霊枢 経筋第十三の書き下し文と原文と

経筋篇で学ぶべきは痛み・麻痺のみに非ず

経筋篇に登場する病症群には痛みや麻痺・痙攣などが列挙されている。このことから整形外科的疾患を診る鍼灸師にとって経筋治療の知識は必要であるとの意見もある。しかし、経筋篇の文章を読むと決して痛み麻痺などに限定されたものではないことが分かる。また経脈流注と同様に経筋の流れも頭に入れておくべきこともよく理解できる内容である。では「経別篇」の本文をみてみよう。


※『霊枢講義』京都大学付属図書館より引用させていただきました。
※以下に書き下し文、次いで足立のコメントと原文を紹介。
※現代文に訳さないのは経文の本意を損なう可能性があるためです。口語訳は各自の世界観でお願いします。

『霊枢』経筋第十三

書き下し文・霊枢経別第十一(『甲乙経』巻二 経筋第六;『太素』巻第十三 身度;『類経』七巻 経絡類 四、十二経筋支別 六十九、十二経筋痺刺)

足太陽の筋は、足小指に起こり、上りて踝に結す、邪(ななめ)に上り膝に結ぶ。
その下、足外側を循り、踝に結び、上りて跟を循り、膕に結す。
その別れる者は、踹外に結し、膕中の内廉に上り、膕中と并(なら)び、上りて臀に結し、上りて脊を挾み、項に上る。
其の支なる者は、別れて入り舌本に結ぶ。
其の直なる者は、枕骨に結び、頭に上り顔に下り、鼻に結ぶ。
其の支なる者は、目の上網と為し、下りて頄に結す。
其の支なる者は、腋後外廉より、肩髃に結す。
其の支なる者は、腋下に入り、上りて缺盆に出で、上りて完骨に結す。
其の支なる者は、缺盆に出で、邪(ななめ)に上りて頄に出る。
其の病、小指支(つか)え、跟腫れ痛み、膕攣(ひきつり)、脊反折し、項筋急し、肩は挙げること能わず、腋支(つか)え缺盆中は紐痛(ちゅうつう)し、左右に揺れるべからず。
治は燔鍼劫刺に在り、知るを以て数を為す、痛を以て輸と為す。
名けて仲春痹と曰う。

足少陽の筋、小指次指に起こり、上りて外踝に結し、上りて脛外廉を循り、膝外廉に結する。
其の支なる者、別れて外輔骨に起こり、上りて髀に走り、前なる者は伏兔の上に結び、後なる者は尻に結ぶ。
其の支なる者、上りて䏚・季脅に乗じ、上りて腋の前廉に走り、膺乳に繋ぎ、缺盆に結する。
直なる者は、上りて腋に出て、缺盆を貫き、太陽の前に出で、耳後を循り、額角に上り、巓上に交わり、下りて頷を走り、上りて頄に結ぶ。
支なる者は、目眥に結びて外維と為す。
其の病、小指次指支(つか)え転筋し、膝を引きて外転筋し、膝は屈伸すべからず、膕筋急し、前は髀に引き、後は尻に引く。即ち上りて䏚に乗じて季脇痛み、上は缺盆・膺乳に引き、頚維の筋急す、左より右に之(ゆ)き、右目は開かず、上りて右角を過ぎ、蹻脈に並びて行き、左は右に絡う。故に左角を傷りて、右足用いられず。命づけて維筋相交と曰う。
治は燔鍼劫刺に在り、知るを以て数を為し、痛を以て輸と為す。名づけて孟春痹と曰う也。

足陽明の筋は、中三指に起こり、跗上に結び、邪(ななめ)に外に上り輔骨に加わり、上りて膝外廉に結び、直ちに上りて髀樞に結び、上りて脇を循り、脊に属する。
其の直なる者は、上りて髀を循り、膝に結ぶ。
其の支なる者は、外輔骨に結び、少陽に合す。
其の直なる者は、上りて伏兔を循り、上りて髀に結し、陰器に聚まり、腹に上りて布き、缺盆に至りて結び、頚に上り、上りて口を挟み、頄に合し、下りて鼻に結し、上りて太陽に合する。太陽は目の上網と為し、陽明は目の下網と為す。
其の支なる者は、頬より耳前に結ぶ。
其の病、足中指支(つか)え脛転筋し、脚は跳堅す、伏兔転筋し、髀前腫れ㿉疝し、腹筋急し、缺盆及び頬に引く。卒(にわ)かに口僻(ゆが)み急する者は、目合わず。熱するときは則ち筋縦(ゆる)み、目は開かず。頬筋に寒有れば、則ち急に頬に引き口に移る、熱有れば則ち筋弛みて縦緩し収まる勝たず、故に僻する。
之を治するに馬膏を以てす、其の急なる者に膏する。白酒を以て桂を和し、以て其の緩なる者に塗る。桑鉤を以て之を鉤す、即ち生桑灰を以て之を坎中に置き、高下 坐を以て等しくす、膏を以て急に頬を熨し、且つ美酒を飲ませ、美炙肉を噉(く)らわす、酒を飲まざる者は自ら強いる也。之三拊を為して已(い)ゆ。(之三拊を為す而已(のみ))。
治は燔鍼劫刺に在り、知るを以て数を為し、痛を以て輸と為す。名づけて季春痹と曰う也。

足太陰の筋は、大指の端内側に起こり、上りて内踝に結ぶ。
其の直なる者は、膝内輔骨に結び、上りて陰股を循り、髀に結し、陰器に聚まり、腹を上りて臍に結し、腹裏を循り、肋に結し、胸中に散ず。
其の内なる者は、脊に著く。(※足太陰経筋は深部を担当する)
其の病、足大指支(つか)え内踝痛み、転筋し痛み、膝の内輔骨痛み、陰股、髀に引きて痛み、陰器紐痛(ちゅうつう)し、下は臍に引き両脇痛む。膺中、脊内に引き痛む。
治は燔鍼劫刺に在り、知るを以て数を為し、痛を以て輸と為す。命づけて孟秋痹と曰う也。

足少陰の筋は、小指の下に起こり、足太陰に筋に並びて、邪(ななめ)に内踝の下に走り、踵に結び、太陽の筋と合す、而して上り内輔の下に結し、太陰の筋に並びて、上りて陰股を循り、陰器に結し、脊内を循り、膂を挟み、上りて項に至り、枕骨に結び、足太陽の筋と合する。
其の病、足下転筋し及び過ぎて結ぶ所の者は皆な痛み及び轉筋す。病、此れに在る者は、主癇、瘲及び痙を主る。外に在る者は、俛すること能わず、内に在る者は、仰すること能わず。故に陽病む者は、腰反折し、俛すること能わず。陰病む者は、仰すること能わず。
治は燔鍼劫刺に在り、知るを以て数を為し、痛を以て輸と為す。
内に在る者は、熨引し薬を飲ます。此の筋は折紐(せっちゅう)す、紐を発する数々甚しき者は、死して治せず。名けて仲秋痹と曰う也。

足厥陰の筋は、大指の上に起こり、上りて内踝の前に結び、上りて脛を循り上り内輔の下に結し、上て陰股に循り、陰器に結して、諸筋に絡す
其の病、足大指支(つか)え内踝の前痛み、内輔痛み、陰股痛み、転筋し、陰器用いられず、内に傷れば則ち起きず。寒に傷られば則ち陰縮まり入る。熱に傷られば則ち縦挺(じゅうてい)して収まらず。治は水を行らせ陰氣を清するに在り。
其の転筋するを病む者は、治は燔鍼劫刺に在り、知るを以て数を為し、痛を以て輸と為す。命けて季秋痹と曰う也。

手太陽の筋に、小指の上に起こり、腕に結し、上り臂内廉を循り、肘内鋭骨の後に結び、之を弾じて小指の上に応ずる、入りて腋下に結ぶ。
其の支なる者は、後に腋の後廉に走り、上り肩胛を繞り、頚を循り、出でて太陽の前に走り、耳後の完骨に結ぶ。
其の支なる者は、耳中に入る。
直なる者は、耳上に出で、下りて頷に結ぶ、上りて目外眥に属する。
其の病、小指支え肘内鋭骨の後廉痛む。臂陰を循り、腋下に入り、腋下痛み、腋の後廉痛む。繞肩胛を繞い、頚に引きて痛み、耳中に応じて鳴り、痛み頷に引き、目瞑し良久(しばらく)して乃ち視ることを得る。頚筋急すれば則ち筋瘻頚腫を為す。
寒熱が頚に在る者は、治は燔鍼し之を劫刺するに在り、知るを以て数を為し、痛を以て輸と為す。
其の腫を為す者は、復びし而して之を鋭にす。
本支は曲牙に上り、耳前を循り、目外眥に属し、頷に上り、角に結す。其の痛み過ぎる所に当たる者は、支えて転筋す。治は燔鍼劫刺に在り、知るを以て数を為し、痛を以て輸と為す。名を仲夏痹と曰う也。

手少陽の筋は、小指次指の端に起こり、腕に結び、上りて臂に循り、肘に結び、上りて臑の外廉を繞い、肩に上り、頚に走り、手太陽に合す。
其の支なる者は、曲頬に当り、入りて舌本に繋がる。
其の支なる者は、曲牙に上り、耳前を循り、目の外眥に属す、上り頷に乗じ、角に結び。
其の病、過ぎる所に当たる者、即ち支(つか)え転筋し、舌巻く。
治は燔鍼劫刺に在り、知るを以て数を為し、痛を以て輸と為す。名を季夏痹と曰う也。

手陽明の筋は、大指次指の端に起こり、腕に結び、上りて臂に循り、上りて肘外に結び、臑に上り髃に結す。
其の支なる者は、肩胛上に繞う。
其の支なる者は、頬に上り、頄に結び。
直なる者は、上りて手太陽の前に出で、左角に上り、頭に絡い、右頷に下る。
其の病、過ぎる所に当たる者、支(つか)え痛み及び転筋し、肩は挙らず、頚は左右を視るべからず。
治は燔鍼劫刺に在り、知るを以て数を為し、痛を以て輸と為す。命けて孟夏痹と曰う也。

手太陰の筋は、大指の上に起こり、指に循り上行し、魚の後に結び、寸口の外側に行り、上りて臂を循り、肘中に結ぶ、臑の内廉に上り、腋下に入り、缺盆に出で、肩の前髃に結び、上りて缺盆に結び、下りて胸裏に結び、散じて賁を貫き、賁に合す、下りて季脇に抵る。
其の病、過ぐる所に当たる者、支(つか)え転筋し痛む。甚しきは息賁を成し、脇急し吐血す。
治は燔鍼劫刺に在り、知るを以て数を為し、痛を以て輸と為す。命けて仲冬痹と曰う也。

手心主の筋は、中指に起こり、太陰の筋と並び行き、肘の内廉に結び、臂陰に上り、腋下に結び、下りて前後に散じて脇を挟む。
其の支なる者は、腋に入り、胸中に散じ、臂に結ぶ。
其の病、過ぎる所に当たる者、支(つか)えて転筋し、前及び胸痛み息賁す。
治は燔鍼劫刺に在り、知るを以て数を為し、痛を以て輸と為す。命けて孟冬痹と曰う也。

手少陰の筋は、小指の内側に起こり、鋭骨に結び、上りて肘内廉に結び、上りて腋に入り、太陰に交わり乳裏を挟み、胸中に結び、臂を循り、下りて臍に繋ぐ
其の病、内急し、心は伏梁を承け、下は肘網を為す。
其の病、過ぎる所に当たる者、支(つか)え転筋し、筋痛む。
治は燔鍼劫刺に在り、知るを以て数を為し、痛を以て輸と為す。
其の伏梁を成して、血膿を唾する者は、死して治せず。

経筋の病、寒すれば則ち反折して筋急す。熱すれば則ち筋弛縦して収らず、陰痿して用られず。
陽急するときは則ち反折し、陰急するときは則ち俛じて伸びず。
焠刺は寒急に刺する也。熱すれば則ち筋縦みて収らず、燔鍼を用いること無かれ。名を季冬痹と曰う也。
足の陽明、手の太陽の筋急するときは則ち口目は礔を為し、眥急して卒かに視ること能わず。治は皆な右方(上記)の如し也

経筋の治法からみえてくる経筋の特性

①燔鍼・焠刺・熨法

経筋篇には十二経の経筋の流れ・諸病症・治法が記されている。そして治法の記載には一貫して「治在燔鍼劫刺、以知爲數、以痛爲輸。」の記載がある。これらの情報から、経筋の特性が自ずとみえてくるようである。

「治在燔鍼劫刺」とは燔鍼(焼き鍼)を以て経筋に伏する寒邪を劫(おびやか)すことを意味する。
「七曰毫鍼、取法於毫毛、長一寸六分、主寒熱痛痺在絡者也。」「七者星也。星者人之七竅、邪之所客於経、而為痛痺、舍於経絡者也。故爲之治鍼、必令尖如蚊虻喙、靜以徐往、微以久留、正氣因之、真邪俱往、出鍼而養者也。」と、九鍼論第七十八にはあるが、
毫鍼単体では陰位(経筋)に位置する陰邪(寒邪)に対ては不足であるとみたのであろうか。鍼を焼く燔鍼という手法で陽氣陽性を高めた刺法を示している。
この主旨は本篇に記される「燔鍼」「焠刺」「熨法」の各治法に共通したものであろう。蛇足ながら、本文「焠刺は寒急に刺する也。(焠刺者刺寒急也)」にも明記されている通りである。

鍼の数と痛を以て輸と為す

さて「知るを以て数を為し、痛を以て輸と為す。(以知爲數、以痛爲輸)」のフレーズも注目すべきである。
「知るを以て数を為す」とは、鍼数のこと示唆している。この主旨は「之を刺して氣至らざれば、その数を問うこと無し(刺之而氣不至、無問其数)」(九鍼十二原)にも通ずる。

「痛みを以て輸と為す」と、鍼治を行う処を輸(兪穴)に限定しないという意である。

そもそも経穴は脈氣が出入する処である器官・部位であるは『霊枢』に散見される。
「節者、神氣之所遊行出入也。」(九鍼十二原第一
「在門者、邪氣正氣之所出入也。」(小鍼解 第三
参考記事:「神氣が出入交流するためのシステムとしての経穴」を参照のこと

経筋は経脈とは異なる器官であるため、その治療は経穴に縛られないのは当然である。故に経穴ではなく「以痛為輸」との説明が付記されるのであろう。
以下に『太素』の一節を引用する。

「以知為數」
惟だ病の差えることを知るは鍼の度数と為す所以,病筋痛の如きは,一度劫刺して差えずは,三四度刺して可なり,量その病の差を量かりて数と為す也。
■原文:所以惟知病差為鍼度數、如病筋痛。一度劫刺不差、可三四度、量其病瘥為數也。

「以痛為輸」
輸とは孔穴を謂う也。筋とは但だ筋の痛む所の処を以て言う。即ち孔穴を為す。必ずしも諸々の輸に須らく依ることを要さざる也。筋を以て陰陽の氣の資る所と為す。中に空の有ること無し。陰陽の氣の上下往来に於いて通ずること得ざれば、然るに邪入りて腠まり筋を襲いて病を為す。輸に移すこと能わず、遂に病居り痛む処を以て輸と為す。故に曰く筋とは陰無く陽無く左無く右無く、痛を候うを以てす也。『明堂』穴に依りて筋病を療する者、此れ乃ち脈に依りて筋氣を引く也。
■原文:輸、謂孔穴也。言筋但以筋之所痛之處、即為孔穴、不必要須依諸輸也。以筋為陰陽氣之所資、中無有空、不得通於陰陽之氣上下往來、然邪入腠襲筋為病、不能移輸、遂以病居痛處為輸。故曰筋者無陰無陽無左無右以候痛也。明堂依穴療筋病者、此乃依脈引筋氣也。

『黄帝内経太素』巻第十二 身度より一部引用

楊上善が説く経筋の定義が興味深い。
「筋を以て陰陽の氣の資る所と為す。(以筋為陰陽氣之所資)」
「故に曰く筋とは陰無く陽無く左無く右無く、痛を候うを以てす也(故曰筋者無陰無陽無左無右以候痛也)。」

経筋は経脈と一定の関わりを持ちながらも、経脈とは器官として一線を画している。それでいて経筋の定義が今一つ不明瞭である印象を受ける。反して本篇における経筋治療は実に明確に規定されており、そこから経筋の特性がみえてくるのではないかとも考える。

鍼道五経会 足立繫久

経水篇第十二 ≪ 経筋篇第十三 ≫ 骨度篇第十四

原文『霊枢』経筋第十三

■原文 霊枢 経別第十一

足太陽之筋、起於足小指、上結於踝、邪上結於膝、其下循足外側、結於踝、上循跟、結於膕。其別者、結於踹外、上膕中内廉、與膕中并、上結於臀、上挾脊、上項。其支者、別入結於舌本。其直者、結於枕骨、上頭下顔、結於鼻。其支者、爲目上網、下結於頄。其支者、從腋後外廉、結於肩髃。其支者、入腋下、上出缺盆、上結於完骨。其支者、出缺盆、邪上出於頄。
其病小指支跟腫痛、膕攣、脊反折、項筋急、肩不能擧、腋支缺盆中紐痛、不可左右搖。
治在燔鍼劫刺、以知爲數、以痛爲輸。
名曰仲春痹。

足少陽之筋、起於小指次指、上結外踝、上循脛外廉、結於膝外廉。其支者、別起外輔骨、上走髀、前者結於伏兔之上、後者結於尻。其支者、上乘䏚季脅、上走腋前廉、繋於膺乳、結於缺盆。直者、上出腋、貫缺盆、出太陽之前、循耳後、上額角、交巓上、下走頷、上結於頄。支者、結於目眥、爲外維。
其病小指次指支轉筋、引膝外轉筋、膝不可屈伸、膕筋急、前引髀、後引尻、即上乘䏚季脇痛。上引缺盆膺乳、頸維筋急。從左之右、右目不開、上過右角、並蹻脈而行、左絡於右。故傷左角、右足不用、命曰維筋相交。
治在燔鍼劫刺、以知爲數、以痛爲輸。名曰孟春痹也。

足陽明之筋、起於中三指、結於跗上、邪外上加於輔骨、上結於膝外廉、直上結於髀樞、上循脇、屬脊。其直者、上循髀、結於膝。其支者、結於外輔骨、合少陽。其直者、上循伏兔、上結於髀、聚於陰器、上腹而布。至缺盆而結、上頸、上挾口、合於頄、下結於鼻、上合於太陽。太陽爲目上網、陽明爲目下網。其支者、從頬、結於耳前。
其病足中指支脛轉筋、腳跳堅、伏兔轉筋、髀前腫㿉疝、腹筋急、引缺盆及頬、卒口僻急者、目不合。熱則筋縦。目不開。頬筋有寒、則急引頬移口、有熱則筋弛縦緩不勝収、故僻。
治之以馬膏、膏其急者、以白酒和桂、以塗其緩者、以桑鉤鉤之、即以生桑灰置之坎中、高下以坐等、以膏熨急頬、且飮美酒、噉美炙肉、不飮酒者自強也。爲之三拊而已。
治在燔鍼劫刺、以知爲數、以痛爲輸。名曰季春痹也。

足太陰之筋、起於大指之端内側、上結於内踝、其直者、絡於膝内輔骨、上循陰股、結於髀、聚於陰器、上腹結於臍、循腹裏、結於肋、散於胸中、其内者、著於脊。
其病足大指支内踝痛、轉筋痛、膝内輔骨痛、陰股引髀而痛、陰器紐痛、下引臍兩脅痛。引膺中脊内痛。
治在燔鍼劫刺、以知爲數、以痛爲輸。命曰孟秋痹也。

足少陰之筋、起於小指之下、並足太陰之筋、邪走内踝之下、結於踵、與太陽之筋合、而上結於内輔之下、並太陰之筋、而上循陰股、結於陰器、循脊内、挾膂、上至項、結於枕骨、與足太陽之筋合。
其病足下轉筋及所過而結者、皆痛及轉筋。病在此者、主癇瘲及痙。在外者、不能俛、在内者、不能仰、故陽病者、腰反折、不能俛。陰病者、不能仰。
治在燔鍼劫刺、以知爲數、以痛爲輸。
在内者、熨引飮藥。此筋折紐、紐發數甚者、死、不治。名曰仲秋痹也。

足厥陰之筋、起於大指之上、上結於内踝之前、上循脛上結内輔之下、上循陰股、結於陰器、絡諸筋。
其病足大指支内踝之前痛、内輔痛、陰股痛、轉筋、陰器不用、傷於内、則不起。傷於寒、則陰縮入。傷於熱、則縦挺不収。治在行水清陰氣、其病轉筋者、治在燔鍼劫刺、以知爲數、以痛爲輸。命曰季秋痹也。

手太陽之筋、起於小指之上、結於腕、上循臂内廉、結於肘内鋭骨之後、彈之應小指之上、入結於腋下。其支者、後走腋後廉、上繞肩胛、循頸、出走太陽之前、結於耳後完骨。其支者、入耳中。直者、出耳上、下結於頷、上屬目外眥。
其病小指支肘内鋭骨後廉痛、循臂陰、入腋下、腋下痛、腋後廉痛、繞肩胛、引頸而痛、應耳中鳴痛、引頷、目瞑、良久乃得視。頸筋急、則爲筋瘻頸腫。寒熱在頸者、治在燔鍼劫刺之、以知爲數、以痛爲輸。其爲腫者、復而鋭之。本支者、上曲牙、循耳前、屬目外眥、上頷、結於角、其痛當所過者、支轉筋、治在燔鍼劫刺、以知爲數、以痛爲輸。名曰仲夏痹也。

手少陽之筋、起於小指次指之端、結於腕、上循臂、結於肘、上繞臑外廉、上肩、走頸、合手太陽。其支者、當曲頬、入繋舌本。其支者、上曲牙、循耳前、屬目外眥、上乘頷、結於角。
其病當所過者、即支轉筋、舌巻。
治在燔鍼劫刺、以知爲數、以痛爲輸。名曰季夏痹也。

手陽明之筋、起於大指次指之端、結於腕、上循臂、上結於肘外。上臑結於髃。其支者、繞肩胛上。其支者、上頬、結於頄。直者、上出手太陽之前、上左角、絡頭、下右頷。
其病當所過者、支痛及轉筋、肩不擧、頸不可左右視。
治在燔鍼劫刺、以知爲數、以痛爲輸。命曰孟夏痹也。

手太陰之筋、起於大指之上、循指上行、結於魚後、行寸口外側、上循臂、結肘中、上臑内廉、入腋下、出缺盆、結肩前髃、上結缺盆、下結胸裏、散貫賁、合賁、下抵季脇。
其病當所過者、支轉筋痛。甚成息賁、脇急吐血。
治在燔鍼劫刺、以知爲數、以痛爲輸。命曰仲冬痹也。

手心主之筋、起於中指、與太陰之筋並行、結於肘内廉、上臂陰、結腋下、下散前後挾脇。其支者、入腋、散胸中、結於臂。
其病當所過者、支轉筋、前及胸痛息賁。
治在燔鍼劫刺、以知爲數、以痛爲輸。命曰孟冬痹也。

手少陰之筋、起於小指之内側、結於鋭骨、上結肘内廉、上入腋、交太陰挾乳裏、結於胸中、循臂、下繋於臍。
其病内急、心承伏梁、下爲肘網。
其病當所過者、支轉筋、筋痛。
治在燔鍼劫刺、以知爲數、以痛爲輸。其成伏梁、唾血膿者、死不治。
經筋之病、寒則反折筋急、熱則筋弛縦不収、陰痿不用。陽急則反折、陰急則俛不伸、焠刺者、刺寒急也。熱則筋縦不収、無用燔鍼、名曰季冬痹也。

足之陽明、手之太陽、筋急則口目爲●(口辟)、眥急不能卒視、治皆如右方也

鍼道五経会 足立繁久

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