伝統医学の一貫性と多様性を学ぶことで道理に至る
2020/05/12 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 瘟疫の本体は熱邪です。その熱邪が体の各部位・各層に侵攻することで諸症を呈します。 これまでの説明では、表・裏・膜原の三層に分け、さらに各層でも細かな分類がありました。 そして裏(腑)に熱邪が潜む場合は、速やかに下す可し!でしたね。 ...
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これまでのあらすじ これまで膜原に対する達原飲、陽明腑に対する大承気湯、陽明経に対する白虎湯。 そして広範囲にわたって作用させる三消飲といった処方が登場しました。 鍼灸師が処方することはできませんが(登録販売者を除く)、 また達原飲や三消飲は生薬か...
これまでのあらすじ 前回の表裏分傳では三消飲の方剤構成が明らかになりました。 呉有性は提唱する「表と裏と膜原」すなわち「経・腑・経胃交関」を理解するには、達原飲や三消飲そして本章で詳解される白虎湯の生薬構成、三者の意図・方意の差違を理解することが鍵でし...
これまでのあらすじ 前回の急証急攻の章では、急証における実熱証において迅速に病邪を排除する治法について説かれていました。 迅速に駆邪する方法として、呉有性は攻下法を指示していましたが、陽明腑における実熱の邪を駆逐することが狙いです。 また「一日に三変」と...
2020/05/11 | category:瘟疫論
これまでのあらすじ 前回の傳變不常では、何度も再発する熱型(復発)と斑や発黄といった皮膚所見が熱病における鍵でした。 表でも裏でもない膜原を起点とし、熱病の本体である熱邪が表にも裏にも移動します。その移動先は多岐にわたり、その移動速度は驚くほど速い。陽邪で...
これまでのあらすじ 前回の瘟疫初起では、実際に湯液名(生薬構成)が登場し、瘟疫の病理観が徐々に明らかになってきました。 達原飲、三消飲、白虎湯、承気湯といった方剤名から瘟疫の病質や病勢を候い知ることができます。 また「祛証と誤認して、日に参芪を進める」こ...
2020/05/10 | category:瘟疫論
『瘟疫論』はじめました 呉有性(呉又可)が著した『瘟疫論』シリーズを始めました。 第1回は『瘟疫論』を著すに至った背景を踏まえて第1章【原病】を紹介しました。 戦乱・飢餓・疫病と非常にシビアな環境下で温病学という新たな学派が生まれたのでしたね。 第...
2020/05/09 | category:瘟疫論
さっそく『瘟疫論』の本文を読みましょう。 1、原病(『瘟疫論』巻上) (写真・文章ともに四庫醫學叢書『瘟疫論』上海古籍出版社 より引用させていただきました。) 以下に『瘟疫論』の原文を書き下しにしたものを蒼枠内に紹介します。 病疫の由、昔以為(...
2020/05/08 | category:瘟疫論
温病を学ぶ 新型コロナ感染症(COVID-19)の蔓延から、温病学を学びなおす必要を感じました。温病学派といえば、葉桂(葉天士:1667~1746年)の『温熱論』や呉鞠通(呉瑭:1758~1836年)の『温病條辨』がよく知られています。ですが、まずは呉有性(...
2020/05/08 | category:黄帝内経 霊枢
黄帝内経霊枢 歳露論第七十九 黄帝内経 霊枢の歳露論では、疫病の病理について詳解されています。風を通常の熱病とし、それに対比させているのが瘧病。これといった病因・きっかけがないのになぜ発病するのか?という疑問に関する病理を皮切りに、なぜ個々ではなく、多くの人...
黄帝内経霊枢 百病始生第六十六 百病始生篇はその名の通り、諸病の原因とその成立過程を説いている篇です。特に積(しゃく)について言及されていますが、これは積に限定せず、陰の性質が強い病、すなわち陳旧性の病、深層の病、臓腑病など大きくとらえてみると良いのではない...
2020/05/08 | category:黄帝内経 素問
黄帝内経素問 痹論篇第四十三 痹論篇は痺症・痺証がテーマです。 風邪による痺証を行痺 寒邪による痺証を痛痺 湿邪による痺証を著痺(着痺)というのは鍼灸学校でも習うことだと思います。 しかし痺証だけでなく営氣、衛氣の性質が端的に説かれています。鍼灸...
黄帝内経素問 挙痛論篇第三十九 この挙痛論では人体に生じる痛みの機序を詳細に説かれています。痛みの原因を主に寒氣としていますが、寒氣に拘らず広く邪としてみた方が理解しやすいかもしれません。病位(病邪の位置)によって症状が変わるさま、そして病位が移動していくさ...
2020/05/07 | category:黄帝内経 素問
黄帝内経素問 熱論篇第三十一 陰邪に属する寒邪は六淫の中でも最も殺傷の性をもつともいわれます。また陰邪であるため裏陰に侵攻しやすく、表から裏へ、陽経から陰経へ、経から腑へ、腑から臓へと病位を変えて人体を障害します。 この熱論篇では熱病は傷寒であると定義...
2020/05/06 | category:黄帝内経 素問
黄帝内経素問 陽明脈解篇第三十 陽明脈解には陽明熱が甚しい際の病症が多く記載されています。 ひと昔前に問題にもなった「タミフルによる異常行動」もこの病理に近いものだと考えています。 実生活で陽明熱が強くなる条件や要素を考えると、臨床にも応用可能でしょ...
黄帝内経素問 太陰陽明論篇第二十九 太陰陽明篇では主に脾と胃の関係が記されています。脾胃が萬物の中央であること、四季(五季)の中では土用の各18日間に相応することが記されてあり、空間・時間ともに中央であることを示しています。これは人体においても同様で、季節(...
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