レポート Japanese Acupuncture Study abroad-tour 2026春

春の京都にて開催される【Japanese Acupuncture study-abroad tour 2026(略してJAT 2026)】のレポート記事です。

JATとは

JAT(私が勝手に呼んでいる略称かもしれませんが)とは、カリフォルニア州在住の前田篤希先生・Mahtab先生が毎年主催する「海外鍼灸師に対する日本鍼灸を学ぶ企画」です。

その日本鍼灸を学ぶ期間は約一週間。日本鍼灸を指導する先生(中根一先生・尾河由清先生・大麻陽子先生そして足立繁久)たちが、日替わりで彼らにレクチャーします。

今年も22名の海外鍼灸師さんが集まり、日本鍼灸を学びにきました。私が覚えている中でも、アメリカ・オーストラリア・フィリピン・スイス・ポーランド…などなど。世界各地から京都に集まり、日本鍼灸を学びにきた人たちを相手にしての一日です。

私は最終日の一日前・セミファイナルの日に登壇。脈診と腹診(pulse diagnosis & abdominal examination)についてレクチャーしました。

そして今回は、2回目・3回目の受講生が数名いるとの情報。これは嬉しくも気合いが入ります。
『2回目・3回目にも新鮮な学びの感動を…!!』を個人的なテーマとして、今回のJATに臨みました。

 写真:腹診実技の一コマ JAT2026にて

今年のメンバーは今まで以上に熱心だ!

私自身は今回で6回目の登壇でしたが、今まで以上に熱がこもった回となった実感を受けています。(同様の手応えは中根先生も仰っていましたね。)

毎年質問を受けるのが「なぜそのような脈診配当なのか?」というもの。

この質疑応答に関して、今まで以上に多くの時間を要しました。というのも、ひとつ答えると、その回答にさらに質問が重なる…いわゆる「問答」形式の講義となったからです。

これも2回目・3回目の受講生が増えたからだと思います。日本鍼灸について、その技法について深く知りたい!理解したい!という熱意をもつ人が増えたことを感じさせられる講義でした。

その証拠に、去年の講座時に私が何気なく投げかけた問題に対して、丁寧にレポートを仕上げて提出してくれた人が2名。
『Yuan Qi, Ying Qi, Wei Qi』と『The Difference Between Wei Qi, Ying Qi and Yuan Qi』(それぞれレポート名だけ紹介)と題してレポート提出してくれたのには感動しましたね。(ちなみに、講義開始前に、そのレポートに関する回答・指摘もちゃんと応えております。)

そりゃ、講義するコチラも熱が入るってもんです。

今回は、座学では質疑応答の時間が増えた分、実技ではいつもと違った方法でペース・アップを図り、治療デモンストレーションなども盛り込みました。
なんとか、充実した一日講座には仕上がった、と手応えを得ています。

写真:実技風景、実際に脈をとり指導 JAT2026にて

海外の鍼灸師と交流することで感じること

JATの講師を経て、いつも感じることは「教えるコチラ側も学びになる」ということ。

いつも講座の終了時に「日本鍼灸を学ぶための秘訣 ~ The secret ~」で締めるのですが、今回はその時間も無し。(その分、脈診を通じてかなり秘密の内容を伝えましたけども。)

さて、その脈診を通じた問答で、私自身が考え直された点が以下の通り。

受講者の皆さん、いわゆる海外の人たちは、“疑問に対して素直”であることが特徴と言えるかもしれません。この点は日本人とはまた異なる感覚かと思います。

“先生に教わったことをまずは素直に受け取る”という学習スタイルをもつのが日本人(良く言えば…ですが)。しかし多くの場合、素直に覚えるという作業を続けることで、素朴な疑問はそのまま埋もれていきます。

しかし“教え”に対して必要以上に疑いを持て、とはいいません。懐疑的・否定的な姿勢では吸収できるものもできないですから。

しかし、当初に感じた素朴な疑問というのは、感動とともに忘れてはならないものです。「初心忘れるべからず」という言葉にも通ずるのかもしれません。

徒弟制がほぼ無くなってしまった現代、これまであった師弟間の伝授について、従来の方法に対する否定的な意見が多くなってきています。しかし、一概に伝授の方法(いわゆる「見て覚えろ」「下積み大事」「技は盗むもの」…などなど)が悪いのではなく、教わる側の姿勢も大いに反省すべき点があることも忘れてはいけないと思うのです。

…などなど、色々と振り返ることが多く、収穫の多い一日でありました。


写真:講座終了後の集合写真 JAT2026にて

鍼道五経会 足立繁久

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