9月10日・第2日曜日は【医書五経を読む】の講座でした。
前半の内容は・・・
第4回目の今回は午前の部にシェアMTGと足立の鍼灸実技を行いました。
シェアMTGとは…お互いの情報をシェアするミーティングのこと。例えば、ココ最近の治療の工夫や、聴講などで入手した情報(の一部)を発表する時間です。
シャイでナイーブな人は人前で発表する練習にもなるでしょうし、聴く側は貴重な情報を聴けるチャンスとなります。
※もちろん、発表する人は節度をもって許容範囲内の情報をシェアしてもらうことに注意してもらいます。
足立の鍼灸実技は毎回一名の参加者に治療します。鍼灸の勉強会に参加してもらった以上は元気になって帰ってもらう…を目的のひとつに(打ち上げで湿熱をたらふく溜め込むのですが…)。
そして、この一ヶ月の鍼の工夫を紹介する場でもあります。
鍼の至気を確認してもらう。押し手の位置や深さで感覚が変わる。
治療内容としては、降気により上下の調整を行い、腎経の別行を使うことで、下に内に気を引き締める治療を主とし、その従として膈~胃の詰まり停滞を開き、主を補佐するという鍼の流れを行いました。
後半は脈要精微論Final
6月から始まった「やさしい素問の脈診」を表のテーマに脈要精微論を読み進めましたが、9月の4回でようやく読了。
・脈と呼吸と時間
・四海
・色・望診
と、各回 掘り下げるネタが満載でしたが、今回は“夢ネタと脈診”の2つのテーマに絞り勉強しました。
夢から診断するという行為は脈要精微論にも、そして『霊枢』淫邪発夢篇にも詳しいです。
夢の内容(結果)から、その人の心身の状態を推し測ることができます。現代でも夢分析により深層心理を分析するというジャンルがあります。
また一般的にも夢占いなども比較的ポピュラーなジャンルと言えるのではないでしょうか?
例えば、蛇の夢は金運が上がるとか、死ぬ夢は凶兆ではない…とか。
『素問』『霊枢』での夢を診るでは、五行的にも分類できる要素があります。
実際にみたことのある夢をピックアップすると・・・
「こんな夢をみたことがある」と題して夢ネタを集めてみると、次のような夢があがりました。おそらく『同じような夢をみたことある!!』という人もおられるかと思います。
✔怒る夢・自分の怒る声で目が覚める
✔空を飛ぶ夢
✔追いかけられる夢(逃げようとしても足腰に力が入らない)
✔ビルや崖から落ちる夢
✔歯が抜ける夢
✔性交する夢
✔夢はカラーか?モノクロか?
など…これらの夢を五臓の動揺として分類することも可能です。(もちろん、もっと夢を突き詰めていく必要がありますし、脈診・腹診・望診と同様に、単一の診かたで判断することは早計だと思います。)
夢を分類し、診断に活用することは有益な診断材料になります。東洋医学の夢診断の特徴は“夢から精神・深層心理を判定するだけでなく、身体のコンディションも診断する”ことにあると思います。
そしてもう一つ大事なことは、身体のコンディションの不和がなぜ夢という形で表われるのか?ということです。
夢ばかりみてよく眠れない…睡眠どころか精神的にも不安定だ…という方に温胆湯という漢方が処方されることがありますが、なぜ夢見が悪く精神が安定しないのか?ということを考えることと、温胆湯の方意を考察すること繋がってくると考えます。
〆は脈診で
脈要精微論は脈診で締めといきました。
…と以上のように、是非は置いておくとして、脈要精微論の記述から“まずは自由に脈診配当を考察する”をテーマに発表してもらいました。
かの宇津木昆台(1779-1848)も脈要精微論を骨格に独自の脈診法を考案したとあります。(さらに『金匱要略』の五臓風寒積聚病編の脈診などを加味している)ですから、古典をベースに独自の技術を発展させることも誤りではないかと思います。
私も以前より臨床で用いている独自の脈法を紹介しましたよ。
番外編・打ち上げはスプーン曲げ!?
当会名物?の打ち上げですが(汗)、宴でも遊びながら勉強します。今回のテーマはスプーン曲げ。
スプーン曲げとは言っても超能力を磨こうというのではありません。
写真のとおり、スプーンは簡単に曲がります。ですが、超能力ではありません(私はその分野に関しては教えられません)。
要は力の使い方です。意外と自分自身に縛りをかけている人は多いものです。スプーン曲げの遊びを通じて体感してもらえれば幸いです。