先日は「鍼灸師はなぜ漢方の勉強をしないのか?」という漢方医学のススメ…のような記事を書きました。
鍼道五経会ではどのように漢方を学ぶのか?
当会では鍼灸だけでなく「漢方医学のキホン」も学んでいます。
言うまでもなく鍼灸師には漢方(湯液)医学の知識は必要だと考えるからです。その理由やメリットはたくさんありますが、今回は蘊蓄(ウンチク)は置いておきましょう。
鍼道五経会では実際にどのように漢方を勉強(訓練?)をしているのか?その一端をイラストで紹介します。
illustrated by Yumiko Hujikawa
たとえば葛根湯
「風邪のひき始めに葛根湯(もはやこの言葉も古いでしょうけども)」で知られる葛根湯を例にあげましょう。
「葛根湯は風邪のひき始めに服用する漢方薬」
この知識は購買者のものであって、臨床家が覚える知識ではありません。
我々が身に着けるべき知識は、葛根湯の根本的な理解です。
葛根湯は「葛根・麻黄・桂枝・生姜・大棗・芍薬・甘草(分量は略す)」の七種類の生薬から成ります。
漢方薬そのものを理解するためには、
まずその漢方薬がどんな生薬で構成されているのか?を知る必要があります。
分解することで理解
たとえば葛根湯を構成している各生薬にはそれぞれどのような性質があり、
これらが組み合わさった葛根湯がどのような薬理・方位(方剤の意図)を持つのか?
なぜ「風邪のひき始めに葛根湯」と言われるのか?
この薬理・方意が分かれば、どのような病態に有効なのか?考えることができます。
ここまで分かれば、あとは鍼灸で翻訳することは可能ですよね。
写真:『新刊 十四経発揮』序文
ここでは鍼の効かせ方に「迎随」「補瀉」に加え「汗法・下法・吐法・利法」という法を示唆している。
文献にもあるように、鍼灸で「発汗」「通便」「利尿」「催吐」させることが可能なのは言うまでもありません。
鍼灸であろうと漢方薬であろうと、人体をいかに動かして作用させるか…
両医学には共通した基盤(人体観・治病観)があります。
もちろん両医学の生理・病理・治病観のすべてが同じというわけでもありません。
お互いの共通点と相違を知ることが、その人の治療家としての器や力量を向上させることにつながるのです。
(その2に続きます)
…と、鍼道五経会ではこのような勉強を各講座で行っています。
文字で書くと堅苦しくなりますが、
イラストから伝わるみんなで楽しく和気藹々とした雰囲気で勉強しています。
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