伝統医学の一貫性と多様性を学ぶことで道理に至る
2020/05/18 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前章の「畜血」では血分の熱について学びました。 熱病の本体である熱邪が血分の位に侵入するか?気分に居るのか?で発症する病状はまるで違います。 血分熱か気分熱か?これは急性熱病だけでなくても、理解しておくべき鑑別法です。鍼灸師も必読の内...
読む
2020/05/16 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前章の「注意逐邪勿拘結糞」では下法の本質について書かれていました。 陽明腑に蓄積した熱のために、結糞、硬便ができます。 陽明腑熱の指標ともいえる硬便・結糞ですが、この結糞を下すことが目的ではない。 結糞や熱はあくまでも標であって、そ...
2020/05/15 | category:瘟疫論
今回も下法の話です 今回の「注意逐邪勿拘結糞」もやはり下法のお話。 冒頭部を要約すると…「下すべき証にも諸々の所見はあるが、舌診と腹診所見がそろえば達原飲に大黄を加味して下すべし」とあります。 『傷寒論』が脉證并治…とあったように、脈診に信頼性を置い...
これまでのあらすじ 前章の「疫愈結存」では、瘟疫が癒えた後という設定。 腹中塊を陽明腑証の所見と誤認してはならない。下手に攻めると胃気を損ない、それをきっかけにまた陽明腑熱が益すことに繋がるというお話でした。 さて、今回は同じ「疫愈後、脈証共に平」と...
これまでのあらすじ 前章は「因証数攻」つまり証によって何度も攻下する必要があるという内容でした。実際に2症例を挙げて、再三にわたって芽吹く陽明腑熱に対し大黄を主として攻下するケースを勉強しました。 「下法は数を以て計(かぞ)えるのではない、下すべき証が...
これまでのあらすじ 前回は下後に現れる身熱や脈数についての解説でした。これまで何度も書いたように瘟疫論における病理観は膜原を起点としています。 膜原は経に近く胃に近い。表から邪が侵入する傷寒論に比べて、陽明腑に邪が侵入しやすい前設定といえます。 無論...
2020/05/13 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回の「邪気復聚」は“邪気が再び聚(あつ)まること”という名で再発する熱病の病理を説きました。 そして鑑別ポイントは「瘟疫と労復との見極め」です。 労復病については『諸病源候論』にも『傷寒論』にも記載されています。 病み上がりの...
2020/05/12 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回の下後脈浮、下後脈復沈の章では、攻下した後の脈・症状・治法について3つのパターンを挙げて病伝解説されていました。 瘟疫の本質は熱邪であり、その邪の起点は膜原(経と胃腑の間)にあるため、陽明腑に移行した熱邪処理を見据えた病伝を把握して...
これまでのあらすじ 瘟疫の本体は熱邪です。その熱邪が体の各部位・各層に侵攻することで諸症を呈します。 これまでの説明では、表・裏・膜原の三層に分け、さらに各層でも細かな分類がありました。 そして裏(腑)に熱邪が潜む場合は、速やかに下す可し!でしたね。 ...
これまでのあらすじ これまで膜原に対する達原飲、陽明腑に対する大承気湯、陽明経に対する白虎湯。 そして広範囲にわたって作用させる三消飲といった処方が登場しました。 鍼灸師が処方することはできませんが(登録販売者を除く)、 また達原飲や三消飲は生薬か...
これまでのあらすじ 前回の表裏分傳では三消飲の方剤構成が明らかになりました。 呉有性は提唱する「表と裏と膜原」すなわち「経・腑・経胃交関」を理解するには、達原飲や三消飲そして本章で詳解される白虎湯の生薬構成、三者の意図・方意の差違を理解することが鍵でし...
これまでのあらすじ 前回の急証急攻の章では、急証における実熱証において迅速に病邪を排除する治法について説かれていました。 迅速に駆邪する方法として、呉有性は攻下法を指示していましたが、陽明腑における実熱の邪を駆逐することが狙いです。 また「一日に三変」と...
2020/05/11 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回の傳變不常では、何度も再発する熱型(復発)と斑や発黄といった皮膚所見が熱病における鍵でした。 表でも裏でもない膜原を起点とし、熱病の本体である熱邪が表にも裏にも移動します。その移動先は多岐にわたり、その移動速度は驚くほど速い。陽邪で...
これまでのあらすじ 前回の瘟疫初起では、実際に湯液名(生薬構成)が登場し、瘟疫の病理観が徐々に明らかになってきました。 達原飲、三消飲、白虎湯、承気湯といった方剤名から瘟疫の病質や病勢を候い知ることができます。 また「祛証と誤認して、日に参芪を進める」こ...
2020/05/10 | category:瘟疫論
『瘟疫論』はじめました 呉有性(呉又可)が著した『瘟疫論』シリーズを始めました。 第1回は『瘟疫論』を著すに至った背景を踏まえて第1章【原病】を紹介しました。 戦乱・飢餓・疫病と非常にシビアな環境下で温病学という新たな学派が生まれたのでしたね。 第...
2020/05/09 | category:瘟疫論
さっそく『瘟疫論』の本文を読みましょう。 1、原病(『瘟疫論』巻上) (写真・文章ともに四庫醫學叢書『瘟疫論』上海古籍出版社 より引用させていただきました。) 以下に『瘟疫論』の原文を書き下しにしたものを蒼枠内に紹介します。 病疫の由、昔以為(...
2020/05/08 | category:瘟疫論
温病を学ぶ 新型コロナ感染症(COVID-19)の蔓延から、温病学を学びなおす必要を感じました。温病学派といえば、葉桂(葉天士:1667~1746年)の『温熱論』や呉鞠通(呉瑭:1758~1836年)の『温病條辨』がよく知られています。ですが、まずは呉有性(...
Menu
HOME
TOP