華岡青洲の里

もう10年も昔のことだが、華岡青洲の里に何度か訪れたことがあった。ふと思い出したので春林軒レポートを報告させていただこう。

華岡青洲とは

華岡青洲は医学界の有名人である。麻酔薬の研究者として、世界で初めて全身麻酔の下で乳癌の外科手術を成功させた医家として評価されている人物である。
外科医学における有名人だからといって鍼灸師が華岡青洲のことを知らずにいるのも勿体ない話である。
紫雲膏という膏薬がある。一部の鍼灸師は灸後に用いたりもするが、この紫雲膏は華岡青洲の考案したものだという。

さて、華岡青洲は1759-1835年、江戸期の医家である。
同時代の人に石坂宗哲(1764-1840年)や宇津木昆台(1778-1848年)宇田川玄真(1769-1834年)原南陽(1753-1820年)多紀桂山(1754-1810年)吉益南涯(1750-1813年)中神琴渓(1742-1833年)…等々の実に著名な医家が多く挙げられる。(※)

さて華岡青洲は紀伊国那賀郡の生まれで、この地は現在の和歌山県北部に在る。鍼道五経会本部(大阪府河内長野市)から車で一時間もあれば到着できる。
この地には【青洲の里 華岡青洲顕彰施設】が建設され、華岡青洲の偉業を今に伝えている。


写真:華岡青洲の里に入るとまず目に入るのが「医聖 華岡青洲先生の像」
この像の隣には『活物窮理』の石碑がある。

 
写真:通仙散、麻沸散に用いられたとされるマンダラゲ(左)とトリカブト・烏頭(右)
撮影日は2011年4月29日であるため、マンダラゲ(朝鮮アサガオ)は発芽していない。蛇足ながら、マンダラゲ・トリカブトともに毒性の強い植物。

春林軒レポート

施設のメインとなるのは「春林軒」
華岡青洲の診療所兼住居が復元されている。

写真:春林軒の門

写真:中には紫雲膏に用いられる生薬が展示されている。係員の方に撮影可不可を尋ねたら意外と軽いノリでOKをいただいた。


医学講座を行っている風景を再現。掛け軸には「活物窮理」の言葉がある。
写真;春林軒の中庭
左が手術室や講堂、炊事場などがある建物、右は藥の調合所のようだった。正面奥が病室、術前術後の患者さんを収容する施設のようであった。


写真:ここが患者さん用の病室。狭い…往時の人たちのご苦労が偲ばれる。


写真:前三診と後三診について。外科手術に限らずとても大事なことを伝えている。当然、鍼灸にも通ずる。

復元された木造建物は実際に中に入ることができ、当時の治療所を見学するには非常に良い施設である。敷地内には研修施設もあり、講座なども行うことが可能なようである。近隣に安価な宿泊施設があれば一度ここで合宿などしてみたいものだ。

ぜひ近畿圏内に住む東洋医学・伝統医学を志す方々は緊急事態宣言が明けたら一度訪れてみていただきたい。

華岡青洲の墓所


写真:華岡家代々の墓所
春林軒から少し離れた所に華岡青洲のお墓がある。
掃苔をして手を合わせる…。

 

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