第21章 発斑戦汗合論『瘟疫論』より

これまでのあらすじ

前回は問答形式で傷寒と瘟疫時疫の違いを説明していました。その説明の中でなぜ傷寒と瘟疫は異なる病なのに同じ傷寒論方剤が有効なのか?という問答があります。邪に対する治法の本質が垣間見えた文章でした。

(写真・文章ともに四庫醫學叢書『瘟疫論』上海古籍出版社 より引用させていただきました。)

第21章 発斑戦汗合論

発斑戦汗合論
凡そ疫邪、氣分に留まれば解するに戦汗を以ってし、血分に留まれば解するに発斑を以ってす。
氣は陽に属して軽清、血は陰に属して重濁。
これ以って邪、氣分に在れば則ち疎透しやすく、
邪、血分に在れば恒に膠滞すること多し。
故に陽は速を主りて、陰は遅を主る。
戦汗に従り(解す)る者は頓解せしむべくして、発斑に従り(解す)る者は當に漸く癒えるを圖るべし。

発斑、戦汗ともに、瘟疫によくみられる所見です。
とく表に現れる所見なので、浅い病位にある際や治癒過程にみられる所見ともいえるでしょう。

戦汗と発斑ではその病位、層の深浅が異なるため、両者では治癒のスムーズさも異なります

発斑は皮膚に現れる斑・疹です。発斑については【第26章 発斑】にて詳解されています。
戦汗とは、戦慄の後に発汗が起こる症状です・・・次の章にて詳解されています。

第20章【辨明傷寒時疫】≪ 第21章【発斑戦汗合論】≫ 第22章【戦汗】

鍼道五経会 足立繁久

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