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なぜ人の生老病死を学ぶのか?
「鍼灸治療は全科治療できる」という言葉を聞いたことがあります。
整形外科的疾患・内科疾患はおろか婦人科、小児科…などなど全ての科に対して対応できる医術であるという意味ですね。
鍼灸師や鍼灸学生さんの中にも「鍼とお灸でどんな病気も治したい、多くの症状を癒したい。」と、このような希望に燃える方は多いと思います。私自身も同じ思いを持っていました。
しかし、現代の鍼灸教育システムには全ての科の病理や治療法(もちろん東洋医学で)を学ぶ機会はあるのでしょうか?この東洋医学の教育問題を鍼灸学校だけに押し付けるのは、現在の資格制度からみても無責任なことでしょう。
学校で教えるのは難しい「東洋医学で多くの症状を治療する鍼灸師を育てる」こと…それが講座「生老病死を学ぶ」です。
小児科から全て学ぶ必要はあるのか?
しかし現実には、小児科の知識を必要としない鍼灸師もいるでしょう。反対に老年科の知識を必要としない鍼灸師もいるかもしれません。
近年は婦人科だけを専門とする鍼灸院も増えています。婦人科以外にも〇〇専門鍼灸院といった看板も増えてきまいた。
だからこそ、敢えて言います。専門外の医学知識を学ぶことは重要です。
小児はりを専門にしていた時期もあった
私自身の話で恐縮ですが、一時期は小児はりを専門として治療活動を行っていました。
今は小児はりだけでなく、産前産後の妊産婦科にも専門を広げています。しかし、いわゆる“町の小さな鍼灸院”なので、お子さんのおじいちゃん・おばあちゃんも口コミで来院されます。
当初は『老年科は専門外なので、お年寄りの治療は勝手が違うだろう…』なんて思ったりもしたのですが、いざ実際にお年寄りの治療をすると、よく分かるのですね、お年寄りの症状や体質が。もちろん治療効果も以前に比べて上がっています。
ただ鍼の腕が上がったのか…というとそうではありません。
小児科をしっかりと学ぶことで、その正反対のお年寄りの体質や病の特徴がよく分かるのです。その特徴が分かれば、治療も強調すべきポイントが見えてきます。その結果、治療効果も上がるのです。
ひとつの専門を勉強するだけでは限界がある
これは小児科を知らずに老年科の治療だけを漫然と続けていても理解できなかったことでしょう。同じように婦人科を理解することで男性との生理・病理と比較し治療に役立てることもできます。
つまり対極を知ることで、自分の専門を深く掘り下げることができるということです。なにより「一方向からの狭い視点を持たない」というのが東洋医学の長所でもあります。
このような考えから「生老病死を学ぶ」をテーマに講座を始めることにしました。
人の誕生から始め、乳児期・幼児期・青年期と続き、人が老いて死ぬまでを東洋医学の観点から学びます。
そして、婦人科・妊産婦の生理・病理・治病も必須で学んでいくことも必要です。その対極として男性特有の生理・病理も学びます。
[医心方 月齢と胎児の発育および経脈の関係を示す図](※1)
不妊鍼灸にも同じことが言える
今は不妊鍼灸に力を入れる鍼灸院も増えていますが、不妊治療だけを専門に勉強しても見えてこないことも多いのでは?と思います。
これも私自身の話ですが、不妊鍼灸を専門とする鍼灸院に勤務していたこともありました。私の経験では不妊鍼灸だけを勉強するよりも「妊娠した後の状態=妊婦さんの生理・病理」「閉経後の女性の生理・病理」「月経が起こる(初潮)前の女性の生理」「男性の生理・病理」を理解する方が総合的・多角的な不妊鍼灸を考えることができます。
結局のところ、すべてを勉強してから専門化する必要があるのです。
女性と男性の身体は違うものです。当然、体質も症状も違ってきますし、その心理も変わります。同じくお子さんとお年寄りの体は違いますし、体質も病理も違います。それらを学ぶことで、いろいろな症状に対応できる鍼灸師になるのです。
とはいえ、勉強する内容は広く、テーマは深いものですから、少しずつコツコツとやさしく丁寧に勉強していきます。興味のある方、伝統鍼灸でどの疾患にも対応できるようになりたいという方は一緒に勉強していきませんか?
当講座は大阪にて毎月・第4日曜日に行います。現在は「小児はりのキホン」から学ぶということで小児科を勉強中です。
[時間]は10:30から17:00まで
[参加費用]は6,000円です。初めての方は4,000円です。
※継続して参加される場合は別途 年会費が必要です。詳しくはコチラでご確認ください
[定員]10名です
[難易度]初級から参加できます
[持ち物]は勉強道具、白衣、スリッパ
※実技に使用する治療道具は基本的に当方で用意します。使い慣れた道具があればご持参ください。
[会場]は足立鍼灸治療院で行います。会場へのアクセスはコチラ
[当日カリキュラム]午前に実技やガイダンス(時事ネタ・症例など)、午後に座学を行います。
[お申込み]以下のメールフォームからお願いします。
※1…写真は『日本古典全集 医心方 五』現代思潮社発行 から引用させていただきました。
コメント
7/22の講義のメールを送信しました。結果を頂きたくコメントに書きこみしました。よろしくお願いいたします。
by 高橋 尚子 2018年7月21日 7:17 PM
高橋先生へ
コメントいただき助かりました。メールにてお返事を二度ほど送りましたが、返信が返ってこず困っていたところです。
ぜひ参加してください。
ただ…今回の講座は時間に変更がありまして…
9:00-15:00の時間帯となっております。
もし参加のご意思がありましたら、少々遅れても構いませんのでぜひご参加ください。
待っています。
by harinomichi 2018年7月22日 5:43 AM
お返事ありがとうございます。今、コメントに気がつきました。今日は間に合わないので、また参加できる日に今度は早めに申し込みをします。もしかしたら、メールはセキュリティの関係で入ってこなかったみたいです。。ドメイン名が分かれば登録してメールが受け取れるようにしています。2回もメールを下さったのに、すみませんでした。また、よろしくお願いいたします。
by 高橋 尚子 2018年7月22日 12:42 PM
高橋先生へ
今回はお会いできずに残念です。
メールフォームの申込みに電話番号など複数連絡先を教えていただけますと助かります。
講座【生老病死を学ぶ】は、私の都合で8月は休講。
9月は特別講義ということで高野山に行くんです。
高野山では瞑想体験、和尚さんのご講話、当会の特別講義を行う予定です。
もし9月23日ご都合がつくようでしたら、ご一緒しませんか?
by harinomichi 2018年7月22日 12:55 PM