奇経を学ぶ ー難経二十九難ー

【奇経を学ぶシリーズ】の難経編も5回目である。

二十九難では奇経病がテーマである。
特殊なルートとして知られる奇経であるが、その特殊な奇経に異常が起こるとどのような事態になるのだろうか?
各奇経の特性や流注を把握した上で、奇経の治療にあたるべきであろう。

『難経本義』京都大学付属図書館より引用させていただきました。
※以下に書き下し文、次いで足立のコメントと原文を紹介。

難経二十九難の書き下し文

二十九難に曰く、奇経の病たる如何に?

然り。
陽維は陽を維し、陰維は陰を維す。陰陽、自ら相い維すこと能わざれば則ち悵然として志を失し、溶溶として自ら収持すること能わず。
陰蹻の為す病は、陽緩して陰急する。
陽蹻の為す病は、陰緩して陽急する。
衝の為す病は、逆氣して裏急する。
督の為す病は、脊強ばりて厥する。
任の為す病は、其の内は結に苦しむ、男子は七疝を為し、女子は瘕聚を為す。
帯の為す病は、腹満して腰溶溶とし、水中に坐するが若し。
陽維の為す病は、寒熱に苦しむ。
陰維の為す病は、心痛に苦しむ。
此れ奇経八脈の為す病也。

奇経を治療に用いるということ

奇経は特殊な経脈というイメージが強いが、特殊なルートにもそれなり適応症や守備範囲があるのだ。
基本的なトリセツを踏まえないまま、ただ便利な道具として奇経を使うのはあまりに勿体ない。
まずは奇経の基本的な特性・流注そして適応疾患を知ることである。

二十六難では蹻脈の特殊性が強調されていたが、本難では陰陽維脈の特殊性が際立っている。
特殊な奇経の中でも、これまた特殊な性質をもつ各奇経の理解はより深めていく必要を感じる。

 

鍼道五経会 足立繁久

二十九難 原文

■原文

二十九難曰、奇経之為病、何如。

然。
陽維維於陽、陰維維於陰。陰陽不能自相維則悵然失志、溶溶不能自収持。
陰蹻為病、陽緩而陰急。
陽蹻為病、陰緩而陽急。
衝之為病、逆氣而裏急。
督之為病、脊強而厥。
任之為病、其内苦結、男子為七疝、女子為瘕聚。
帯之為病、腹満腰溶溶、若坐水中。
陽維為病、苦寒熱。
陰維為病、苦心痛。
此奇経八脈之為病也。

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