金匱植物同好会 Extra edition

「ワサビに興味ありますか?」というメールから

先日、濱口昭宏先生から「山葵に興味ありますか?」というメッセージをいただきました。

濱口先生とは金匱植物同好会 会長であり、生薬探偵であり、有名な墓マイラーであり、その他いろいろなお顔を持っている人物。
『これは!薬草観察のお誘いか!?』と、喜び勇んで連れていってもらうことに…。

話を聞けば、当院のすぐ近所に野生のワサビ(※1)の群生地があり、
ちょうど今、ワサビの開花期にあたるとのこと。
ワサビの野生種もしくは栽培種が野生化したものとのこと

ということで、急遽「鍼灸師の遠足」そして「金匱植物同好会」の予行演習?と相成りました。
※金匱植物同好会について詳しくはコチラをご覧ください

フィールドに出ると予想外の獲物が…

濱口先生みずからの運転で現場に向かいます。それにしても…流石は生薬探偵です。

「この辺りには●●が生えている」
「時期をずらせば■■の花がみられる」
「もしかしたら、今の時期でも▲▲には出会えるかもしれない」

と、一流ガイドっぷりを発揮しつつも、同時に獲物を狙うハンターの目をしています。

そんな濱口先生の配慮?狙い?もあって、ワサビの群落地よりもやや上手(かみて)に車を停めて、杉林の林床を捜索です。

生薬探偵いわく「この辺りにはセリバオウレンが生えている」とのこと。
開花期は過ぎたけども、もしかしたら…という一縷の望みをかけておじさん二人で捜索です。

オウレンを探すこと・・・1分以内に「これがオウレンですよ」との声が(笑)

生薬探偵の目にはすでに獲物は見えていたのですね(苦笑)

「もう花が終わって実をつけ始めています。これです。」と指し示してくれたのが下の写真。

「こっちのオウレンはもう芽吹いていますね~」と下の写真

『オウレンの可憐なお花に出会えるのは今年は無理か…』と思ったところに

「ありましたよ、まだココに残ってました!」(下の写真)


主役のオウレンが見事にピンぼけ…フラストレーションがたまる一枚ですが、ご容赦ください。

「もしかしたら他にも残り咲きのオウレンがいるかもしれませんね~。」との生薬探偵の言葉にワクワクが止まらない。この胸の高鳴りは決して山道を行くおじさんの動悸息切れではないはずだ。

この日はやはりついていましたね。通りすがりの山ガールの情報によると「(携帯の写真を見せたところ)ああ、その花ならあの先の傾斜にありましたよ。」との有力情報が!

その斜面とやらに急行してみると、いました!遅咲きのオウレンが!!


可憐なオウレンのお花。

「この根を掘り起こすと、根(根茎部)は本当に苦いですよ。水に漬けるとほどなく黄色の色が出ます。」

なるほど、黄連は振り出しにも使えると聞いたがそれだけ水に溶ける性質が強いのかと納得。
大黄黄連甘草湯(胎毒下しのまくり)などはすぐに黄色の色素が出てきますから。
※胎毒については講座「生老病死を学ぶ」にて解説しています。

実際に掘り起こして根茎部を見てみたい気持ちもあったが、ここは我慢。


↑写真は生薬探偵・濱口先生(奥)とセリバオウレンの未熟果(手前)

獲物を求めて次のフィールドに…

当初の獲物…というか目的はワサビの群落をみることでした。ということでセリバオウレン群生地から下手(しもて)に移動します。
運転しながらも生薬探偵の目はギラギラ光っています。

ということで、ワサビにたどり着く前に確保?した薬草。

下写真:ジャノヒゲ・麦門冬の青い実

下写真:香独活の新芽

写真:貝母(アミガサユリ)の近影

下写真:貝母・アミガサユリの2つ花

貝母・アミガサユリの群落

下写真:連銭草・カキドオシの写真

「これは子どもの疳の虫にも使われる薬草ですね」と生薬探偵のお言葉。

なるほど~。小児はりを生業とする当院には必要な草だな。

お目当てのワサビの群落に遭遇!

里の道を下り、きれいな沢の横道、畑道を行くこと、数分。
生薬探偵さまのガイドぶりが半端なくてもう…最短、最速で薬草に出会えるのです(感謝感謝)。

山葵(ワサビ)の群落地に出会えました!
下写真:白い花はワサビの花です

下写真:清流を背景にワサビの葉と花

実際にワサビの葉を採ってムシャムシャと食べてみました。

うん、確かに辛い…!!
莖の部分、特に根元に近い部位に辛味が際立っていました。

胃の弱い人にはあまりお勧めしないかな。
でも野山で野草を食すというのはワイルドで気分が良いものです。

一ミリほど、神農さまに近づけたかな…(笑)

「金匱植物同好会」の番外編、実際には2時間程度のクイック薬草見学会でしたが、
この短時間で10種類の薬草は見学できました。

私からするとお昼休憩の間に10種の薬草見学ができた!というものすごく有意義なお昼休みでした。

薬草見学や野山散策に興味がある方はぜひ次の機会にご一緒しましょう!

ということでお知らせです。

金匱植物同好会2019

6月9日の第2日曜日に奥河内にて薬草見学会2019を行います。

ナビゲーターはもちろん生薬探偵こと濱口昭宏先生

今回のターゲットは・・・人参です。

しかし、人参はいくつか種類があり、よく知られている人参は御種人参ですが、
今回のターゲットは竹節人参です。

この竹節人参の薬能については
「竹節参、その効は直根参に同じくして、少しくその温潤を欠く。その功、韓参と大いに辨別あり。
…陽気を救い、虚脱を復するは韓参、最も優れり。
堅を砕き、渇を止めるは直根、竹節、大いに功あり。」という性質を帯びると『古訓医伝―薬能辨―』にて解説されています。
かの吉益東洞も竹節参をよく用いたのだとか。

その竹節人参の生きている姿を目撃しに行きましょう!
もちろん、道中には竹節人参以外の薬草にも出会えるはずです。
今回の番外編がその例であります。

現時点で分かっている範囲での情報を以下に掲示します。

日 程:6月9日(日)

費 用:3,000円

持ち物:日帰り登山できる装備

集合場所:南海高野線「千代田」駅
集合時間:未定ですが、おそらく9時~10時くらいになるかと思われます。

申込み:現在まだ受け付けておりません。

申込み(受付)開始になり次第、当ブログにても改めて告知記事をアップしますので、こまめにチェックしておいてください。

 

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