伝統医学の一貫性と多様性を学ぶことで道理に至る
2021/02/06 | category:診家枢要
『診家枢要』シリーズも最後 早稲田大学の古典籍データベースや他の資料では『診家枢要』の診家宗法の続きがあるようですが、まずは一旦ここまでとさせていただきます。 診家宗法 按ずるに、この篇、六条を列する所、即ち予、位、数、形、勢の義也。 浮沈 挙按...
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小児の脈の時間です 小児の脈法 小児三歳以下は、虎口三関の紋色を看よ。 紫は熱、紅は傷寒、青は驚風、白は疳病。 惟だ黄色の隠隠として、或いは淡紅の隠隠とするは、常候と為す也。 黒色を見(あらわ)すときは則ち危に至る。 その他の紋色、風関に在ると...
婦人脈法の前に「兼見脉類」「諸脉宜忌類」「験諸死證類」「死絶脉類」「五藏動止脉」が収録されている版がありますが、本記事『診家枢要』シリーズでは一旦おいておきます。 婦人の脈の時間です 婦人の脈法 婦人女子は、尺脈が常に盛にして右手大なるが皆そ...
散脈は集まらない脈 脈の陰陽類成 散 散、聚らず也。 陽有りて陰無し。これを按じて指に満ち、散じて聚らず。来去不明、漫にして根柢無し。 気血耗散、府藏氣絶と為す。 病脈に在りて、陰陽(※)斂せざるを主る。(※虚陽の説あり) 又、心気...
脈数の意味を考える 「脈がとぶ」という脈象は、促脈・結脈にて学びました。本項の代脈も同じく「脈がとぶ」がテーマとなります。 促脈をはじめ、脈を深く学んでいくと脈数は非常に重要な要素であることが分かってきます。 そして“脈がとぶ”ことに実は深い意味があるの...
2021/02/05 | category:診家枢要
細脈はきわめて細い脈 脈の陰陽類成 細 細脈は、微眇(びびょう)也。 指下にこれを尋ねれば、その往来は綫の如し。 蓋し血冷氣虚して、以って充つるに足らざる故也。 元氣不足、乏力無精、内外倶冷、痿弱洞泄を為し、 憂労過度を無し、傷寒を為し...
疾駆する脈、疾脈です 脈の陰陽類成 疾 疾脈とは、盛ん也。 数より快きを疾と為す(「快於数為疾」を採用した)。 呼吸の間、脈七至、熱極の脈也。 陽に在れば猶(なお)可なり、陰に在れば逆と為す。 (按ずるに、疾はその至止の躁を言う也、必ず...
2021/02/04 | category:診家枢要
牢脈の時間です。 革脈の項で牢脈に少し触れましたが、牢脈と革脈と芤脈は似ている説がある、と。 この説にはいささか疑問を感じるのですが、なぜ牢・芤・革が似ることに疑問を感じるのか?という点に留意して読んでもらうのも面白いかと思います。 脈の陰陽...
濡脈とハンカチーフ 濡脈をみると太田裕美さんの『木綿のハンカチーフ』が脳内再生される足立です。 なぜ「木綿のハンカチーフ」なのか?って、それは『診家枢要』の本文をご覧ください。 ということで濡脈の書き下し文です。 脈の陰陽類成 濡 濡...
革脈の時間です。革脈という脈象・脈状は見慣れないな…という人は多いかもしれません。 脈の陰陽類成 革 革脈は、沈伏実大、(これを按じて)鼓皮の如くなるを革と曰う。 氣血の虚寒、常の度に革易す也。 婦人なるときは則ち半産漏下し、男子なると...
2021/02/03 | category:診家枢要
血虚とネギで有名な脈 芤脈は血虚の脈として習うことが多いです。この「芤脈=血虚」という固定的な覚え方も考え直すべきだと思いますが、この点については、いつものように〆のクイズで思案してもらえると嬉しい限りです。 そして芤脈の譬え。 葱の孔のような脈と、...
2021/02/02 | category:診家枢要
対となるこれまでの脈状 22種 “脈がとぶ”シリーズ、促脈に続いて結脈の項です。結脈は促脈と対になる脈です。 長脈と短脈の項で書きましたが、脈の陰陽類成を振り返るとここまでの全ての脈状がそれぞれ対となる流れです。脈の陰陽類成と題しているので当然の流れなので...
脈がとぶ脉 促脈は“時に一止する脈”と言われています。一般的には「脈がとぶ」といわれる現象ですね。このように「脈がとぶ」脈には結脈や代脈があります。 “脈がとぶ”となると「不整脈かっ!?」「期外収縮というヤツか!」と思いますが、脈がとぶことは東洋医学で...
2021/02/01 | category:診家枢要
脈診の目的は「脈をみれるようになる」ではない! 名前の通り、潜伏潜行する脈状です。 『なぜ脈が潜行することになるのでしょうか?』 このような思考は脈診を理解する上で重要な問いとなります。 通常の脈診習得の思考の流れだと… 「どんな脈をうっているの...
2021/01/30 | category:診家枢要
豆のような脈状、動脈です 動脈の形状(脈状)を説明するのに「“豆”の如し」とあります。豆という言葉を譬えに用いる脈法は菽法脈診がよく知られています。 菽法診は豆の重さを譬えて、動脈は豆の形を譬えに使っています。 豆のような脈というと、一見したところ実系の...
虚をあらわす弱脈 これまでも虚証に属する脈状はいくつか紹介されました。 虚脈・微脈・緩脈・濇脈、さらには短脈・小脈と、この後にも芤脈や濡脈といった虚証系の脈状が登場します。 それぞれの脈状の感触とそれが示す氣血の状態やベクトルを整理しておくことが重要...
2021/01/28 | category:診家枢要
緊張性の強い脈・緊脈 緊脈の回です。緊脈は太陽病傷寒の脈状としてもよく知られています。 本書『診家枢要』では緊脈の形状について詳しく記されています。 「有力にして緩みのない脈」 「脈の来は勁急にして、按じて長」 「これを挙げて牽縄転索の状」というフレ...
2021/01/27 | category:診家枢要
大脈はどのような実脈なのか? さて大脈と小脈の回です。今回も大・小セットで紹介します。 脈大というと純粋に100%実証のイメージを持ちやすいですが、どうでしょう? まずは滑伯仁先生の大脈論をしっかり読んでみることにしましょう。 大脈とは、小ならざる也。...
2021/01/26 | category:診家枢要
これまでの脈状を振り返ると… 「明確な形のない脈状を理解するには比較対照するとよい」とはよく脈診講義で話すことですが、本項の長脈・短脈、そして次項の大脈・小脈も、分かりやすい対照です。 ここまでの脈状はすべて対照的なラインナップであることも忘れてはいけませ...
2021/01/23 | category:診家枢要
脈診初心者を悩ませる濇脈 血虚の脈状としても習うことの多い濇脈(渋脈)。滑脈に負けず劣らずソムリエ的な表現でよく知られています。 「刀で竹を削るが如し」「雨が沙(砂)を沾す如し」この両表現は『診家枢要』本文にもありますが、他にもこんな表現もあります。 ...
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