難経九難の書き下し文と原文と…

難経 九難のみどころ

九難の内容も非常にシンプルです。脈の遅数と臓腑の病の関係について説く内容です。
一見すると『えっ!?それだけ???』と思ってしまうような内容でもありますが、次の十難とつながる伏線でもあります。

また臓腑の病の違いは五十一難・五十二難五十三難五十四難にまとめられています。
臓腑の病症・病本・病伝・病治の易難がそれぞれに提示されています。それらを踏まえた上で、九難と十難の臓腑脈診を読んでいくと良いでしょう。


※『難経古義』京都大学付属図書館より引用させていただきました。
※以下に書き下し文、次いで足立のコメントと原文を紹介。
※現代文に訳さないのは経文の本意を損なう可能性があるためです。口語訳は各自の世界観でお願いします。

難経 九難

書き下し文・難経九難 

九難に曰く、何を以て臓腑の病を別ち知るや?

然り。
数は腑也。遅は臓也。

数なるときは則ち熱と為し、遅なるときは則ち寒と為す。
諸陽は熱と為し、諸陰は寒と為す。
故に以て臓腑の病を別ち知る也。

示しているのは常の関係

臓腑の病を診分けるには、脈診においては基本的に遅数でみると記しています。
確かに腑病は陽病ですから、脈は数傾向になります。
例えば三陽病、特に陽明病になると脈数洪大と、陽の特徴を思う存分に脈に示してくれます。

また臨床でも時折り見かけますが、臓病、特に精神が傷ついた人は遅脈を示すときがあります。(もちろん七情・五神が傷れた人がすべて遅脈を呈するわけではありませんが)

この臓腑の病と脈の遅数は、基本的な脈診の陰陽として解すると良いでしょう。
したがって本難で説かれているのは「臓腑の病=遅数の脈」として覚えるのではなく、病の陰陽と脈診の陰陽における常の関係です(常と変との関係)。
そして常の関係は九難に説かれ、変の関係は次の十難に記されています。

鍼道五経会 足立繁久

難経 八難 ≪ 難経 九難 ≫ 難経 十難

原文 難経 九難

■原文 難経 九難

九難曰、何以別知、藏府之病耶。

然。
数者府也。遅者藏也。

数則為熱、遅則為寒。諸陽為熱、諸陰為寒。
故以別知藏府之病也。

 

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