花粉症の季節に鍼灸ができること

鍼道五経会の足立です。

春の天気と人の気の動き


今年2018年の春一番は猛烈な勢いでした。天気も激しく変化を起こし、冬の寒気を追いやろうとしているようです。まさに春・木の性質だといえます。

これから三寒四温の時期に入りますが、これも言ってみれば気象における寒熱往来のようなもの。陰陽のせめぎ合いなのです。

この天気の動きに揺さぶられるように、人の気も動きます。現代日本で春に多い症状といえば花粉症でしょう。

花粉症は一般的には花粉が悪者のように言われていますが、どうなのでしょう?人間の体は悪くないのでしょうか?

花粉症を東洋医学でみる

内発病(ないはつびょう)という考え方があります。これは体に隠れ潜んでいた悪いもの(邪)を追い出す際に表面にあらわれる症状のことを言います。

症状として現れていなくても人の体には邪が隠れ潜んでいるものです。これを伏邪と呼んでいます。

「毎日三度食事をしっかり食べている」この生活習慣だけでも宿食・湿痰が増えるといっても良いかもしれません。ましてやこれに運動不足やストレスが加わり、そしてさらに間食なんかしてしまったら…。

“きれいな体にみえるけど、実は伏邪を持っている人”って、現代日本人には多いと思います。

とはいえ、体にとっては隠れ邪気は好ましいものではありません。なんとかして伏邪を処分し、少しでもクリーンな体内環境を作りたがっているのです。

その結果、起こるのが内発病…と、そんな考えもあるのです。

花粉症に限らず、発熱、湿疹、痛み等々の症状で発する場合もあります。内発病はお子さんに多いですね。小児はりをしているとよく分かります。この話は「小児はりのキホン」でよく話していることです。(興味ある方はぜひご参加ください)

花粉症の診立てを東洋医学で

以下の花粉症の診立てはあくまでも一つの例です。先生によって違う診断を行うこともあるでしょう。

さて、花粉症の症状は鼻水(涕)が主体です。次に痒みといったところでしょうか。

そうなると邪のタイプは湿痰がメインでしょう。痒みがあるので湿熱という可能性もあります。とはいえ、春の陽気の影響も受けていますし、もちろん邪正相争も起こっているので、自然と熱を帯びる傾向はあります。

しかし通常、湿痰・水は重く粘滞性があり下に下に症状が現れやすいものです。しかし症状部位は鼻・目と上部に集中しています。内→外・下→上に向かう陽気の動きが水を動かしていると考えます。それが春の升陽・升発の気です。

つまり、春になり木気が旺盛になることで、人の木気も呼応します。その升発の勢いに乗せて伏邪を体外に追い出そうとする現象が花粉症です。まさに春は発陳の季節なのです。

追い出す方向性は上なので、上部にある鼻・眼がえらいことになるのです。

元々、湿痰を多く貯め込んでいる人は“出して出しても止まらない鼻水”に悩まされますし、内熱を多く持つ人は眼の痒みなどもきつくなるでしょう。

鼻という部位から、肺の病というみかたもありますが、足陽明胃経の症状としてもみることができます。この話は「臓腑経絡のキホン」でも紹介したことがありますので、ここでは省略します。

花粉症への鍼灸治療

病因を伏邪、花粉症の本質を内発病としてみると治療は大きく変わります。

基本的な治療方針が瀉法になるからです。身体は邪を外に追い出そうとしているのに、内に向けて補法することは空気が読めないKY行為です。

簡単にいうと、気のベクトルは体の外向きに向かっているのに、鍼灸で正反対の内側に向かわせてしまうからです。

また、単に症状を止めるという目的の鍼もお勧めしません。鼻水を止めたところで、原因である湿痰は少しも減りません。つまり根本的な問題は何一つ解決しない、対処療法と同じ意味合いだからです。いわゆる抗アレルギー剤と似ているかもしれません。そのときの症状は軽減しますが、毎年抗アレルギー薬を飲まないといけません。

ところが話はそれで終わりません。春に減らすはずだった湿痰が出ていかずに累積されるので、さらに後々困ったことになります。


春のスギ・ヒノキの花粉に反応していたが、初夏のイネ科にも反応するようになり、秋のブタクサにも反応するようになった…とこんな人も多いと思います。

身体は花粉などをきっかけに伏邪を追い出したがっているのです。

きっかけは花粉、改善すべきは人の体、それができるのが鍼灸治療です。

伏邪を追い出してどのようにどの方向から追い出すか?この続きは勉強会でもよく話すことなのでここでは省略します。

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