鍼道五経会の足立です。
先日の日曜日は東京目黒いつもの会場にて東京講座「臓腑経絡のキホン」を開催しました。
脈状を理解する!からスタート
脈状の種類には多々あります。そのためか脈状を診分けることに苦戦する鍼灸学生さんは多いです。かくいう私もその1人でした。
しかし私思いますに、大事なのは「脈状をいくつ診れるか」というよりも、「なぜこの脈状が現れているのか」が大事だと考えております。
病理を把握するということです。
鍼灸では診断と診察の違いが不明瞭に感じることがあります。
その1つが脈診です。脈診は診察法のひとつに過ぎません。大事なのは病理であり診断です。中医用語でいう弁証ですね。証が分かって初めて治療方針が明確になります。
ということで、今回は脈状の理解することからスタート。
脈に触れて脈状を理解する…のではなく「病邪から脈状をシミュレートする」いわば逆をたどることで脈状を理解し、脈のイメージを構築するプロセスを辿りました。言うなれば脈状学です。
2パターンの脈状イメージをレクチャー
今回の脈状学はかなり早足でいきました。2パターンの脈状の理解法を紹介しました。
ひとつは病邪から、もうひとつは□□の方面から。これは敢えて伏せておきます。
【2パターンの脈状学を抑えておけば、多様な脈をみても迷うことは少ない】
脈状学で脈状イメージを構築
実際の脈診で種々の脈状を触知
脈状から治療に適した治療経穴を選定
経穴への刺激で脈状が変化・改善することを確認
平脈は個々で異なることを理解
うーむ…こうしてみるとかなりの内容ではなかろうか?と自画自賛。
お昼休憩も脈診三昧。
もはや鍼道五経会の伝統?ともいえる「五味による脈状観察」
同じ食材でも人によって脈のリアクションが大いに異なることを確認
当然ながら脈の変化にも個人差があるのです。この差が治療の効果判定にも使えるのですよ。
写真(上)は辣油を飲み込んだときの顔(もとい脈)
写真(下)は酢を飲み込んだときの顔(いえいえ脈)
同席の江島先生には「先生、カラダ張ってますね〜」と褒めていただきました(笑)
そうです、脈診を理解してもらえるならカラダ張りますとも。
膀胱の腑象と浮腫を理解考察
午後の座学では膀胱の腑の生理学を勉強しました。
画像は『臓腑経絡詳解』(京都大学付属図書館所蔵)より引用させていただきました。
膀胱は東洋医学においても泌尿器系の重要な器官です。
ですが中医独特の概念、膀胱の気化作用に抵抗を感じる人も何人かいましたね。
ですが五行的な理解、譬話、漢方薬の五苓散の方意…などを通じて、なんとかクリアできた?かな…と思います。
他にも浮腫の治法について学びました。
『針道秘訣集』の引用から、浮腫のグレードにも軽重あり、治療方針は大きく異なることを学びました。同病異治ですね。
番外編、お昼休みは寄生虫館へ
目黒の寄生虫館はこのクオリティでなんと無料。
医心方の寄生虫に関する情報も少しだけ紹介展示されています。
東京講座では新メンバーを募集しています
【日時】定例通り第1日曜日に開催。
7月は1日(日)10:30〜16:30の時間帯で行います。
【会場】アシル治療室(東京都目黒区)です。
会場へのアクセスはコチラ。
会場への問合せは鍼道五経会にご連絡ください。
※講座に関する質問でアシル治療室に電話・メールすることの無いよう宜しくお願いいたします。
【持ち物】筆記道具・スリッパをご持参ください
【内容】脈状診の練習と膀胱の腑、膀胱経の座学をします。
【参加費】初参加の方は4,000円です。
継続される方は2回目以降6,000円(/月)および年会費が必要となります。
【定員】残りあと3名です。
新規加入を希望される方はお早めにお申込みください。
【申込み】参加希望をされる方はコチラのメールフォームからご連絡ください。