伝統医学の一貫性と多様性を学ぶことで道理に至る
2021/06/20 | category:温熱論
熱病における斑疹とは? 『温熱論』本文では「論舌白如粉」に続いて(?)記載されているが、内容を考慮して別記事として紹介させていただきます。 斑疹とは熱邪が余勢を駆って皮膚表面に発出した現象であり、それと同時に身体が自然に行う解肌のような現象でもあると個人的...
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いろんな舌証 前章の黒舌から一転して淡紅舌の所見です。 淡紅舌といえば、平の舌証所見の一つにもみえますが、どうやら平の舌証について紹介しているわけはなさそうです。では葉天士が説く淡紅舌について読んでいきましょう。 写真は『温熱湿熱集論』福建科学技術出...
2021/06/19 | category:温熱論
いろいろな舌苔・黒苔 ベースの舌が無苔、そして烟(けむり)煤(すす)という文字から、舌に付着する黒苔の性状をイメージしやすくなると思います。 黒苔は極証(陰陽の極み)を表わす舌証として知られています。 本文でもその旨が記されています。 写真は『温熱...
2021/06/18 | category:温熱論
舌苔について 前章の「絳舌を論ず」では、舌の乾燥が津液・陰分の損耗を判定する指標としていました。 今回はその反対。東医家は津液の過多を表わす所見として舌苔を診ています。 『温熱論』に記される治療観においては湿を主対象とする局面があります。その湿濁・湿...
2021/06/11 | category:温熱論
気分の熱から営分の熱へ 前回は気分の熱が進むことで、裏(陽明腸胃)に結する証を軸に、下法適応証(下すべき証)を舌診で見極めるお話を説かれていました。 今回は気分熱が営分に侵攻する話について記されています。 『温熱論』に記される衛気営血弁証を読むと、葉...
舌診のお話 ここから舌診について詳しく論じられています。呉有性も『瘟疫論』下巻にて舌診について詳細に述べています。 葉天士が説く「舌診論」篤と拝見いたしましょう。 写真は『温熱湿熱集論』福建科学技術出版社より引用させて頂きました。 以下に書き下し文...
2021/06/06 | category:温熱論
裏位はどこにある? 本段では裏結について述べられています。温熱病において裏位とはどこに当たるのか?を明確に意識して読むと良いでしょう。 当たり前ですが、表と裏を始めとする病位が不明瞭だと治療方針が立てられないからです。このことは鍼灸治療も全く同じことがいえ...
営血分に熱邪が侵攻しなかったら… 前段では衛気営血弁証でよく知られる「気分から営血分への病伝」について記されていました。 今回は気分の熱が営血分に進まずに留まってしまうケース、いわゆる三焦留恋について説いています。 葉天士は気分熱が留まる病位を三焦で...
2021/06/05 | category:温熱論
営分への侵攻 この段落では、温熱邪が営分に侵攻した際の病症、そして治法についての概略が記されています。 さらには深い層に熱が達した場合、その影響をうけ陰氣や津液もまた消耗します。 営血分に侵入した熱邪を起点に、諸々の病変に対する処置法についても紹介されて...
葉天士プロフィール 去年の5月頃は明代の医家 呉有性の『瘟疫論』(1642年)を勉強しました。(→『瘟疫論』上巻リンク) 今年は温病学派を代表する葉天士(葉桂)の『温熱論』(1746年)をアップしようと思います。 その前に葉天士についての豆知識を少し知っ...
2020/05/30 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ いよいよ本章で上巻の最終章です。 冒頭文、補瀉を用いるも、先後、多少、緩急をいかに使い分けるべきか? これは鍼灸治療であっても、急性病であっても、慢性病であっても同様に大事なことです。 本章のテーマは「乗除」。瘟疫の診断と治療に...
これまでのあらすじ 前回は「脈証不応」、脈と証(症状)の情報が合わないという非常に臨床的な内容でした。 脈と証が合わない…これは一見したところ、逆証(難治・不治)なのですが、そうではない可治のケースもあります。 そして脈と証の不一致は、瘟疫でなくても...
これまでのあらすじ 前章「脈厥」から「脈証不応」をテーマとした内容が始まっています。 脈診を重視する治療家にとっては必見の内容です。 脈と証の不一致は、前回記事でも書いたように疫病でなくても意外と臨床でよくみられる現象でもあります。 個人的には、瘟...
2020/05/29 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回は虚実の先後、治法の先補後瀉、先瀉後補がテーマでした。 急性熱病の治療でなくとも意識しておきたい内容でしたね。 六分の補法、七分の泻法といった言葉が使われていましたが、これは普段の鍼灸治療でも補瀉を始めとする各種の診法を組み合...
これまでのあらすじ 前回と前々回は二便がテーマでした。病位が太陽腑・陽明腑に移ることでどのような症状が現われ、どのような治療法を選択すべきか?が勉強になったと思います。 今回は虚実の先後がテーマです。 先補後瀉という言葉は、鍼灸師にとっては見慣れたも...
これまでのあらすじ 前章は大便がテーマでした。腸胃に実熱の邪が蓄積することで、前章記載の諸症状が見られます。注意を要するのは、下痢とみて安易に補法を選択しないことです。 特に陽明腑に本位を置く急性熱病にはこの選択は致命的といっても過言ではないでしょう。...
これまでのあらすじ 前回までは薬理論がテーマでした。 本章は大便が主役です。 二便のうち大便の情報は、陽明腑の状態を知るためにも必須のテーマです。 熱結傍流、協熱下利、大便秘結、大腸膠閉といった症状・症候について詳しく学びます。 (写真・文章...
2020/05/28 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回は、外邪性の熱病に対し、補剤を盲目的に使ってはならない!という非常に重要な内容でした。 今回は寒涼薬の使用に関する注意事項です。 冒頭は瘧病と瘟疫の病型の違いに関する説明から始まります。 (写真・文章ともに四庫醫學叢...
これまでのあらすじ 前回から薬理論シリーズがスタートしました。破気薬を用いる際の診断と治療の注意点について書かれていました。 主客を弁えて診断することの重要さが伝わる内容でしたね。 今回も補剤の使用における薬論論です。 (写真・文章ともに四庫醫...
これまでのあらすじ 前回は老人と若者の治療は違う。なぜならそもそもの根本体質が違うのだから…という概論的な内容でした。 老人と若者の体質的な違いは、東洋医学を嗜む者なら誰でも知っています。しかし、それを実際の治療の中に落とし込んで再現できるようになるにはま...
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