伝統医学の一貫性と多様性を学ぶことで道理に至る
2020/05/30 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ いよいよ本章で上巻の最終章です。 冒頭文、補瀉を用いるも、先後、多少、緩急をいかに使い分けるべきか? これは鍼灸治療であっても、急性病であっても、慢性病であっても同様に大事なことです。 本章のテーマは「乗除」。瘟疫の診断と治療に...
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これまでのあらすじ 前回は「脈証不応」、脈と証(症状)の情報が合わないという非常に臨床的な内容でした。 脈と証が合わない…これは一見したところ、逆証(難治・不治)なのですが、そうではない可治のケースもあります。 そして脈と証の不一致は、瘟疫でなくても...
これまでのあらすじ 前章「脈厥」から「脈証不応」をテーマとした内容が始まっています。 脈診を重視する治療家にとっては必見の内容です。 脈と証の不一致は、前回記事でも書いたように疫病でなくても意外と臨床でよくみられる現象でもあります。 個人的には、瘟...
2020/05/29 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回は虚実の先後、治法の先補後瀉、先瀉後補がテーマでした。 急性熱病の治療でなくとも意識しておきたい内容でしたね。 六分の補法、七分の泻法といった言葉が使われていましたが、これは普段の鍼灸治療でも補瀉を始めとする各種の診法を組み合...
これまでのあらすじ 前回と前々回は二便がテーマでした。病位が太陽腑・陽明腑に移ることでどのような症状が現われ、どのような治療法を選択すべきか?が勉強になったと思います。 今回は虚実の先後がテーマです。 先補後瀉という言葉は、鍼灸師にとっては見慣れたも...
これまでのあらすじ 前章は大便がテーマでした。腸胃に実熱の邪が蓄積することで、前章記載の諸症状が見られます。注意を要するのは、下痢とみて安易に補法を選択しないことです。 特に陽明腑に本位を置く急性熱病にはこの選択は致命的といっても過言ではないでしょう。...
これまでのあらすじ 前回までは薬理論がテーマでした。 本章は大便が主役です。 二便のうち大便の情報は、陽明腑の状態を知るためにも必須のテーマです。 熱結傍流、協熱下利、大便秘結、大腸膠閉といった症状・症候について詳しく学びます。 (写真・文章...
2020/05/28 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回は、外邪性の熱病に対し、補剤を盲目的に使ってはならない!という非常に重要な内容でした。 今回は寒涼薬の使用に関する注意事項です。 冒頭は瘧病と瘟疫の病型の違いに関する説明から始まります。 (写真・文章ともに四庫醫學叢...
これまでのあらすじ 前回から薬理論シリーズがスタートしました。破気薬を用いる際の診断と治療の注意点について書かれていました。 主客を弁えて診断することの重要さが伝わる内容でしたね。 今回も補剤の使用における薬論論です。 (写真・文章ともに四庫醫...
これまでのあらすじ 前回は老人と若者の治療は違う。なぜならそもそもの根本体質が違うのだから…という概論的な内容でした。 老人と若者の体質的な違いは、東洋医学を嗜む者なら誰でも知っています。しかし、それを実際の治療の中に落とし込んで再現できるようになるにはま...
2020/05/27 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前章を含む第37~39章は熱病後に陥る精神疾患様の症状が主テーマでした。 「補瀉兼施」からシビアなステージのお話が続きましたが、 今回はちょっと趣向が変わり、高齢者の温疫の話。 新型コロナ(COVID-19)でも、高齢者、基礎疾...
これまでのあらすじ 前章は神氣が虚すことで譫語などの症状を呈するという内容でした。 今回も熱病からの精神疾患様の状態に至るお話。 第37 虚煩似狂の冒頭でも書きましたが『精神疾患のような状態だから鍼灸院には来ないだろう…』とタカを括るのはやめたほうが...
これまでのあらすじ 前章は虚煩似狂。 狂症に酷似した虚証というステージがあります。 これを知らずに狂症と判断してしまうと、大下して誤診・誤治をという警鐘ともいえる内容でした。 今回も神気が虚することで生じる精神症状のお話です。 (写真・文章と...
これまでのあらすじ 前々章では薬煩の章で服薬後の過剰反応について。 また前章の停薬では中気の枯渇によって薬力がめぐらないという深刻なステージの話でした。 今回も深刻なステージの話。熱病が極まると狂証のような精神疾患様の症状がみられます。 『高熱...
2020/05/26 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前章のテーマは補瀉兼施、補瀉を兼ね施すという章名とは裏腹にかなりシビアな内容でした。 今回は薬剤を服用後のリアクションについて。 治療を施した後のリアクションでその人の体質やコンディションが分かるものです。 (写真・文章とも...
これまでのあらすじ 前章は奪液無汗、津液を消耗しすぎると、解表の際に発汗するはずなのに発汗できない…というお話でした。 こういったセオリー通りに変化しないことで誤診誤治に結びつくのですよね。 さて今回は補瀉兼施。けっこうシビアなお話です。 (写...
これまでのあらすじ 前回、前々回は、心胸に邪が留まった場合の病症パターンを学びました。 瘟疫は膜原を起点とし、経や腸胃の邪熱をいかに処理するかが治のポイントとなります。 また心胸に邪が停留することで嘔気も強く起こります。このような病症も急性病において...
2020/05/24 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回は新たな病位である心胸、そして痞症という病症について説く内容でした。 今回も同じ病位、心胸から胃口に熱が波及するという病伝パターンについての章です。 (写真・文章ともに四庫醫學叢書『瘟疫論』上海古籍出版社 より引用させていただ...
これまでのあらすじ 前回の「下後間服緩剤」では下法により駆邪した後もなお膜原に残る余邪をどのように対処するか?という内容でした。 治療戦略がよく理解できる章だと思います。 今回の章では新しい病位、新しい病症について学びます。 (写真・文章ともに...
これまでのあらすじ 前回までは瘟疫の解除後、その回復のために補剤は必要であるが、安易に補気補陽をしてはならない…という内容でした。 補にも陰陽があるわけです。 さて、今回の内容は、下法により陽明腑位から駆邪を行っても、膜原に残存する余邪があるという設...
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