百会(三陽五会)が有名ですが、他にも交会穴はたくさんあります。 ちなみに三陽五会とは、足太陽膀胱経(経脈篇)・手...
2021/08/19 | category:奇経八脈攷
陰維と陽維は身を維絡する脈 前回は陰維に関する内容でした。難経にある表現「身を維絡」する脈としての維脈が分かりやすい説明でありました。今回の陽維の説明はどうでしょうか。陰維と対比しながら読むと陽維の本質理解につながると思います。 ※『奇経八脈攷』(...
2021/08/18 | category:奇経八脈攷
陰維の本質を探る 前回は奇経八脈の総説、つまり概論的な内容でした。陰維脈の性質について学びます。『難経』では維脈とは「身を維絡す」る脈として定義づけています。この表現は陰陽維脈の本質をイメージする上で有力な情報となるでしょう。 ※『奇経八脈攷』(『重刊...
何度も奇経八脈攷を読むのはナゼ? これまで『難経』における奇経、『十四経発揮』(元代 滑伯仁)、『奇経八脈詳解(経穴密語集)』(江戸期 岡本一抱)と奇経の情報を集めて考察してきました。 『これだけ読めば、奇経については十分じゃない?』と思う人もいるでしょう...
2021/08/17 | category:幼科要略
これまでのあらすじ 前回は春温風温の総括といった内容でした。今回も同じく既に「その4 夏熱」で触れられている内容の総括と言ってもよいでしょう。 「幼科要略 その4 夏熱」と併せて読むことをお勧めします。 以下に書き下し文(黄色枠)と原文(青枠)を...
2021/08/16 | category:幼科要略
これまでのあらすじ いよいよ『幼科要略』も大詰めです。残るところ今回の「春温風温」と次の「夏暑」のみ。(長かった…) 風温については、すでに「その3 風温」で解説されていますので、今回はその総括とみても良いのではないでしょうか。第3回の記事と併せて読んでみ...
2021/08/15 | category:幼科要略
これまでのあらすじ 前回は小児に起こりやすいとされる驚風(ひきつけ・痙攣)について、今回も同じく小児科ではおなじみ疳症についてです。 疳については『その5 疳・口疳について』でも簡単に触れました。小児はりでは「疳の虫(かんのむし)」という症状名(俗名)を目...
2021/08/14 | category:幼科要略
これまでのあらすじ 前回は痘瘡(天然痘)に関する内容でした。伝染病から子どもの命を護ること、小児科医として至上のテーマであっただろうと往時に思いを馳せながら、痘瘡病理を通じて伝統医学の生命観を学ぶことができました。 さて今回は驚、すなわち驚風です。驚風...
2021/08/11 | category:幼科要略
これまでのあらすじ 前回は痧疹について学びました。その痧疹に章にて、痘との鑑別点が触れられていましたが、本章ではその痘瘡について学びます。 痧疹も痘瘡も共に、熱病後に皮膚に発疹が現れるという病型を持ちます。しかし、その本質的な病態病理は全く異なります。ぜひ...
痧疹とは? 今回は痧疹が主題です。痧疹とは見慣れない病症名ですが、どうやら熱後に起こる流行性の発疹と解釈できそうです。発熱、頭痛、呼吸器系症状が起こった後に、皮膚に発疹が現れる病態のようですね。麻疹や風疹、手足口病などがこれに該当するでしょうか。 またこの...
これまでのあらすじ 葉天士といえば舌診がよく知られています。しかし今回のテーマは小児科の診察法、虎口三関の法が紹介されています。 虎口三関とは小児の人差し指の脈を診る法です。 「脈を診る」といっても厳密には脈診ではなく脈紋を視る法です。つまり望診に属する...
2021/08/04 | category:幼科要略
これまでのあらすじ 前回は秋燥がテーマでした。燥邪は暑熱温熱とは異なる性質を持つものの、やはり温熱病の病理からみて脅威となります。葉天士の提唱した病理観だからこそ見えてくる秋病の理解とその対処法でした。 今回は冬季の病、冬寒・冬温について学んでいきましょう...
2021/08/03 | category:幼科要略
これまでのあらすじ 前回までは夏の暑熱を起点とした病症群が続いていました。陽体を持つ小児ならではの病理を学ぶことができました。夏季の暑熱や外感熱病と狭く限定することなく、慢性疾患や体質的な不調和にも通ずる内容であり、小児はりを実践する鍼灸師にとっては大いに学...
これまでのあらすじ これまでは夏の暑熱が、陽体である小児の身体をどれだけ傷めつけるか…とそんな内容が続いていました。前回の瘧も同じで、瘧の病源となる伏邪の潜伏も夏暑をきっかけとするものでした。 今回は下痢のお話。「暑い!→子供が冷飲冷食をする→だから下痢す...
2021/08/02 | category:幼科要略
はじめに 前回までは夏暑を中心とした小児病理を詳解していただきました。 今回は瘧病について。瘧とは和名では「おこり」とも読みますが、病症としては悪寒と発熱を繰り返すといった病の総称でもあります。 『素問』では瘧論において詳細に瘧病について記載されてい...
2021/08/01 | category:黄帝内経 素問
『素問』瘧論 素問瘧論は非常に興味深い内容が記されてる。瘧病といえば悪寒と発熱を繰り返す特徴的な病態を持つ病として知られている。このような病型から過去、瘧=マラリアとして訳された時代もあったが、これは偏った見方であるように思う。悪寒と発熱を繰り返す発熱パター...
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