脈を持する軽重の法 第六

これまでのあらすじ

第一章は脈象24種、第二章は平旦から天地と人を繋ぐ脈、第三章は陰陽に区分することで脈を三界する内容、そして第四章は脈を中心とした生理学の話。第五章の平脈には個人差があり、脈にはその人の性分が表れるというお話でした。
今回は脈を五層に分けてみる指の軽重のお話です。


※『脉経』京都大学付属図書館より画像引用させていただきました
※下記の黄色枠部分が『奇経八脈攷』の書き下し文、記事末青枠内に原文を引用しています。

書き下し文・持脉軽重法 第六

脈に軽重有り、何の謂い也?
然り、初め脈を持するに三菽の重さの如く、皮毛と相い得る者は肺部なり。
六菽の重さの如く、血脈と相い得る者は心部なり。
九菽の重さの如く、肌肉と相い得る者は脾部なり。
十二菽の重さの如く、筋と平なる者は肝部なり。
これを按じて骨に至りこれを挙げて来たること疾き者は腎部なり。
故に曰く軽重と也。

2・3・5、脈の世界を広げる

本章は脈を診る指の重さについて記しています。『難経』五難の内容がそのまま引用されています。いわゆる菽法の脈診です。
脈を五層に区分し、皮毛血脈肌肉筋骨とそれに相応する五臓の気とを対応させて診る脈法を提示しています。

脈を五層を区分して診るとなると、初心者にとっては難しそうに見えますが、『難経』では浮沈、浮中沈そして菽法脈診と、2から3、3から5と展開しています。
このように段階的に脈診の技術を習得していくことは大事です。

脈の要訣のひとつ -挙・按・尋-

脈診の要訣のひとつに「挙・按・尋」があります。(『診家枢要』診脈の道(後半)より)

『診家枢要』(滑伯仁)では“挙・按・尋のいろは”としては浮沈と中位に対応しています。ですが、そもそも尋とは「不軽不重、委曲求之曰尋。」(『診家枢要』診脈の道)という意味であり、浮沈の間をみるとは書かれていません。軽重の間を動的に診るというのが“尋”の本旨です。
このことはある程度の脈診経験がある先生方には分かることだと思います。

鍼道五経会 足立繁久

平脉視人大小長短男女逆順法 第五 ≪ 持脉軽重法 第六 ≫ 両手六脉所主五藏六腑陰陽逆順 第七

■原文・持脉軽重法 第六

脉有軽重、何謂也。
然、初持脉如三菽之重、與皮毛相得者、肺部也。
如六菽之重、與血脉相得者、心部也。
如九菽之重、與肌肉相得者、脾部也。
如十二菽之重、與筋平者、肝部也。
按之至骨、擧之来疾者、腎部也。故曰軽重也

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