『小児薬証直訣』について
本記事では『診病奇侅』の小児腹診について紹介しています。小児はりを実践する鍼灸師にとって、この小児腹診というのも知っておくべき情報でしょう。それでは『診病奇侅』の本文を読んでいきましょう。

※画像は『類証注釈銭氏小児方訣』京都大学付属図書館より引用させていただきました。
※以下に書き下し文、次いで足立のコメントと原文を紹介。
※現代文に訳さないのは経文の本意を損なう可能性があるためです。口語訳は各自の世界観でお願いします。
『類証注釈銭氏小児方訣』 五臓病証
書き下し文・『類証注釈銭氏小児方訣』 五臓病証 第三
肝の病、哭呌、目直、呵欠、頓悶、項急す。(肝は木に属し、風を主る)
心の病、多くは呌哭、驚悸す、手足は動揺し、発熱飲水する。(心は火に属し、驚を主る)
脾の病、困睡、泄瀉し、飲食を思わず。(脾は土に属し、困を主る)
肺の病、悶乱、哽氣、氣を長出し、氣短、喘急する。(肺は金に属し、氣を主る)
腎の病、精光無く、明を畏れ、体骨重し。(腎は水に属し、虚を主る)
小児の病態について
「肝病哭呌目直、呵欠頓悶項急。」
「心病多呌哭驚悸、手足動揺、發熱飲水。」
「脾病困睡泄瀉、不思飲食。」
「肺病悶亂哽氣長出氣、氣短、喘急。」
「腎病無精光畏明、體骨重。」
以上のように各臓に関わる小児病症が整理されています。
前章の『五臓所主』に記される虚実病症と比較してみましょう。
「心……實則呌哭發熱、飲水而搐。虚則困臥、悸動不安。」
「肝……實則目直大呌呵欠、項急頓悶。虚則咬牙多欠、氣熱則外生氣温則内生。」
「脾……實則困睡、身熱飲水。虚則吐瀉生風。」
「肺……實則悶亂喘促有飲水者、有不飲水者。虚則哽氣長出氣」
「腎……無實也。」
一見すると、「五臓所主第二」と「五臓病証第三」では、第三の内容を第二で虚実に整理展開したようにもみえます。
いずれにせよ、「肝病哭呌目直、呵欠頓悶項急。」「心病多呌哭驚悸、手足動揺、發熱飲水。」とあるように、肝木・心火の病症は実証が多く、基本的な小児体質を反映しているといえるでしょう。これは腎の病症もまた同様であるといえます。
序 ≪ 小児脈法 ≪ 五臓所主 ≪ 五臓病証 ≫ 面上証・目内証 ≫ 五臓虚実冷熱 ≫
鍼道五経会 足立繁久
原文 『類證注釋錢氏小兒方訣』五臓病證
■原文 『類證注釋錢氏小兒方訣』五臓病證 第三
肝病哭呌目直、呵欠頓悶項急。(肝属木、主風)
心病多呌哭驚悸、手足動揺、發熱飲水。(心属火、主驚)
脾病困睡泄瀉、不思飲食。(脾属土、主困)
肺病悶亂哽氣長出氣、氣短、喘急。(肺属金、主氣)
腎病無精光畏明、體骨重。(腎属水、主虚)
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