伝統医学の一貫性と多様性を学ぶことで道理に至る
2021/02/04 | category:診家枢要
革脈の時間です。革脈という脈象・脈状は見慣れないな…という人は多いかもしれません。 脈の陰陽類成 革 革脈は、沈伏実大、(これを按じて)鼓皮の如くなるを革と曰う。 氣血の虚寒、常の度に革易す也。 婦人なるときは則ち半産漏下し、男子なると...
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2021/02/03 | category:診家枢要
血虚とネギで有名な脈 芤脈は血虚の脈として習うことが多いです。この「芤脈=血虚」という固定的な覚え方も考え直すべきだと思いますが、この点については、いつものように〆のクイズで思案してもらえると嬉しい限りです。 そして芤脈の譬え。 葱の孔のような脈と、...
2021/02/02 | category:診家枢要
対となるこれまでの脈状 22種 “脈がとぶ”シリーズ、促脈に続いて結脈の項です。結脈は促脈と対になる脈です。 長脈と短脈の項で書きましたが、脈の陰陽類成を振り返るとここまでの全ての脈状がそれぞれ対となる流れです。脈の陰陽類成と題しているので当然の流れなので...
2021/02/02 | category:宇津木昆台
促脈に関する情報をいくつかみた中で丁寧かつ分かりやすく記されているものに五足斎を称する宇津木昆台の『医学警悟』収録の促脉説があります。 昆台先生は促脈の端的に表現すると「近・短・蹙・迫・速・催」であるとし、単純に“一止”と解釈するのではないと主張されてい...
脈がとぶ脉 促脈は“時に一止する脈”と言われています。一般的には「脈がとぶ」といわれる現象ですね。このように「脈がとぶ」脈には結脈や代脈があります。 “脈がとぶ”となると「不整脈かっ!?」「期外収縮というヤツか!」と思いますが、脈がとぶことは東洋医学で...
2021/02/01 | category:診家枢要
脈診の目的は「脈をみれるようになる」ではない! 名前の通り、潜伏潜行する脈状です。 『なぜ脈が潜行することになるのでしょうか?』 このような思考は脈診を理解する上で重要な問いとなります。 通常の脈診習得の思考の流れだと… 「どんな脈をうっているの...
2021/01/30 | category:診家枢要
豆のような脈状、動脈です 動脈の形状(脈状)を説明するのに「“豆”の如し」とあります。豆という言葉を譬えに用いる脈法は菽法脈診がよく知られています。 菽法診は豆の重さを譬えて、動脈は豆の形を譬えに使っています。 豆のような脈というと、一見したところ実系の...
虚をあらわす弱脈 これまでも虚証に属する脈状はいくつか紹介されました。 虚脈・微脈・緩脈・濇脈、さらには短脈・小脈と、この後にも芤脈や濡脈といった虚証系の脈状が登場します。 それぞれの脈状の感触とそれが示す氣血の状態やベクトルを整理しておくことが重要...
2021/01/28 | category:診家枢要
緊張性の強い脈・緊脈 緊脈の回です。緊脈は太陽病傷寒の脈状としてもよく知られています。 本書『診家枢要』では緊脈の形状について詳しく記されています。 「有力にして緩みのない脈」 「脈の来は勁急にして、按じて長」 「これを挙げて牽縄転索の状」というフレ...
2021/01/27 | category:診家枢要
大脈はどのような実脈なのか? さて大脈と小脈の回です。今回も大・小セットで紹介します。 脈大というと純粋に100%実証のイメージを持ちやすいですが、どうでしょう? まずは滑伯仁先生の大脈論をしっかり読んでみることにしましょう。 大脈とは、小ならざる也。...
2021/01/26 | category:診家枢要
これまでの脈状を振り返ると… 「明確な形のない脈状を理解するには比較対照するとよい」とはよく脈診講義で話すことですが、本項の長脈・短脈、そして次項の大脈・小脈も、分かりやすい対照です。 ここまでの脈状はすべて対照的なラインナップであることも忘れてはいけませ...
2021/01/23 | category:診家枢要
脈診初心者を悩ませる濇脈 血虚の脈状としても習うことの多い濇脈(渋脈)。滑脈に負けず劣らずソムリエ的な表現でよく知られています。 「刀で竹を削るが如し」「雨が沙(砂)を沾す如し」この両表現は『診家枢要』本文にもありますが、他にもこんな表現もあります。 ...
分かるようで分からないソムリエ的な表現 滑脈の回です。 前回の緩脈と同様、滑脈も脈状の幅が広い脈です。病脈としても滑もあり、平脈としての滑もあります。 脈滑の本質をよく理解すべき項です。 まずは滑脈の感触・形状を説明するのがおなじみのフレーズ「盤に...
2021/01/19 | category:診家枢要
脈はそもそも何を表わすのか? 緩脈は平脈の一条件「和緩」といった言葉・脈状してもよく知られています。(※診脈の道『診家枢要』においても「胃脈は謂(いわゆる)中按してこれを得る、脈和緩なり」とある。)他にも土用の時期の脈としても学ぶことが多いですね。 し...
弦と対比になる脈状は? 本章はおなじみの弦脈です。弦脈は臨床でもよく診る脈状のひとつですね。 本書では脈の緩急・剛柔を軸とした脈状対比があります。弦はその一つ、急・剛にあたる脈状です。 弦脈の感触は「弓の弦の如し」であることはよく知られています。この...
2021/01/16 | category:診家枢要
現われざる脈 今回のテーマは微脈です。虚脈と同様に氣血ともに虚を示す脈状です。 まずは『診家枢要』が説く微脈をテンプレート通りに読んでいくとしましょう。 微脈の特徴をひと言でいうと「顕(あらわ)れざる脈」。その特徴を形容する言葉が「依稀」「軽細」「有...
洪脈は波が鍵! 洪脈は“大波が押し寄せるような脈”と表現されることが多い脈状です。波という表現はまさに正鵠を射るような表現です。 まずは下の書き下し文を読んでみましょう。 洪脈を表わす要素として「大にして実」つまり“洪脈の中に実脈の要素が含まれる”という...
脈状を理解するコツ 今回は虚脈と実脈の両脈を紹介しましょう。脈状の章(脉陰陽類成)では“対となる脈状”を順に紹介しています。浮脈と沈脈、遅脈と数脈、そして今回は虚脈と実脈の対比です。 脈位を軸にした対の脈として、浮脈と沈脈。 脈数を軸とした対の脈として、...
2021/01/05 | category:診家枢要
脈の遅数が示すのは寒熱のみなのか? 脈の遅数は重要な意味を持つと考えています。しかし初級の段階では遅数=寒熱の指標として教えられることが多いですね。 ということで、まずは遅脈・数脈の定義、すなわち脈数と息数の関係について覚えるとよいでしょう。 今回は遅脈...
沈脈の形状・性質・各部位における病症 『診家枢要』の脈陰陽類成では、沈脈の要点・形状・特性、そして各部位における病症といった形式で解説が丁寧に記されています。以下は『診家枢要』の書き下し文を紹介します。 脈の陰陽類成 沈は浮な...
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