講座「医書五経を読む」

鍼道五経会の足立です。

中国の儒教では“四書五経(※1)”を学ぶべき書・経として挙げています。
東洋医学においても学ぶべき医経・医書は膨大にありますが、筆頭に挙げられるのは『黄帝内経』の『素問』『霊枢』の二書です。

『内経』には東洋医学の思想、生理、病理、診察、治術が記されています。
また『霊枢』には鍼術に関する記述が多く、霊枢の別名を『針経』と称されるほどです。
そして『難経』には一難~二十一難の脈診章から始まり、生理、病理、思想、鍼治術…と、陰陽五行に応じてまとめられています。

鍼灸師が学ぶべき経書として、以上の『素問』『霊枢』『難経』を挙げることに異論はないかと思います。しかし、それだけでは万全とは言えません。当会では『傷寒雑病論』(『傷寒論』および『金匱要略』)を学ぶことも重要であると考えています。
この書は漢方医学の書として知られていますが、鍼灸師にとっても必読の書であると考えます。

漢方薬の知識を得ることが目的ではありません。病の治し方を学ぶことが本当の目的です(もちろん、漢方湯液の知識を得ることも大事ですが)。この“病の治し方”を学べぶことができるのが『傷寒雑病論』なのです。
[『金匱玉函経』の条文](※2)

『なぜ傷寒雑病論なのか?』

それは他の書にはない病理観・治法が詳しく記載されているからです。

「陰陽五行や補瀉を習ったけど、どう鍼・灸して良いのか分からない…」
「東洋医学ってやっぱり使えないのでは…?」

このように感じる鍼灸初学者は多いと思われますが、一度『傷寒雑病論』を併せて読むといいでしょう。
陰陽・五行・補瀉だけではない治療法、病の理解が得られるかと思います。

とはいえ、独りでイチから『傷寒雑病論』を読むのは、なかなか困難で『どこから手を付けていいのか…』と、途方にくれることかと思います。

そのために『医書五経を学ぶ』講座を始めるのです。

『黄帝内経』『難経』に湯液学、生薬学、鍼灸学を合わせて、江戸期の内藤希哲(1701年-1735年)は、五経と称しました。
このように鍼灸師も重厚に各々鍼灸治療を構築していくことが大事だと考えます。
また違った視点でみると、生理学、病理学、診察診断、治療、そして思想。と、5つの経(縦糸)を軸に学ぶことも東洋医学・伝統医学を理解するために必要です。

しかし、先ほども書きましたように医書医経を読むのは大変な作業です。
ですから『はじめから東洋医学・伝統鍼灸を学びたい』という初級者向けに「医書五経を学ぶ」講座を開催し、基本から勉強していきます。

伝統医学をいろは・基礎から勉強してみようと思う方は一緒に勉強していきませんか?

当講座は大阪にて第2日曜日に行います。

第1回は2017年6月11日に開講します。

[時間]は10:30から17:00まで
[参加費用]は6,000円です。
[定員]10名です
[持ち物]は勉強道具、白衣、スリッパ
実技に使用する治療道具は基本的に当方で用意します。
使い慣れた道具があればご持参ください。時間は10:30から17:00まで

[会場]は足立鍼灸治療院で行います。会場へのアクセスはコチラ

午前にガイダンスおよび実技を行い
午後に座学を行う予定です。

お申込みはコチラです。

※1…四書に『論語』『大学』『中庸』『孟子』、五経に『易経』『書経』『詩経』『礼記』『春秋』がある。
※2…『意釈 医経解惑論』築地書館 から引用させていただきました。

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