小児薬方・その1『小児薬証直訣』より

小児薬方について

『小児薬証直訣』には小児薬方が実に豊富に詳細に収録されています。小児の生理・病理を深く理解した上で、小児薬方は構成されています。この方意を知ることは、当然のことながら小児鍼灸にも活かすことができるのです。むしろ、小児はりの精度を向上させ、その対応力を高めることにもつながるはずです。
ということで、小児薬方の一端を覗いてみましょう。


※画像は『類証注釈銭氏小児方訣』京都大学付属図書館より引用させていただきました。

※以下に書き下し文、次いで足立のコメントと原文を紹介。
※現代文に訳さないのは原文の本意を損なう可能性があるためです。口語訳は各自の世界観でお願いします。

『類証注釈銭氏小児方訣』 薬方

書き下し文・『類証注釈銭氏小児方訣』巻之五 薬方

門人 閻孝忠 集
龞峯 熊宗立 註
新安 呉勉學 閲
江都 樊應乾 校

薬方
服薬の多少、逐方説該を尽くさず、並びに時に臨み意を以て加減するに応ず。

一、大青膏 傷風吐瀉、身温涼熱を治す。
天麻 青黛(各一銭) 白附子(一銭半) 蝎尾(毒を去る) 烏稍蛇肉(酒浸し焙乾す) 朱砂 天竺黄 麝香(各一字匕)
右(上)を同じく研細し、生蜜で和し膏に成す。毎服すること半皂子大から一皂子大に至る。
月中児には、粳米大にし、牛黄膏と同じくし、温薄荷水で一處に化して之を服す。五歳以上は甘露散と同じくして服す。(凡そ匕と言う者、即ち匙のこと也)
閻氏、『保生信効方』を集す。内、小児諸方、皆な汝人銭乙に得ると言う。其の大青膏は、天麻を減し、大青を添える。生にて一分に研す。其の余の薬味分料和製は此れと皆な同じ。証治を載せて云うに、小児の傷風を治する。其の候は、伸欠頓悶、口中氣熱悪風、脈浮。此れ詳を為す。只だ薄荷湯を用いて下す。今、併せて此こに於いて見わす。

二、涼驚丸、驚疳を治する。
龍胆 防風(芦を去る) 青黛(各三銭匕) 釣藤(二銭匕) 黄連(五分匕) 龍脳(一銭匕五分) 牛黄 麝香(各一字匕)
右(上)を同じく研す。麺糊にて丸を為すこと粟米大。毎服、三五丸から一二十丸に至る。金銀湯を煎じ、送下温服する。(此の薬品、下に“分”と言う者、毎“分”は二銭半也。黄連五“分”の類の如し。後は皆な此れに倣え。)

三 粉紅丸 又の名を温驚丸
天南星(末と為す、﨟月(臘月か)黄牛の膽を用い、胆汁を傾出し、捜して南星末と和す。然る後に胆中に内入れる。空に懸けて百日陰乾す。末を取りて四両、別に研す。如し胆に内れる者の無きときは、只だ生なる者を取りて、炒熟して用う。) 朱砂(一銭半、研) 天竺黄(半両、研) 龍脳(一銭、別に研。一作“半”の字) 坏子胭脂(一銭、乃ち紫胭脂、別研)
右(上記)牛胆汁を用い丸に和す、鶏頭大、毎服一丸。小さき者(児)は半丸。沙糖温水に化し下す。(鶏頭とは即ち芡の実也)

四、瀉青丸(又の名を瀉肝丸) 肝熱、急驚、搐搦を治する。
羌活 川大黄(湿紙で裹み煨す、一本には大黄無し) 川芎 山梔子仁 龍胆 当帰 防風(芦を去る、各等分)
右(上)を末と為し、煉蜜に和し鷄頭大に丸する。毎服三丸から十丸に至る。竹葉湯を煎じ、砂糖と同じくし温水化下す。

五、地黄丸(肝腎の虚を補う) 肝疳、白膜遮睛、瀉血、失音、身瘦、瘡疥を治する。
又、胃祛、不言、解頤を治する。(※恐らくは解頤ではなく“解顱”のことであろう。)
小児長じて大なるも行く能わざる者、専ら服して効を取る。
熟乾地黄(八銭、酒洗し焙秤) 山茱萸 乾山薬(各四銭) 白茯苓 沢瀉 牡丹皮(各三銭)
右(上)を末と為し、煉蜜にて和し梧桐子大の如くに丸す。三歳以下、二丸から三丸に至る。温水にて空心に化下す。
(予疑うに、二丸は太だ少なし。當に七丸より十丸には至るに作するべし。温水とは熟水停温を謂う也。)

六、瀉白散(又の名を瀉肺散) 欬嗽而して後に喘、面腫身熱を治す(肺臓熱)
桑白皮(赤皮を去り剉断、炒黄、一兩) 甘草(炒、半両) 地骨皮(洗いて土を去る、焙、一両)
右(上)件けて末と為す。毎服一二銭、水一中琖、粳米百粒を入れ、同じく煎じること六分に至り、食後に温服す。

七、阿膠散 (又の名を補肺散) 嗽肺、津液無きを治す。
明阿膠(一両半、麺炒) 黍粘子(一分、炒) 馬兜鈴(半両) 甘草(一銭炙) 杏仁(七筒、皮尖を去る) 糯米(一両)
右(上)を麤末と為し、毎服一銭或いは二銭、水一琖、煎じて六分に至る、後に温服す。

八、導赤散 心熱を治する。
生乾地黄 木通 甘草(炙、各等分)
右(上)を麤末と為し、毎服三銭、水一琖、淡竹葉十片を入れ、同じく煎じること五分に至る、食後に温服す。(一本に甘草を用いず、黄芩あり)

九、益黄散(又の名を補脾散) 脾胃虚冷を治する。
陳橘皮(一両) 青橘皮 訶子肉 甘草(炙、各半両) 丁香(二銭)
右(上)を麤末と為し、毎服二銭、水一琖、煎じること六分に至る、食前に温服す。

十、瀉黄散(一名、瀉脾散) 脾熱、弄舌を治する。
藿香葉(七銭) 山梔子仁(一両) 石膏(半両) 甘草(七銭半、一作三両) 防風(芦を去る、四両。予疑うは是れ一両。)
右(上)剉みて蜜酒と同じく微しく炒め香ばしくし、末と為す。毎服一銭から二銭に至る。水一琖を同じく煎じて五分にまで至る。清汁にて温服すること時無し。
南方多くは寒水石を以て石膏と為し、石膏を以て寒水石と為す。正に京師と相い反す。乃ち大いに誤り也。蓋し石膏は潔白堅哽に墻壁あり。而して寒水石は則ち軟爛にて、手を以て砕く可し。外は微しく青黒く、中に細紋あり。方書中には、寒水石は則ち火煅して之を用い、石膏は則ち堅哽にて火に入るべからず(とある)。
白虎湯に用うる石膏は則ち能く肌熱を解し、痰を破り、頭痛を治するが如く、若し寒水石を用いれば則ち悞なり。又、一等堅白(なるもの)あり全く石膏に類し、而して方に之に敵す、亦た皆な方に成る者、方解石と名づくる也。石膏に代りて之を用うべし。
南人、此の説を信ぜざる者あり。閻孝忠、嘗て相い与に同じく京師の大薬肆中に就く。石膏・寒水石・方解石の三種を買い、又た同諸。『太平恵民和剤局方』及び諸国の医を訪ね、之を詢証す。皆な此の説に合し、乃ち信服す。閻孝忠、頃(しばらく)『保生信効方』を編み、已に弁論を為す。恐らく小児(科医)は尤も悞(あざむく)くべからず。故に復た此こに於いて見す。

十一、白朮散 積痛を治し、専ら胃を和し、津液を生ず。
人参 白朮 木香 白茯苓(去皮) 甘草(炙) 藿香葉(各一両) 乾葛(二両)
右(上)剉みて麤末と為し、毎服一銭から二銭に至る、水一琖、煎じて五分に至る、温服す。如し飲水する者は多く煎ず。之を服するに時無し。

十二、塗顖法
麝香 蜈蚣末 牛黄末 青黛末(各一字匕) 蛇尾(毒を去り末と為す、半銭匕。一作に半字匕) 薄荷葉(半銭匕)
右(上)同じく研し、熟棗肉を用いて膏と為し、新綿上に塗匀し、顖上四方に貼る。一指許り出すべし。火上にて手を炙り頻りに熨す。百日裏外の児には、此の塗顖法及び浴法を用うべし。

十三、浴体法 肥胎并びに胎祛、胎熱を治す
烏蛇肉(酒浸し焙し末と為す) 白礬 青黛(各二銭匕) 天麻(二銭) 蛇尾(毒を去り、末と為す) 朱砂(各半銭匕) 麝香(一字匕)
右(上)を同じくし研匀す、毎用三銭、水三碗、桃枝一握り、并びに葉五七枝(枚)、同じく煎じること十沸に至る。温熱にて之を浴す。背を浴すること勿れ。

・・・・・・

五臓に対応する小児薬方について

「大青膏」「涼驚丸」「瀉青丸(瀉肝丸)」、「地黄丸」、「瀉白散(瀉肺散)」「阿膠散(補肺散)」、「導赤散」、「益黄散(補脾散)」「瀉黄散(瀉脾散)」、「白朮散」…と、肝・腎・肺、心、そして脾胃の…順に薬方が記されています。この順の意図も考えると面白いかもしれません。

また、動物生薬も多く使われているのも印象的です。「蝎尾」「蛇肉」「麝香」「蜈蚣」そして「阿膠」などが頻出しています。これにも何か意味があるのでしょうか。

ちなみに、大青膏についてですが、「青膏」というキーワードで「たこの吸出し」がヒットすることがありますが、組成をみれば分かるように、両者は別物です。

瀉青丸(瀉肝丸)に含まれる大黄について

「川大黄(……一本には大黄無し)」という記載があります。小児薬方に大黄が使われることは、現代日本の感覚では抵抗を覚える人もいるかもしれません。
しかし「肝熱、急驚、搐搦」という病症を考えると、ある病症においては大黄が必要となる局面もあるのでしょう。そのため「一本には大黄無し」とあるのでしょう。

地黄丸について

五、地黄丸は、その生薬構成からみて八味地黄丸ではありません。後世にいう六味地黄丸です。本書『小児薬証直訣』は六味地黄丸の原典として知られています。

六味地黄丸は〔熟乾地黄 山茱萸 乾山薬(各四銭) 白茯苓 沢瀉 牡丹皮(各三銭)〕から成り、八味地黄丸から桂枝と附子を去った生薬構成になっています。
細かな違いを挙げると、乾地黄から熟地黄へ、そして温水で服用するという点が、八味地黄丸と六味地黄丸の違いととなります。
その理由が“子どもさんにも服用可能な処方である”こと。そして何より子どもの体質に応じた方意となっているのです。

その主治に「不言」「不能行」といった五遅(髪遅・歯遅・語遅・立遅・行遅)のうちの二症候が含まれ、さらには「失音」「解頤(恐らくは解顱のことであろう)」といった発育障害が挙げられている点も、小児の先天的な腎氣不足そのものを表わしています。

この観点でみる、「白膜遮睛、身瘦」といった症状も同じ病理の延長線上にあるものと考えられるでしょう。しかし「胃祛」という症状は、少しイメージしにくいですね。地黄を主薬とする方剤のその主治に「胃虚」を挙げるには何らかの意図があるのかもしれません。

導赤散は心熱を治する。しかし…

導赤散の主治には「治心熱」とあります。「心熱を治する」という言葉を一見すると、「心熱を瀉する」「清熱」という治療イメージを思い浮かべる人も多いかと思います。
しかし、導赤散を正しく理解する必要があります。まずは私の体験談から紹介しましょう。

導赤散のエピソード

過去に一度、導赤散を(知り合いの漢方薬剤師さんにお願いして)お子さんに勧めたことがあります。そのエピソードを以下に紹介します。

そのお子さんは本当にひどい夜泣きで親御さんもずいぶんと困っていました。夜泣きどころか、お父さんを見ては号泣・叫泣。お母さんにしか抱っこできない…そんな状況。そのためお父さんとしては、子育てに協力できないどころか、わが子に近づくことすらできず…本当に困り果てていました。

もちろん私も小児はり治療しようにも、お子さんに全く近づくこともできません。そんな時に、ふと『導赤散を試してみてはどうだろうか?』と思い立ったのです。
そして漢方薬剤師さんに処方してもらったところ…意外なことに、その子は導赤散をごくごくと飲んでくれたそうです。

しかも、あの激しかった叫泣も不思議なほどにピタッと治まり、普段の表情なども穏やかになったそうです。もちろん、お父さんを見ても泣き叫ぶことはありません。
娘さんを抱っこして、父と娘で二人ニコニコした写真を送ってくださったことは、私にとっても嬉しい思い出です。

このようにして導赤散は私の思い出深い漢方処方の一つとなりました。

さてその時、導赤散を煎じて私自身も試飲してみたのですが、なんとこれが甘くて美味しいのです。『こりゃ、子どももゴクゴク飲むわ…』と、納得したものです。

導赤散の構成生薬

導赤散は〔生乾地黄 木通 甘草(炙、各等分)〕から成る方剤です。そしてその主治は「治心熱」。

前述したように「心熱を治する」という主治を一見すると、「心火を瀉す」という治療イメージを思い浮かべる人は多いと思います。
しかし、導赤散の構成に「黄芩・黄連」はありません。この方剤では、地黄と木通が重要な役割りを果たしています。この方意を考えることで、ひどい夜泣きに対する小児はり治療を組み立てるヒントとなりました。

ちなみに木通の薬能を以下に引用しておきましょう。『公益本草大成(和語本草綱目)』からの引用です。

木通 淡微甘微辛微寒

九竅、血脈、関節を通利し、小便を導く。五淋の病、腫満、経閉、黄疸、多眠、心煩、熱渇、噦、頭痛、喉痺、鼻塞、息肉、癰瘡、瘰癧、血塊、積聚、堕胎を治し、声を出し聾を通ず。……(略)……

○木通の功用多しと雖も、惟だ小便を利し、気滞を泄し、氣血を宣通するに在るのみ。木通孔ありて通す故に。

[通利九竅血脈関節]を通し、小便を利するが故に。
[淋病水腫腫満]を治す。血脈を通す故に女子の[経閉及び血塊積聚瘰癧]を治す、竅を通するが故に婦人の[乳閉及喉痺鼻塞息肉]を治し[癰瘡]の膿を排す。[黄疸]は中焦の湿熱とす。木通、小便を利して湿熱を泄せば也。喜で[眠り又心煩噦]は心脾の熱とす。木通を以て熱を小便より導き去るときは則ち熱除き、氣降りて愈ゆ。声は肺に出で、耳は腎に通ず。湿熱肺経の氣分に鬱するときは則ち[声音不出]。腎家に湿火あるときは[耳聾]を致す。通草を以て肺の湿熱、腎の湿火を小便より泄すときは声出で聾愈ゆ。[頭痛]を治するも亦た氣逆を引て降すが故なり。木通は味薄くして下降す故に[墮胎]の義あり。孕婦は尤も服すべからずとす。
[総概]氣血を通じ小便を利し、湿熱を泄し、火熱を導き降すの剤たり。
[毒]下虚の者○陽氣下陥の者、津液不足の者、皆な用いる勿れ。[畏悪]孕婦は服することを忌む。
[附方]導赤散、心熱して尿赤く渋り、唇乾き咬牙し口渇く者を治す。木通・生地黄・炙甘草等分、水竹葉七片を入れ煎服す。銭氏が方也。
[愚案]或る人問う、木通は水道気滞を利す。何をか要とせん?
曰く、肺は金として水の源、氣の母たり。水は氣に従いて行く。木通は心肺の熱火を導き降し、気滞を通す。肺熱清きときは則ち水源化し、気滞通ずるときは則ち水行て津液運びて小便能く利し、湿を泄し熱を去る。然るときは則ち気滞を通するを以て本とし、小便を理するを以て標とす。惟だ此れが功用を知らんと欲せば、此の草の中孔ありて通じ、味淡性寒にして降を以て察するときは則ち自ら主治の数因、弁ずることを待たずして明らかなるべし。‥‥‥‥

■ 原文
木通 淡微甘微辛微寒

通利九竅、血脉、關節。導小便。治五淋病、腫滿、經閉、黄疸、多眠、心煩、熱渇、噦、頭痛、喉痺、鼻塞、息肉、癰瘡、瘰癧、血塊、積聚、墮胎。出聲通聾。……(略)……
○木通の功用多と雖𪜈、惟小便を利し氣滯を泄し、氣血を宣通するに在のみ。木通孔ありて通す故に。[通利九竅血脉關節]を通し、小便を利するが故に。[淋病水腫腫滿]を治す。通血脉故に女子の[經閉及血塊積聚瘰癧]を治す通竅、故に婦人の[乳閉及喉痺鼻塞息肉]を治し[癰瘡]の膿を排。[黄疸]は中焦の濕熱とす。木通、小便を利して濕熱を泄せば也。喜で[眠又心煩噦]は心脾の熱とす。木通を以て熱を小便より導去則熱除、氣降て愈ゆ。聲は肺に出、耳は腎に通ず。濕熱肺經の氣分に鬱則[聲音不出]。腎家に濕火あるときは[耳聾]を致す。通艸を以て肺の濕熱、腎の濕火を小便より泄すときは聲出聾愈。[頭痛]を治するも亦氣逆を引て降が故なり。木通は味薄乄下降す故に[墮胎]の義あり。孕婦は尤𪜈不可服とす。

[總槩]氣血を通じ小便を利し、濕熱を泄し、火熱を導降の劑たり。
[毒]下虚者○陽氣下陷者、津液不足者皆勿用。[畏惡]孕婦は服することを忌。
[附方]導赤散、心熱乄尿赤澁、唇乾咬牙口渇者を治す。木通生地黄炙甘艸等分、水竹葉七片を入煎服す。錢氏か方也。
[愚案]或問、木通は利水道氣滯。何をか要とせん。
曰、肺は金として水の源、氣の母たり。水は從氣行。木通は心肺の熱火を導降し、氣滯を通す。肺熱淸則水源化し、氣滯通則水行て津液運て小便能利し、濕泄熱去。然則氣滯を通するを以て本とし、小便を理するを以て標とす。惟此が功用を知んと欲せば此艸の中孔ありて通じ、味淡性寒に乄降を以て察則自主治の數因不待辨乄明なるべし。‥‥‥‥

『公益本草大成』巻之七より

とくに「氣血を通じ小便を利し、湿熱を泄し、火熱を導降の剤たり。」という言葉は、導赤散の理解につながります。

例えば小児の夜泣きを治療するのにも、この木通の薬能は知っておくと治療の理解が深まることでしょう。

瀉心湯と導赤散、両者の対比から見ても、夜泣きの治療には表と裏の2パターンあることがわかりますね。

小児脈法五臓所主五臓病証面上証・目内証五臓虚実冷熱 ≪≪≪ 小児薬方

原文 『類證注釋錢氏小兒方訣』藥方

■原文 『類證注釋錢氏小兒方訣』巻之五 藥方

門人 閻孝忠 集
龞峯 熊宗立 註
新安 呉勉學 閲
江都 樊應乾 校

藥方
應服藥多少、逐方説●(𧧵誎䛟)不盡、並臨時以意加減。
一大青膏、治傷風吐瀉、身温涼熱。
天麻 青黛(各一錢) 白附子(一錢半) 蝎尾(去毒) 烏稍蛇肉(酒浸焙乾) 朱砂 天竺黄 麝香(各一字匕)
右同研細、生蜜和成膏、毎服半皂子大、至一皂子大。月中兒、粳米大、同牛黄膏、温薄荷水化一䖏服之。五歳已上同甘露散服。(凢言匕者、即匙也)
閻氏集保生信効方、内小兒諸方言皆得、汝人錢乙。其大青膏、減天麻、添大青。生研一分。其餘藥味分料和製、與此皆同。載證治云、治小兒傷風、其候伸欠頓悶、口中氣熱悪風、脉浮、此為詳只用薄荷湯下、今併見于此。

二涼驚圓、治驚疳。
龍膽 防風(去芦) 青黛(各三錢匕) 釣藤(二錢匕) 黄連(五分匕) 龍腦(一錢匕五分) 牛黄 麝香(各一字匕)
右同研、麫糊為丸粟米大、毎服三五丸、至一二十丸。煎金銀湯、送下温服。(此藥品下言分者、毎分二錢半也。如黄連五分之類。後皆倣此。)

三 粉紅圓 又名温驚丸
天南星(為末、用﨟月黄牛膽、傾出膽汁、捜和南星末、然後内入膽中。懸空百日陰乾取末四兩。別研、如無内膽者、只取生者、炒熟用。) 朱砂(一錢半、研) 天竺黄(半兩研) 龍腦(一錢、別研。一作半字) 坏子胭脂(一錢、乃紫胭脂、別研)
右用牛膽汁和丸、鶏頭大、毎服一丸。小者半丸。沙糖温水化下。(鶏頭即芡實也)

四瀉青圓(又名瀉肝丸) 治肝熱急驚搐搦。
羌活 川大黄(湿紙褁煨、一本無大黄) 川芎 山梔子仁 龍膽 當歸 防風(去芦各等分)
右為末、煉蜜和丸雞頭大、毎服三丸至十丸。煎竹葉湯、同沙糖温水化下。

五地黄圓(補肝腎虚) 治肝疳白膜遮睛、瀉血失音、身瘦瘡疥、又治胃祛不言解頤、小兒長大不能行者、専服取効。
熟乾地黄(八錢、酒洗焙秤) 山茱萸 乾山藥(各四錢) 白茯苓 澤瀉 牡丹皮(各三錢)
右為末、煉蜜和丸如梧桐子大、三歳已下、二丸至三丸。温水空心化下。(予疑二丸太少、當作七丸至十丸、温水謂熟水停温也。)

六瀉白散(又名瀉肺散) 治欬嗽而後喘、面腫身熱(肺藏熱)
桑白皮(去赤皮剉断、炒黄一兩) 甘草(炒、半兩) 地骨皮(洗去土焙、一兩)
右件為末、毎服一二錢、水一中琖、入粳米百粒、同煎至六分、食後温服。

七阿膠散 (又名補肺散。 治嗽肺無津液)
明阿膠(一兩半、麫炒) 黍粘子(一分、炒) 馬兠苓(半兩) 甘草(一錢炙) 杏仁(七筒去皮尖) 糯米(一兩)
右為麄末、毎服一錢或二錢、水一琖、煎至六分、後温服。

八導赤散 治心熱
生乾地黄 木通 甘草(炙、各等分)
右為麄末、毎服三錢、水一琖、入淡竹葉十片、同煎至五分、食後温服。(一本不用甘草、有黄芩)

九益黄散(又名補脾散) 治脾胃虚冷
陳橘皮(一兩) 青橘皮 訶子肉 甘草(炙、各半兩) 丁香(二錢)
右為麄末、毎服二錢、水一琖、煎至六分、食前温服。

十瀉黄散(一名瀉脾散) 治脾熱弄舌。
藿香葉(七錢) 山梔子仁(一兩) 石膏(半兩) 甘草(七錢半、一作三兩) 防風(去芦、四兩、予疑是一兩)
右剉同蜜酒微炒香為末、毎服一錢至二錢、水一琖、同煎至五分、温服清汁無時。
南方多以寒水石為石膏、以石膏為寒水石。正與京師相反、乃大誤也。蓋石膏潔白堅哽有墻壁、而寒水石則軟爛、以手可碎。外微青黑、中有細紋。方書中寒水石、則火煅用之。石膏則堅哽不可入火。
如白虎湯用石膏、則能解肌熱、破痰、治頭痛。若用寒水石則悞矣。又有一等堅白全類、石膏而方敵之亦皆成方者、名方解石也。可代石膏用之。
南人有不信此説者、孝忠嘗相與同就京師大藥肆中、買石膏寒水石方解石三種又同諸、惠民和劑及訪諸國醫、詢證之皆合此説、乃信服。孝忠頃編保生信効方、已為辨論。恐小兒尤不可悞。故復見於此。

十一白朮散、治積痛、専和胃生津液。
人參 白朮 木香 白茯苓(去皮) 甘草(炙) 藿香葉(各一兩) 乾葛(二兩)
右剉為麄末、毎服一錢至二錢、水一琖、煎至五分、温服。如飲水者多煎。服之無時。

十二塗顖法
麝香 蜈蚣末 牛黄末 青黛末(各一字匕) 蛇尾(去毒為末、半錢匕。一作半字匕) 薄荷葉(半錢匕)
右同研、用熟棗肉為膏、新綿上塗匀、貼顖上四方。可出一指許、火上炙手頻熨、百日裏外兒、可用此塗顖法及浴法。

十三浴體法、治肥胎并胎祛胎熱
烏蛇肉(酒浸焙為末) 白礬 青黛(各二錢匕) 天麻(二錢) 蛇尾(去毒、為末) 朱砂(各半錢匕) 麝香(一字匕)
右同研匀、毎用三錢、水三碗、桃枝一握、并葉五七枝、同煎至十沸、温熱浴之、勿浴背。

・・・・・・

 

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