伝統医学の一貫性と多様性を学ぶことで道理に至る
2023/12/28 | category:博愛心鑑
「魏直先生の痘毒新説編」もこの記事でフィナーレです! 本章では魏直先生は、従来の胎毒説および痘瘡病理の不備を指摘しています。とくに李東垣が提唱したであろう胎毒が「命門伏蔵説」を完全否定しています。その否定ぶりは実にクールです。小児体質の変蒸を根拠としつつ...
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『博愛心鑑』では痘毒の原因である火毒が男女交媾によって生じると唱えています。しかし男女交媾とは即ち生殖活動であり、生命にとって必要不可欠であるものです。この生殖行為が毒の原因となるという一見矛盾を感じる説でもあります。さてさてこれをどのように解釈しましょうか。...
「魏直先生の痘毒新説編」もいよいよ佳境です。前回記事では「男女交媾」「火」「精血」が鍵となることを紹介しました。本記事では天地の理と人の理や節度の観点から火毒・痘毒について説かれているように思えます。ということで「精血」の章を読み進めていきましょう。 ...
魏直が記した痘疹医学書『博愛心鑑』では、痘疹の病因について当時としては画期的な新説を展開しています。そもそもこの話を記事にしたくて『博愛心鑑』シリーズを始めたのです。それでは『博愛心鑑』の下巻を読み進めていくとしましょう。 ※『痘疹博愛心鑑』京都大学...
本章もまた栄衛と痘疹・痘毒の話です。本記事では蓍亀(しき)についても紹介しています。 ※『痘疹博愛心鑑』京都大学付属図書館より引用させていただきました。 ※以下に書き下し文、次いで足立のコメントと原文を紹介。 ※現代文に訳さないのは経文の本意を損...
痘疹医学において栄衛は人体の発生の造化に関わるものであり、また氣は痘毒を制する存在であります。それ故に繰り返し栄衛の関係を説いているのでしょう。前回の章で詳解された保元湯はこの栄衛を補するものです。それを踏まえて本章を読み進めていきましょう。 ※『痘...
本章「保元済会図説」では保元湯の構成生薬の紹介、および「外剝」「内攻」病理のおさらいになります。ここも必見の章といえるでしょう。 ※『痘疹博愛心鑑』京都大学付属図書館より引用させていただきました。 ※以下に書き下し文、次いで足立のコメントと原文を紹...
本章「保元済会図」からはいよいよ治法の話に入ります。あの天然痘に対抗する秘策、保元湯とはどんな方剤なのか!?これは目が離せませんね。 ※『痘疹博愛心鑑』京都大学付属図書館より引用させていただきました。 ※以下に書き下し文、次いで足立のコメントと原文...
本章「氣血交会不足図説」もまた前章と同じくシンプルな内容です。これまでの章の難解さはなんだったのか…?と思うくらいです。とはいえ気を抜かずに読んでいきましょう。 ※『痘疹博愛心鑑』京都大学付属図書館より引用させていただきました。 ※以下に書き下し文...
『博愛心鑑』シリーズ第5回です。個人的には前回前々回がなかなか難解できたが、本章になると、氣血や病症など具体的な表現が増えて読みやすい印象を受けますね。 ということで「氣血交会不足の図」を読み進めてみましょう。 ※『痘疹博愛心鑑』京都大学付属図書館...
黄帝・岐伯・扁鵲・張仲景が経験したことのない病? これまで苦戦しながらも痘疹医学の専門書『博愛心鑑』を紹介してきました。鍼灸業界では古典医学・伝統医学がマイナーな分野となりつつある今、天然痘(痘疹)医学ともなれば、なおさら見向きもされない領域といえるでしょう...
『博愛心鑑』シリーズ第3回です。 しかし天然痘の知識がそもそも無いに等しく、東医的な痘疹・痘瘡の病理にも疎いため苦戦しております。しかし、もう少し根気強く読み進めていきましょう。 今回の「氣血虧盈図」の章では、痘疹における症状の軽重が氣血の虧盈、すなわ...
痘疹・痘瘡の医学は発生学から始まる 魏直が記した痘疹医学書『博愛心鑑』シリーズの第二回です。前回は序章ともいうべき「氣血交会図」および「始形図」「交会図」「成功図」でした。陰陽学を基にして発生学ともとれる内容で、理解するのがやや困難な印象を受けます。 それ...
天然痘(痘疹・痘瘡)を学ぶ 『博愛心鑑』(1525年 魏直)という書に関する紹介します。この書は『痘疹博愛心鑑』とも題しています。痘疹の名を冠している通り痘疹・痘瘡に関する専門医書です。痘疹・痘瘡とは現代でいう天然痘です。 天然痘といえば、1980年に...
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