サメの食物本草情報について

ゴケイメシでサメを食す

2月の講座【生老病死を学ぶ】の打ち上げ・ゴケイメシでは、酒肴にサメを食べてみました。いわゆる“サメの湯引き”です。実際に食してみると、臭みはなく、歯ごたえも悪くありません。酢味噌でいただきましたが、若者向けの味ではないな…というのが最初の感想。
写真:フカの湯引き、実に淡白なお味

もうひとつの感想は『これ、から揚げとかエビチリ味が合うんじゃね?』というもの。

ということで、翌3月のゴケイメシにもサメを購入、から揚げにしていただきました。

サメのから揚げのレシピ

サメのから揚げレシピは簡単、揚げるだけですが、一応、MEMOを残しておきます。

サメのから揚げのレシピ

■ 材料

・サメ(もうかさめ)切り身 1パック

・日清製粉・からあげ粉

1,サメ肉に塩をあて、水気を切って一晩ねかせます。

2,ひと口大に切って

から揚げ粉をまぶし、油で揚げて出来上がり。


写真:揚げたてはマク●●ルドのチキンナ●ットを越える旨さ!

淡白な白身のお肉なので、チョットばかりジャンキーなお味がまた合います。ビールやハイボールにピッタリの肴ですね。

さて、お腹が満たされた後は、サメに関する知識を詰め込みましょう。ここからはサメ(フカ)の食物本草情報です。
出典資料は『閲甫食物本草』(名古屋玄医 1669年序)、『公益本草大成』(岡本一抱 著 1698年)、『日養食鑑』(石川元混 著 1819年)、そして『魚鑑』(武井周作 著 1831年)です。

サメ(鮫・鮫魚・佐米・鯊)の食物本草情報

まずは『閲甫食物本草』(名古屋玄医 1669年序)からのサメ情報です。

『閲甫食物本草』に記されるサメ(鮫・佐米)の効能

鮫魚 和名集 佐米
氣味、甘平、毒無し。
主治、鱠に作し、五臓を補う。功、鯽に亜(つ)ぐ。亦た鱐鮓と作すべし。(孟詵)
甚だ人を益する(蘇頌)

■原文
鮫魚 和名集 佐米
氣味甘平無毒。主治作鱠、補五藏、功亞于鯽、亦可作鱐鮓。(孟詵)
甚益人(蘇頌)

なるほど、サメの補益能はなかなかのもののようですね。

また「鯽(鲫)」という食材にも興味がありますね。
「鯽(鲫)」とは「フナ(鮒)」のことのようです。同書『閲甫食物本草』には、李東垣や朱丹渓の説などを引用しており、「調中」「補虚」「調胃実腸」の効能が記されています。

今の時代、日本では鮒を食する文化といえば、琵琶湖の“フナのなれ寿し”くらいしか私は思い浮かびませんが、脾虚の人には良さそうな食材なのですね。

『公益本草大成』に記されるサメ(鮫魚)の効能

鮫魚 甘平
鱠に作る。臓を補う。
皮 鬼疰中毒の吐血を治す、灰に焼きて、水にて服すれば魚毒、魚を食いて積と成るを治す。

■原文
鮫魚 甘平
作鱠、補藏。
皮 治鬼疰中毒吐血、焼灰水服治魚毒、食魚成積。

『公益本草大成』では、サメの補益能だけでなく、サメ皮の効能として「解毒能」を示しています。

『日養食鑑』に記されるサメ(鮫魚)の効能

さめ 鮫魚
甘温。毒あり。
少しく食えば、氣を益し力を壮んにす。
元混、按するに、星鮫(ほしさめ)と称する者、毒なし。

■原文
さめ 鮫魚
甘温。毒あり。
少く食へば氣を益し力を壯にす。
元混按るに、星鮫と稱る者毒なし。

『日養食鑑』も上記二書と同じく「補益」の効能を記しています。
また「星鮫・ホシザメ」という種名が登場しています。続く『魚鑑』には、実に多くのサメの種名が登場します。

『魚鑑』に記されるサメ(鮫魚)の効能

さめ
『新撰字鏡』に出づ。漢名鮫魚(こうぎょ)、『本草綱目』に出づ。此の魚、他に異にして胎生なり。その子、母鯊(ははさめ)の腹中に出入りするものを、『閩書(みんしょ)』に出入鯊(しゅつにゅうしゃ)という。或は魚餠(かまぼこ)とし、或は煠(ゆび)き、或は煮る、共によし。その煠(ゆび)き軒(さらしみ)とするを七品(なないろ)づくりとて、庖人(りょうりにん)これを秘す。魚餠尤も佳きなり。ゆえに魚餠家一日も缺くべからず。酒肆(さかや)もまた必ず備う。その種類多きゆえに盡し難しといえども、その食うべきものは、漏らさず。耳目に触るるなどは此こに記す。
[氣味]甘温小毒あり。
[主治]氣を益し力を壮んにす。軽き病の人食いて害なし。肉靭(しまりこわ)きゆえ脾胃弱き人は憚るべし。魚餠となどしたるは製をふるゆえ忌むことなし

○ほしさめ 皮上(かわ)に白点(しらほし)あり、故にいう。小なるは八九寸、大なるは三尺許(ばかり)。これを魚餠の最上とす。
赤ぼしは色赤く、ほしなし。

かすさめ 三四寸より二尺余をいう。日光街道にては“ふりそで”とよぶ。

ころさめ 大さ五六尺余なり。

めうがさめ(もうかさめ) これ洋中の大魚にして鼎に上るものに非といえども、其の稚(わか)きものは魚餠の品ゆえ、ここに出す。ころかすの老いたるものなり。その稚(わか)き程は、背の沙の大きさ罌粟粒(けしつぶ)の如し、老いたるに及ては、経(わた)り六七寸の珠(つぶ)となり、銀の椀を千万覆うがごとし。その老いて且つ大なることしるべし。洋中(おきなか)を夜過ぐるに、明鏡(くもりなきかがみ)を連綴(つらぬる)が如く各々光輝(ひかり)を放ち浪を鼓(うちた)て。余(その)光、数尋におよび数十町の遠きも咫尺(まのあたり)に接(つづく)るが如きを見る。これかの背上の珠(たま)なり。人声を聞くときは必来て船を覆すゆえに、声を呑(ころし)てひそまり居る。若し船に触(さわ)れば、底板忽ち微塵に砕となり。又、漁夫、鰹を釣る時、その得ること竿を上げ餌を投ぐるにひまなきことあり。かくなん時は鰹を四五本宛(ずつ)いく束(からげ)となく束(からげ)おきて不虞(おもいがけなき)に備(そなえる)となり、かく得ることは。この魚の仕業にて舟を己が背におき十分漁(つり)て帰らんころ、舟を沈め、人魚ともに食らわんとはかるとなり。老魚の智、巧なるも豈に人の霊たるにしかんや。漁夫はやくも知りて七八分に至るころ鰐の口を逭(のがる)はと、おうあいの声高く、手縄とりのべ力のかぎり、舟をちどり(“ちどり”とは“互い違い”の意)におし立て、かの用意の魚束(うおたば)、投げ捨て〱走り去る。魚の追うことも疾しといえど、右にまとえば左にゆき、左よとしたへば、右に走るゆえ、追いなやみ、空しく投げたるを食うのみにてやむとなん。束(たば)にて捨るも少からずといえども漁りて帰ること、常に数倍す。ゆえにからきめ(辛き目)にて、幸いを得るを、漁夫の諺に「値もめうが、逢ぬもめうが(あうもみょうが、あわぬもみょうが)」とは、これに喩えていうとなり。

めじろ、大さは九尺許にすきず。『寧波府志』に白眼鯊(はくがんさ)という。
つまりとかり、ひらかしら、など称(との)うるもの、めじろの一種なり。

おなが、尾、全身よりながし。

わに、背に黒点あり。わには“わうじん”の転略にして黄鱘(おうじん)、是なり。
さめは総称。又、わに、又、ふかという。

あゐさめ、俗に“あお”という。その身あおし。『福志』にいう胡鯊(こしゃ)、一名青鯊(せいしゃ)。

かなつぼは、めじろに似て皮沙(ざらつき)。あゐさめの如くにして色黒し。“ころ”、“かす”、“あゐさめ”、“かなつぼ”の四種は肉のみならず。皮も亦た用を為す。これまでの肉にて作る魚餅を上品とす。

つのぜ、背に角の如き鰭あり。

ぎんさめ、その皮沙(ざらつき)なく、白色く光滑(つやあり)て銀の如し。骨柔らかに肉甚だ美(よ)し。

しゅもく、状(かたち)撞木の如く、眼両端にあり。『閩書』に雙髻魚(そうけいぎょ)という。是までを中品とす。

ねづみさめ(ねずみざめ)、其の頭ねずみに似たり。うちは状(かたち)圓(まる)く、団扇(うちわ)に似たり。
“さかた”は、“うちは”の類なり。“そとば”、又“とうば”ともいう。状(かたち)、卒兜婆(そとば)に似たり。

からす、黒く肉白し。
しほさめ、よく似たれとも別なり。

へら、その皮剝ぎやすく、べらべらするなり。

かくべい、又、“おかぐら”という。状(かたち)、神楽の獅子頭の如し。

よしきり、背青く腹白し、その肉やわらかなり。

てんぐ、天狗に似たり、『塩縣図経』に虎頭鯊(ことうさ)という。

おおせい、“ねこさめ”に似たり。

とら、『閩書』に虎魴(こほう)という。

のこきりさめ、上嘴(うえはし)長さ二三尺、両旁(りょうぼう)に歯あるを鋸の如し、『閩書』に鋸鯊(きょしゃ)、『山堂肆考』に劔魚(けんぎょ)という。

こばんさめ、又“ふなしとき”といふ。状、牛尾魚(こち)に似て沙(ざらつき)細かに色黄赤に淡黒を帯ぶ。脳上(かしら)に小判金(こばんきん)の形ある、ゆえにしかいふ(故に然云う)。『異物志』に印魚(いんぎょ)、或る書に咽機多魚(いんきたぎょ)とあり、或っはこの魚の大なるもの船底につく時は大船も行(つく)ことあたわず、ゆえに“あやかし”ともよべり。五六種あり鬻(ひさ)ぐ纔(わずか)に尺にすきず。
てんぐ以下は、魚餠の用に入れず、或は煮食らう品もあり。

又、いさりさめは、頭(かしら)鴨脚(イチョウ)の葉に似たり。

うばさめ、その皮、縐紋(ちじみ)ありて、剛き歯なし、これを老婆にたとう。

かつたいさめ、色灰黒、背に蛙丸(たむし)のごとき班(まだら)あり、口吻(くちわき)に瘤あり。

はたさめ、一名てんがい、状(かたち)梵幡(てらのはた)に似たり、味い美く、更に腐臭(くされか)なし。『台湾府志』に旗魚(きぎょ)という。

かいめぶか、『閩書』にいう犂牛鯊(れいとうしゃ)、其のかしら犂耳(からすきへら)の如し。

又、のうそうぶか、『綱目(本草綱目)』に鮠魚(きぎょ)。

ざうぶか、鱣魚(てんぎょ)、『綱目』に出づ。九万引風乾(くまひきすぼし)の肉なり。『延喜式』に鮫の楚割(そわり)、『和名抄』に須波夜利(すはやり)に作る。

たり、塩して乾したる肉なり。江家次第に黄鱘(おうじん)といえる、是なり。今、伊勢及び肥後より出だす、味いひだら(干ダラ)に似てよし。

きんひれ、ぎんひれ、翅(ひれ)の筋末(すじさき)なり。色、晶瑩(すきとおり)金銀の如し、鱠の伴(あいて)によし、清(から)の俗に、金絲菜(きんしさい)銀絲菜(ぎんしさい)という。日本の産を別けて賞美す。よって年々翅(ひれ)を交易するといえり。

眼系(がんけい)、しゅもくさめの目に白き糸の如きものあり、それを味噌汁に煮て食えば鳥目を治す。

さめのまもり、おおせいにあり、他のさめにはなし。形(かたち)掛守袋(かけまもり)に似て、緒の形もあり、色は琥珀のごとし、下総銚子浦にては、“さめのみずぶくろ”という、産の催生(はやめ)に、これを襟にかけ、或いは手にもてば産かろし、これ熊の腹帯の類なり。

■原文
さめ
新撰字鏡に出つ。漢名鮫魚(こうぎょ)、綱目に出づ。此魚他に異にして胎生なり。その子、母鯊の腹中に出入するものを、閩書に出入鯊といふ。或は魚餠(かまほこ)とし、或は煠(ゆび)き、或は煮る、共によし。その煠き軒とするを七品づくりとて、庖人これを秘す。魚餠尤佳なり。ゆへに魚餠家一日も缺べからず。酒肆もまた必備ふ。その種類多きゆへに盡し難しといへども、その食べきものは、漏さず。耳目に觸るゝなどは此に記す。
[氣味]甘温小毒あり。
[主治]氣を益し力を壯にす。軽病の人食て害なし。肉靭きゆへ脾胃弱き人は憚るべし。魚餠となとしたるは製をふるゆへ忌ことなし
○ほしさめ 皮上白点あり故にいふ、小なるハ八九寸、大なる三尺許、これを魚餠の最上とす、赤ぼしハ色赤く、ほしなし。 加すさめ 三四寸より弐尺余をいふ、日光街道にてハふりそでとよふ。ころさめ 大サ五六尺余なり。 めうがさめ これ洋中の大魚にして鼎に上るものに非といへとも、其穉きものは魚餠の品ゆへこヽに出す、ころかすの老たるものなり。その穉き程は背の沙の大サ罌粟粒の如し、老るに及ては、經り六七寸の珠となり、銀の椀を千万覆がことし、その老て且大なること志るべし、洋中を夜過るに明鏡を連綴が如く各々光輝を放ち浪を鼓て。餘光數尋におよび數十町の遠きも咫尺に接るが如きを見る、これかの背上の珠なり、人声を聞ときは必来て舩を覆ゆへに声を呑てひそまり居る。若舩に觸れは、底板忽微塵に碎となり、又漁夫、鰹を釣る时、その得ること竿を上げ餌を投にひまなきことあり、かくなん时は鰹を四五本宛いく束となく束おきて不虞に偹となり、加く得ことは、この魚の仕業にて舟を己か背におき十分漁て帰んころ、舟を沈め人魚ともに食はんとはかるとなり、老魚の智、巧なるも豈人の靈たるにしかんや、漁夫はやくも知りて七八分に至るころ鰐の口を逭はと、おうあい乃声高く、手縄とりのべ力のかぎり、舟をちどりにおし立、かの用意の魚束、投げ捨て〱走り去る、魚の追ことも疾といへど、右にまとへば左にゆき、左よとしたへば、右に走るゆへ、追なやみ、空く投たるを食ふのミにてやむとなん。束にて捨も少からすといへとも漁て帰ること、常に数倍す、ゆへに加らきめにて、幸を得るを漁夫の諺に、値もめうが、逢ぬもめうがとは、これに喩ていふとなり。
めじろ、大さは九尺許にすきず。寧波府志に白眼鯊といふ。 つまりと加り、ひらかしら、など称ふるもの、めじろの一種なり。 をなが、尾全身よりながし。 わに、背に黒点あり。わにはわう志¨んの轉畧にして黄鱘是なり。 さめは緫称。又わに、又ふかといふ。
あゐさめ、俗にあをといふ、その身あをし、福志にいふ胡鯊、一名青鯊。 かなつぼは、めじろに似て皮沙、あゐさめの如くにして色黒し。ころ、かす、あゐさめ、かなつぼの四種は肉のみならず、皮も亦用を為す。これまでの肉にて作る魚餅を上品とす。
つのぜ、背に角の如き鰭あり。 ぎんさめ、その皮沙なく、白色光滑て銀の如し。骨柔かに肉甚美し。 しゆもく、状撞木の如く眼両端にあり。閩書に雙髻魚といふ。是までを中品とす。
ねつみさめ、其頭ねつみに似たり。うちは状圓く、團扇に似たり。 さかたはうちはの類なり。そとば、又とうばともいふ。状、卒兜婆に似たり。 加らす、黒く肉白し。 しほさめ、よく似たれとも別なり。 へら、その皮剝やすく、べら〱するなり。 加くべい、又おかぐらといふ。状、神楽の獅子頭の如し。 よしきり、背青く腹白し、その肉やわらかなり。 てんぐ、天狗に似たり、塩縣圖経に虎頭鯊といふ。 おゝせい、ねこさめに似り。 とら、閩書に虎魴といふ。 のこきりさめ、上嘴長サ二三尺、両旁に歯あるを鋸の如し、閩書に鋸鯊、山堂肆考に劔魚といふ。 こばんさめ、又ふなしときといふ。状牛尾魚に似て沙細に色黄赤に淡黒を帶、脳上に小判金の形ある、ゆへに志かいふ。異物志に印魚、或書に咽機多魚とあり、或ハこの魚の大なるもの舩底につく時ハ大舩も行ことあたわず、ゆへにあやかしともよべり。五六種あり鬻ぐ纔に尺にすきず。
てんぐ以下は、魚餠の用に入れず、或ハ煮食ふ品もあり。
又いさりさめは、頭鴨脚葉に似たり。 うばさめ、その皮縐紋ありて、剛歯なし、これを老婆にたとふ。 かつたいさめ、色灰黒、背に蛙丸のことき班あり、口吻に癅あり。 はたさめ、一名てん加¨ひ、状梵幡に似たり、味ひ美く、更に腐臭なし。臺灣府志に旗魚といふ。 かひめぶか、閩書にいふ犂牛鯊、其加しら犂耳の如し。 又、のうそうぶか、綱目に鮠魚。 ざうぶか、鱣魚、綱目に出つ。九万引風乾の肉なり。延喜式に鮫の楚割、和名抄に須波夜利に作る。
たり、塩して乾たる肉なり。江家次第に黄鱘といへる、是なり。今、伊勢及肥後より出す、味ひひだらに似てよし。
きんひれ、ぎんひれ、翅の筋末なり、色晶瑩金銀の如し、鱠の伴によし、清俗金絲菜銀絲菜といふ、日本の産を別て賞美す、よつて年々翅を交易するといへり。
眼系、志ゆもくさめの目に白き糸の如きものあり、それを味噌汁に煑て食へハ鳥目を治す。
さめのまもり、おほせいにあり、他のさめにハなし、形掛守袋に似て、緒の形もあり、色は琥珀のごとし、下総銚子浦にてハさめのみずぶくろといふ、産の催生に、これを襟にかけ、或は手にもてバ産かろし、これ熊の腹帶の類なり。

『魚鑑』に記されるサメの種類は、ナント約29種。(うちコバンザメは、厳密にはサメのような軟骨魚ではなく、硬骨魚に属するようです)

それにしても、別名を入れると、29種以上のサメが当時の日本では知られており、漁獲・流通していたことがわかります。

食用としては、蒲鉾(本文では「魚餠」)として最も広く利用されていたことも『魚鑑』には記されています。

また、「めうがさめ」についての記載量が最も多いのも興味深いです。「めうがさめ」とは、おそらくは“もうかさめ”のことでしょうか。「もうか」の語源に、一説には、「まふか(真フカ)」がなまって「もうか」になったのだ…という説もネットで見かけました。(『釣り人語源考』フカ
しかし「めうが」が「もうか」とするならば、「めうが=マブカ」とするには難しいのではないかと思います。となると、『魚鑑』に書かれている「めうがさめ」とは、今でいう何サメにあたるのか???今の時点ではナゾのままですね。

いずれにせよ、『魚鑑』にある特徴は、大きさのみならず、背中の模様、漁師さんを襲う習性などの情報からみると、詳しい人にはすぐに分かるのかもしれません。

食用としては、「カマボコ(魚餠)」の他にも、シュモクザメの眼系やフカヒレについても記されており、とくに「シュモクザメの眼系」なんて個人的には興味津々な食材です。

鍼道五経会 足立繁久

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