伝統医学の一貫性と多様性を学ぶことで道理に至る
2020/05/22 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回の内容は、瘟疫が解除され始め回復期に移行する際の治療ポイントについて説かれていました。 いくつかの要点を挙げていましたが、特に注意されていたのは、人参や朮の投与に対する戒めが記されていました。 今回は瘟疫の治癒過程における人参...
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これまでのあらすじ 前回は複数回にわたる下法は陰虚亡陰を招く、その危険性に注意すべしという内容でした。 とはいえ、有事の際の治療と平時の治療と弁えておくべき内容であったと推察します。 さて今回は瘟疫が解除されてからの話、“養陰を主とし人参や朮の投与は...
これまでのあらすじ 前回まで発汗や発斑に関する内容でした。 どちらも治癒転機の深く関与する現象であり、発汗パターンや発斑の機序を理解することで瘟疫論の病理観を理解することにつながります。 さて、今回は数下亡陰、つまり“陰虚証に何度も下法を施すと…”の...
2020/05/20 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回までは盗汗・狂汗に関する内容でした。 今回は汗から離れますが、やはり皮表に現れる症候のお話、発斑です。 (写真・文章ともに四庫醫學叢書『瘟疫論』上海古籍出版社 より引用させていただきました。) 第26章 発斑 発斑 ...
これまでのあらすじ 前回までは戦汗・自汗に関する内容でした。 瘟疫論の病理設定を考えると、戦汗や時間のメカニズムが理解できるはずです。 熱病の治癒起点として発汗は大きなターニングポイントとなります。その発汗にもいろいろなケースがあります。 今回は盗汗と...
これまでのあらすじ 前回は戦汗に関する内容でした。 戦汗の生理・病理を理解すると、伏邪の関与や膜原を起点とする瘟疫に戦汗が起こるのは納得できますね。 『傷寒論』辨脈法にある戦汗・不戦而汗出・不戦而不汗の条文を交えて、治癒転機を紹介しました。 さて、...
これまでのあらすじ 前回は発斑と戦汗の概論的な章でした。 本章では戦汗について詳しく解説します。 (写真・文章ともに四庫醫學叢書『瘟疫論』上海古籍出版社 より引用させていただきました。) 第22章 戦汗 戦汗 疫邪、先に表に傳し、後に裏に傳う。...
これまでのあらすじ 前回は問答形式で傷寒と瘟疫時疫の違いを説明していました。その説明の中でなぜ傷寒と瘟疫は異なる病なのに同じ傷寒論方剤が有効なのか?という問答があります。邪に対する治法の本質が垣間見えた文章でした。 (写真・文章ともに四庫醫學叢書『瘟疫...
2020/05/19 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回は胸膈に居座る病邪の処理法について説かれていました。 瓜蔕散という処方が紹介されていました。 瓜蔕散がない場合は淡豆鼓で代用可とありましたが、確かに吐けそうなお話でした。 今回は傷寒と瘟疫・時疫はどう違うの? 全く異なる病...
これまでのあらすじ 前回は発黄(黄疸)についての説明でした。 発黄(黄疸)は標であり、その本は小便不利であるとの、症状と体質の理解。 しかし、小便不利も標であり、本質的には胃家實が本である、との病態理解の話でした。 (写真・文章ともに四庫醫學叢書『...
2020/05/18 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前章の「畜血」では血分の熱について学びました。 熱病の本体である熱邪が血分の位に侵入するか?気分に居るのか?で発症する病状はまるで違います。 血分熱か気分熱か?これは急性熱病だけでなくても、理解しておくべき鑑別法です。鍼灸師も必読の内...
2020/05/16 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前章の「注意逐邪勿拘結糞」では下法の本質について書かれていました。 陽明腑に蓄積した熱のために、結糞、硬便ができます。 陽明腑熱の指標ともいえる硬便・結糞ですが、この結糞を下すことが目的ではない。 結糞や熱はあくまでも標であって、そ...
2020/05/15 | category:瘟疫論
今回も下法の話です 今回の「注意逐邪勿拘結糞」もやはり下法のお話。 冒頭部を要約すると…「下すべき証にも諸々の所見はあるが、舌診と腹診所見がそろえば達原飲に大黄を加味して下すべし」とあります。 『傷寒論』が脉證并治…とあったように、脈診に信頼性を置い...
これまでのあらすじ 前章の「疫愈結存」では、瘟疫が癒えた後という設定。 腹中塊を陽明腑証の所見と誤認してはならない。下手に攻めると胃気を損ない、それをきっかけにまた陽明腑熱が益すことに繋がるというお話でした。 さて、今回は同じ「疫愈後、脈証共に平」と...
これまでのあらすじ 前章は「因証数攻」つまり証によって何度も攻下する必要があるという内容でした。実際に2症例を挙げて、再三にわたって芽吹く陽明腑熱に対し大黄を主として攻下するケースを勉強しました。 「下法は数を以て計(かぞ)えるのではない、下すべき証が...
これまでのあらすじ 前回は下後に現れる身熱や脈数についての解説でした。これまで何度も書いたように瘟疫論における病理観は膜原を起点としています。 膜原は経に近く胃に近い。表から邪が侵入する傷寒論に比べて、陽明腑に邪が侵入しやすい前設定といえます。 無論...
2020/05/13 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回の「邪気復聚」は“邪気が再び聚(あつ)まること”という名で再発する熱病の病理を説きました。 そして鑑別ポイントは「瘟疫と労復との見極め」です。 労復病については『諸病源候論』にも『傷寒論』にも記載されています。 病み上がりの...
2020/05/12 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回の下後脈浮、下後脈復沈の章では、攻下した後の脈・症状・治法について3つのパターンを挙げて病伝解説されていました。 瘟疫の本質は熱邪であり、その邪の起点は膜原(経と胃腑の間)にあるため、陽明腑に移行した熱邪処理を見据えた病伝を把握して...
これまでのあらすじ 瘟疫の本体は熱邪です。その熱邪が体の各部位・各層に侵攻することで諸症を呈します。 これまでの説明では、表・裏・膜原の三層に分け、さらに各層でも細かな分類がありました。 そして裏(腑)に熱邪が潜む場合は、速やかに下す可し!でしたね。 ...
これまでのあらすじ これまで膜原に対する達原飲、陽明腑に対する大承気湯、陽明経に対する白虎湯。 そして広範囲にわたって作用させる三消飲といった処方が登場しました。 鍼灸師が処方することはできませんが(登録販売者を除く)、 また達原飲や三消飲は生薬か...
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