第40章 老少異治【瘟疫論】より

これまでのあらすじ

前章を含む第37~39章は熱病後に陥る精神疾患様の症状が主テーマでした。
「補瀉兼施」からシビアなステージのお話が続きましたが、
今回はちょっと趣向が変わり、高齢者の温疫の話。

新型コロナ(COVID-19)でも、高齢者、基礎疾患をもつ方は重篤化への注意を要するという話がありました。
このよう老若の違いを弁え診断・治療することは、本来は東洋医学の方が得意とする分野なのです。

(写真・文章ともに四庫醫學叢書『瘟疫論』上海古籍出版社 より引用させていただきました。)

第40章 老少異治

老少異治

三春の早草、雨を得て即ち滋榮す。残臘の枯枝、灌ぐと雖も澤(うるお)わず。
凡そ年高の人は、最も剥削を忌む。
設し、承気を投ずれば、一を以って十に當る。
設し、参朮を用いれば、十、一に抵(あた)らず
蓋し老年は榮衛枯濇し、幾微の元氣、耗り易く復し難き也。
少年の氣血、生機 甚だ捷にして、その勢 浡然として、但邪氣一たび除くことを得て、正氣 随い復するに比せず。
老年には瀉を慎み、少年には補を慎むの所以。
何ぞ況や誤りて用いるをや。
萬に年高に禀厚く、年少に賦薄き者有り。
又、當に權に従うべし、常論を以ってすること勿れ。

本章は詩的な表現から始まります。
三春の早草と残臘の枯枝の対比は若者と老人ですね。
若者はすくすくと育ち、基本的にピチピチです。
一方、老人は潤いも失い、下法などで攻めても損耗が激しく、且つ回復もスムーズにいきません。

老人の衛気栄気の特性は『霊枢』栄衛生会第十八に詳しいです。

これら老少の特性を踏まえて診断、治療すべし。
と、このような内容が書かれています。

高齢者の氣血津液の状態を弁えて治療の加減すること、これはやはり鍼灸も同じ。
小児の治療と、高齢者の治療は全く異なります。
当然、壮年期や中高年の治療とも異なります。
このような各年齢層に特有の体質を理解し、診断治療に活かそうという話は講座【生老病死を学ぶ】でよく学ぶことですね。

第39章【奪氣不語】≪ 第40章【老少異治】≫ 第41章【妄投破氣薬論】

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