レポート Japanese Acupuncture Study abroad-tour 2025秋

日本鍼灸を学ぶ旅 2025秋

9月某日に京都で開催された【Japanese Acupuncture study-abroad tour 2025(略してJAT 2025)】のレポート記事です。
JATとは、カリフォルニア州在住の前田篤希先生・Mahtab先生が毎年主催する「海外鍼灸師に対する日本鍼灸を学ぶ企画」です。

毎年、アメリカだけでなくヨーロッパやオーストラリア(もちろん他の諸国)からも参加され、約一週間かけて日本鍼灸を学ぶ人気セミナーのひとつです。その人気のため、2025年は春・秋の二回にわたっての開催となりました。

今秋のJAT参加者は18名。
JATセミナー開始から、皆さんが学んだのは「経絡治療」「打鍼」「美容鍼灸」そして「座禅体験」…と、なかなか盛りだくさんな内容です。

そして私が担当したのは最終講義の前日、言ってみればセミナファイナル講座。気合いが入りますね。講座内容は「脈診と腹診の二診合参」です。

座学と実技を交えての一日講座です。


写真:腹診のデモンストレーション


写真:腹診デモンストレーション、別角度から

今季のコンディションに苦しめられた…

今回のJAT2025秋はいつもの春季開催と異なり、9月中旬開催。
日本在住の私にとっては、暑さのピークも過ぎ、『少し過ごしやすくなったかな~』と、思えるコンディションでした。しかし、参加者の皆さんにとってはそうではなかったようです。湿気と暑さにかなりのダメージを受けているとのこと。

このコンディションが脈診実技にも少なからず影響を与えました。

湿熱の影響といえば、軟脈・滑脈・数脈をイメージする人も多いかもしれませんが、慣れない気候・環境・食生活…などなど、一週間近くの疲労がたたったのでしょう。そのような実脈を示す人は非常に少なく、ほとんどの人が沈・細・弱…といった虚脈を呈していたのが印象的でした。

このような虚脈となると、脈の内外をみる気口九道脈診を行うには難しいコンディションとなります。そのため、いつもとは違う形で脈診実技を行いました。

講義概要

講義の概要は以下のとおりです

➣ 午前の部 脈診講義

・診法の陰陽
・脈診の種類
・氣口九道脈診について
・脈を診る際の姿勢と指使い
・氣口九道脈診をもとにした治療法
・脈の変化を触知する(実技)
……などなど

➣ 午後の部 腹診講義

・腹部という部位について
・腹診の特性
・お腹の触れ方
・腹診の反応
・脈診と腹診を組合わせた治法の一例(実技)
・secret

こうして振り返るとなかなかの濃厚な内容だと思います。
しかし、講座終了後も熱心に質問を受けたことも嬉しい思い出のひとつです。


写真:講義後も熱心に質問される参加者の人たち

写真;再会を約束しての記念写真!

写真:講義が終わり記念撮影。皆さん、よくがんばりましたね!

日本鍼灸を学ぶための…秘訣

毎回、JAT講義の終わりに紹介するのが「secret」。
“日本鍼灸を学び深める秘訣”について私なりに皆さんに紹介しています。

冒頭でも「基本の中にsecretがある」「姿勢を大事にすること」…などを話しましたが、、講義の最後に選んだsecretはコレ「ひとはりを大切にする」ということ。

日本人の感覚の根底にあるものの一つに「アニミズム」があると、松田博公先生は言います。この「アニミズム」は思想的なものにみえて、実は感覚的なものでもあります。
そして鍼治療の中にもそれは活きていると私は考えます。それに近しい話を参加者の皆さんに伝えて本講座の締めくくりとしました。

「知識と技術」を吸収し向上させるだけでなく、さらに「深める」ことが大事です。そのためには伝統技術の背景にあるもの、例えば歴史や文化・思想・感性などが鍵となるのでしょう。このことは私たち日本人鍼灸師にも通ずる話であり、私自身の鍼灸をその都度見直す機会となってくれています。

来春、2026年にはどんな鍼灸師が日本鍼灸を学びに海を越えてくるのか、楽しみにしています。

鍼道五経会 足立繁久

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