2021年 東京講座の締めくくり +実習レポート

皆さん、こんにちは。久しぶりに勉強会レポートです。
この1,2年はコロナ禍の影響があり、密を避け細々と活動していたため勉強会レポートの更新も自然と遠のいていました。

ですが、節目としての12月の東京講座はいつもと違う形で大いに盛り上がったのでレポート記事にして紹介します。

まずは大掃除から!

年末ということもあり、毎月 鍼道五経会の東京道場としてお貸しいただいているStudio Libraさんの大掃除を午前中に行いました。
いつもお世話になっている分、お返しできたでしょうか。

 

 

 
掃除って1人すると煩わしいのですが、仲間たちとするとなんでこんなに楽しいのでしょうか(笑)
終始、笑いの絶えない大掃除でした。

午後は鍼灸治療で体の掃除

12月の回はいつものように座学メインではなく、鍼灸実習です。
とにかく午後の参加者全員の鍼灸治療をしました。


まずは今回の実習の主旨とルールを説明します。
皆は治療を受けるとはいえ、講座ですので勉強にならないと意味がありません。

『普段の臨床で皆はどのような動きをしているのか?』
『治療のどのような点に拘っているのか?』
『それぞれが何タイプの鍼を行うのか?』などが分かる実習の仕組みで行いました。
もちろん診察~診断~治療はワタクシ足立が行います。


とにかく鍼&お灸

 
治療説明を行いつつ、刺鍼時の脈の変化を確かめつつ…

 
とにかく鍼&鍼&灸治療

 
治療家は自分の治療(特に背部の治療)ができないので、お疲れをためていることが多いです。
普段のねぎらいと感謝と、良い新年が迎えられるますよう…などなど思いながら、午後の参加メンバー8名の治療を完了しました。

鍼灸実技の感想

後日、鍼道五経会の鍼灸実習を学んでの感想をいただきましたので、ここに紹介します。

【2021/12/05 鍼道五経会 鍼灸治療実習レポート】

先日はいつもお世話になっている会場の大掃除。それに続いて足立先生による大施術大会となりました。毎日の試験勉強に疲れ果て、ほどよく頭痛があり胃腸の状態も悪く、患者役としてのコンディションは万全です。
◆足立先生の施術を受けての感想(患者目線にて)
私の主訴は「側頭部痛」。問診は藤川先生がしてくださいました。
寒くなってきたせいか、ここ1週間ずっと側頭部痛があり、そろそろ頭痛薬に頼ろうか迷っているような状態でした。
治療配穴はちょっとわからなかったのですが、鍼自体はほとんど無痛で、ホッカイロやアイマスクで気持ちよくウトウトしているうちに施術終了。
施術直後はまだ少し頭痛は残っていたのですが、翌日はすっかりなくなっていました!
翌日の朝は冷え込みが強くいつもなら絶対痛くなっているはずなので鍼の効果があったのだと思います。
それと、施術中に足立先生が「もしかしたらお腹下すかも〜」とおっしゃってたのも、ありました。翌朝。出してしまうとスッキリです。先生の予言どおりになると、「この先生、信頼できる…!」となりますね。

◆足立先生の施術体験、臨床サポートをしての感想
1)脈診がすごい
指先に目があるのか、というくらい、脈を全方位から診ているように感じました。
優しい触れ方なのに、脈を立体的に把握されていることが伝わります。すごすぎる。

2)場を作る力がすごい
鍼を取る所作、患者に触れる指先、穏やかなトーンの口調。その奥から滲む集中力。先生は「場を作る」という表現をされていましたが、まさにそういう感じを受けました。最初はややザワザワしていた場所も、施術が進むにつれ部屋全体がすん…とした空気になっていったのは印象的でした。(先生のお人柄を知ってる方はわかるかと思いますが、「ピン・・!」と張り詰めた感じではなく「スン・・・」という穏やかに静まってる感じです)

3)治療の立体感がすごい
足立先生が講義で何度もおっしゃっている「立体感」が垣間見えました。流れを診た上で、さらにそこに深さを加えて、立体にして捉える、という感じでしょうか。言葉に落とすのが非常に難しい部分なのですが、会話と脈、切診をしながら、患者さんと”チャンネル”を合わせていく、それを捉えたら滞りが見えてくる、それを患者が負担にならないよう加減しながらを動かしていく…。経穴を点ではなく、流れを作るというために使う、ということがどういうことが見えた気がしました。

◆他の先生の問診やサポートの感想
4) 周囲への配慮がすごい
今回、先輩方と自分とで一番落差が激しいと感じたのは、患者や周囲への細やかな配慮です。先輩方はやはり視野が広く、動き方が無駄がない。タオルのかけ方、起き上がるときの手の添え方、声掛け。足立先生の先回りして準備、意図をくんで抜鍼。そんな神業をさらりとされている姿は、眩しいほど輝いておりました。他にもたくさんあったと思いますが、私はそれに気づけ無いほどレベルが低く、自分のことで精一杯でまるで周りが見えていません。もともと細やかな配慮ができない雑な人間であるため、普通の10倍は努力が必要だと痛感しました。

◆講座で学んだことに基づいての振り返り
今回学んだことはいくつもありますが、講座で学んだことを目の当たりにできたと感じたのは「中位の虚」の脉でしょうか。
学校で習う六部定位で常に考えていたので、脉をみると「肝の脉が・・」と口にしたのですが、脉の見方は気口九道脈診, 三部九候診法 など様々。解釈の幅を狭めないためにも「左関上の~」と表現するのが適切。また、中位という概念を加えると、患者の体で起きている陰陽の関係性をより明確に見て取れるようになります。六部定位では浮位で腑を、沈位で臓の状態を診ますが、浮沈それぞれ横の比較はしても、浮と沈の関係性を見ることはありません。この中位によって、脈状から立体的な人体観がイメージできるようになるのだと理解しました。

▶その他気づいた点として:
・かゆみ 血熱ならもっとかきむしっている。今回のかゆみは血熱からではないだろう
・骨折というのは一大事。気も相当傷っている。骨なので特に腎の気が消耗しているのでは。
(骨折=血瘀と安直に決めつけず、骨折により患者に起きたストーリーを想像すべし)
・上記を踏まえ、どのように動かしたいのかを意識して配穴する
→配穴から足立先生の戦術を読み取りたかったのですが、読み取れず・・・くやしい・・
・深部の邪に直接鍼すると、その上にある気を流しすぎて虚させるので、お灸で補する。
などがありました。

◆来年の抱負
まずは国試に受かる、というのが大前提として…。そしてもちろん新米治療家はとにかく研鑽し続ける、というのも当然として…。
最後にお話がでたように、外部へなんらかの情報を発信していく、というのを来年の目標に加えたいと思います。
世間では鍼の認知度はまだまだ低く、その優れた効果もほとんど知られていません。鍼灸や東洋医学的知見を、もっと気楽に、日常会話で「あー今日は虚ってるわー」とか出るくらい身近になるといいなと。
ゆくゆくは日本の医療費削減に…!と壮大なことまで考えてしまいますが、まずはとにかく国試に受からないと、ということで、この辺で締めさせていただきます。
皆様、本年は本当にお世話になりました。また来年からもよろしくおねがいします!

鍼灸学生3年生

学生さんながら、みるべきところをよくみています。志も高く臨床に出るのが楽しみな人材です。
治療内容は会員ページで書いた通りです。
またここ最近、互いに盛り上がっている婦人科・東医的な月経周期そして妊娠についてはまた別の機会にしっかりとレクチャーするとしましょう!

【2021/12/05 鍼道五経会 鍼灸治療実習レポート】

足立先生から施術を初めて受けまして、4日たちました。とても調子良いです!
主訴は朝方の腰痛。動くと軽快している…という症状でした。先ずまさかのホカロンやめぐリズム登場で、正直びっくりしましたが、
あの温かみが程よく気持ちよかったです。コスパが良く無いとおっしゃってはおりましたが、足先、お腹、目を隠して温める事の重要性を改めて感じ、大事だと認識しました。細やかでも副交感神経優位に働かせることと言う意味においても、経絡の始まりや終わりも意識してなのか、相乗効果で身体が整った行く様に感じられました。
鍼の打ち方も先生はきちっと決まって姿勢が良く患者さんとの距離感も程よく、慮る感じが伝わりすごかったです。

意外だったのが、鍼とせんねん灸も併用させる事でした。個人的には補瀉を組み合わせた様な流すイメージが湧いて来ましたが、受けてみるとこれ、気持ち良いなぁと…。
熱くなったら直ぐ取りましたが、それでも余韻はしっかり残りました。所作が大事だと常々言われていたのがとても印象的でした。
留鍼中はウトウトとしておりましたが、前半の治療経穴は陰陵泉、足三里、上巨虚、下巨虚、三陰交、少海?だった気がします。
後半はうつ伏せで膀胱経ラインと魄戸、膏肓、プラスせんねん灸…?だった様な…
右の膏肓辺りでは響きを出してもらい、得気が不思議と後からじわじわと心地よかったです!
もちろん自律神経も整った感じで胃腸もすこぶる元気になった様な…。

腰が寝起き特に痛くなる事しばしばと言いましたが翌日は少し重く感じられ、2日めからは調子良いです…。
たくさん先生がいる中で私までも施術をしていただき大変幸せでした。
私自身の施術にもプラスして活きたいと思いました。本当にありがとうございました。また、来年も足立先生並びに皆さまよろしくお願いします。
少し早いですが、良いお年を!

行天宮鍼灸院・接骨院 院長  遠藤 敬司先生

症状報告ありがとうございます。腰の調子も良いとのことなによりです。
遠藤先生の体質・病因・治療内容は会員ページで書いた通りです。
実技でこのように治療を見学することで、互いの違いを知ることができます。それによって臨床現場でのヒントになれば幸いです。

【2021/12/05 鍼道五経会 鍼灸治療実習レポート】

足立先生先日は貴重なお時間をありがとうございました。
今回は患者側、術者側(サポート)の両面を体験させて頂けるスペシャルな企画でした。(江島先生企画ありがとうございました。)

私が足立先生の治療で凄いと感じた事はテンポの良さです。
ベッド二つで交互に治療していきましたが一定のテンポで進んでいきました。病理と治療方針が最初にきちんと決まると後は確かめながら進むだけという様子。進むだけと言っても一つ一つの動作に意味があるのが分かりました。
更に講義として説明を挟みながら進める。

気づいた事だけでも細かいな〜と思うのにきっと私が気が付かないレベルの要素もあったのだと思うと、これらを淡々と気持ちよく進めるのはかなりハイレベルだと感じました。
またサポートに入る事により外から見るよりリアルな速さを体感できて経験になりました。
もし次回があるのならば今回気がついてない部分に気が付ける様になっていないといけません。

治療内容についてですが、私は江嶋先生の腰痛の局所は気滞瘀血、全体の病理としては食事内容、目の症状や小舌、虚した腹症から、飲食の不足による脾虚と肝血虚、かなと思ったので臓を補い、局所の治療で気滞瘀血を直接動かして、あとは食養生で陽気巡るかな…等と考えていたのですが、
足立先生の見立てとは違ったと思います。
先生の配穴をみると大きくは陽気を巡らせ湿を瀉する感じだったと思うのですが、結果脈は整っていました。私は血だと思い湿を見逃していましたが考えてみればもし臓を補っても伏した湿で陽気が巡らなければ意味が無かったかもと考えています。
また陽気を巡らせ湿が取り除かれれば脾虚も改善するかもなど、色々と考えていてこれが勉強になっています。
レベルやタイプの違う先生の治療を体験させて頂くと自分の治療の幅が広がるのだと感じました。
長くなってしまいましたがとても勉強になりました。
また是非機会を頂ければ嬉しく思います。よろしくお願い致します。

臨床家鍼灸師

テンポ・スピードに関してですが、これは大事ですね。時間を短縮すればその分、できる治療が増えます。
スピードを上げるには脳内作業の効率化、診察→診断のプロセスです。
これは経験ではなく、知識の集積で可能となる部分ですね。当会講座で生理学・病理学を重視するのはこのためでもあります。
また治療方針に関してですが、会員限定ページで書いた内容を参考にまたご質問ください。
来年もよい講義を目指し工夫を重ねていきます!

もし興味がある方は以下の情報を確認の上、メールフォームからお申込みください。

申込みはコチラ

当講座は東京にて第1日曜日に行います。(1月は9日に開催します)
※祝日や学会などで日程を変更する可能性があります。
※コロナ対策による自粛・非常事態宣言によってオンラインに切り替えることがあります。

[時間]は10:30から16:30まで
[参加費用]は6,000円です。初参加の方は4,000円です。
※継続して参加される場合は別途 年会費が必要です。詳しくはコチラでご確認ください

[難易度]初級から参加できます(※途中からの加入も大丈夫です)
[当日スケジュール]午前に実技や課外授業、午後に座学を行います。
※日によって講座内容が変更されることがあります。

[会場]アシル養生堂(Studio Libra)(東京都品川区戸越1-20-11)
会場へのアクセスはコチラ

会場への問合せは鍼道五経会にご連絡ください。
講座に関する質問でアシル養生堂薬店に電話・メールすることの無いよう宜しくお願いいたします。

[お申込み]以下のメールフォームからお願いします。

当日の連絡先・電話番号(必須)

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