鍼灸師だからこそもっと知っておきたい 樋屋奇応丸のこと

鍼道五経会の足立です。

先日の講座【生老病死を学ぶ】の小児はり概論で、樋屋奇応丸の話を紹介しました。そしてブログ記事でも鍼灸学生さん向けに樋屋奇応丸の効能を書いてみましたが、せっかくなので、生薬についてもう少し調べてみました。今回は『本草綱目』(李時珍 著)ベースの情報です。

本草綱目からみる樋屋奇応丸の効能

樋屋奇応丸には沈香・麝香・牛黄・人参・熊胆という生薬が主に使われています。

沈香・・・18.3375㎎
麝香・・・ 3.9375㎎
牛黄・・・ 0.7875㎎
人参・・・52.425㎎
熊胆・・・ 1.35 ㎎
他に添加物として米粉、龍脳、蜂蜜(加熱済)、パラベン、金箔が使用されている。

さて、以上の生薬の効能を『本草綱目』から樋屋奇応丸と関係がありそうな箇所だけを私見に基づいて引用します。
枠内の後半の青文字は足立の考察です。写真はすべて近世医学書集成『和語本草綱目』(名著出版)より引用させていただきました。

樋屋奇応丸に含まれる5つの生薬

■沈香
〔気味〕辛、微温、無毒
〔主治〕
…人神を清す(李珣※1)
中を調え、五臓を補い、精を益し陽を壮んにする。(大明※2)
右腎命門を補う(元素※3)
気を益し神を和す。(劉完素※4)
上熱下寒…を治す(時珍※5)
私思いますに、張元素の言う、右腎命門を補うという働きは、鍼灸師にはイメージしやすいのではないでしょうか?流派の違いはあるでしょうが、右腎命門を補う治療穴と問われていくつか思い浮かべることのできる先生は多いかと思います。小児科の湯液をいくつか見ていくと、“上から下へのベクトルを持つ生薬”や、“火を降ろし腎を補う生薬”、“火を降ろしその火を水という形で追い出す生薬”が使われているケースが多いように思えます。
牽牛子、木通、淡竹葉などはこれに当たるかと思います。このような人体に対する方向性・ベクトルは鍼を行う上で非常に参考になります。
■麝香
〔気味〕辛、温、無毒
〔主治〕
悪気を避け、鬼精の物を殺し、三虫蟲毒を去り、温瘧、驚癇を主る。(本経※6)
佩服、及び枕の間(下)に置くことで悪夢を避ける…(弘景※7)
熟水で研し、一粒服すことで、小児の驚癇・客忤を治し、心を静め神を安んずる。(薬性※8)
〔発明〕
李杲(※9)曰く、麝香は脾に入り、内の病を治す。凡そ風病の骨髄に在る者に宜しく之を用いるべし。風邪をして得て出さしむ。
若し肌肉に在りて之を用いれば、反って風を引き骨に入れる。
朱震亨(※10)曰く、五臓の風に麝香を用い以て衛氣を瀉すべからず。口鼻より出血し、陰盛陽虚、昇ありて降なし。
当に陽を補い陰を抑えるべし、脳を用いるべからず。麝は軽揚飛竄の剤。
婦人は血を以て主と為す。凡そ血海が虚して寒熱盗汗する者、宜しく補し之を養うべし。麝香の散、琥珀の燥を用いるべからず。
厳用和(※11)曰く、中風不省となる者、麝香を以て油を清し之を灌ぐ。
先ずその関を通じさせる。則ち後に語蹇癱瘓の証を免れる、而して他薬もまた効有る也。
李時珍曰く、厳氏の言う風病必ず先ず麝香を用いる。而して丹渓の謂う風病、血病に必ず用いるべからず。皆、通論に非ず。
蓋し麝香は竄を走らせ、能く諸竅の不利を通じさせ、経絡の壅遏を開く。
若し諸風、諸氣、諸血、諸痛、驚癇、癥瘕の諸病、経絡壅閉、孔竅不利なる者、安んぞ得て用いざれば、引導し以て之を開き之を通ずと為さんや!?用いるべからざるに非ざるなり。但し、過(用)は不可なるのみ。
李杲(東垣)、朱震亨(丹渓)、厳用和の説を挙げましたが、個人的には李時珍の説が分かりやすいです。引導し開き通ずる。詰まり・鬱滞・閉塞を一気に打開する手段として麝香が機能するのでしょう。そもそも子どもの夜泣き・かんのむし(いわゆるカンシャク)そのものが、詰まり・鬱滞を一気に打開するための行為です。それこじらせた状態で発症するよりも麝香を使って事前に解決しようと…そのような狙いも想像できます。
■牛黄(絵無し)
〔気味〕苦、平、小毒あり
〔主治〕
小児百病、諸癇熱、口開かず、大人の狂癲を療する。(別録※12)
中風失音口噤、驚悸、天行時疾、健忘、虚乏を主る。(日華※13)
魂を安んじ魄を定める…小児の夜啼を(治する)(甄権※14)
肝胆を益し、精神を定め、熱を除く、驚痢を止め、悪気を避け、百病を除く(思邈※15)
心を清し熱を化す、痰を利し驚を涼す(寧源※16)
痘瘡紫色、発狂譫語する者に用いるべし(時珍)
〔発明〕
李杲曰く、牛黄は肝に入り、筋病を治す。凡そ中風の臓に入る者、必ず牛、雄、脳、麝(牛黄、雄黄、龍脳、麝香)の剤を用いる。
骨髄に入り、肌膚に透り、以て引いて風を出す。若し風が腑に中り、血脈に及ぶ者に之を用いる。
引きて風邪が脳髄に流入することを恐れる。
牛黄は気付け薬として使われることがありますが、小児科では初生(産まれてすぐ)の時に、胎毒を解する目的で使われることがあります。同じ目的では甘草、黄連もあります。日本では“まくり(大黄黄連甘草湯)”が処方されています。牛黄の新生児処方は我が国では『医心方』巻二十五の小児與牛黄方第六に収録されており「産経に云う、朱蜜を与え竟(おえ)、即ち牛黄を与えるべし。牛黄は肝胆を益し、熱を除き、(精神を定め)驚辟、悪氣を(止める)也。作法、朱蜜多少一法と同じ如くなり。(『小品方』も之に同じ)」とあります。また、この文とほぼ同じ内容が『千金要方』巻五少小嬰孺方『外臺秘要』巻三十五小児初生将護法にも収録されており「牛黄は肝胆を益し、熱を除き、精神を定め、驚辟悪氣を止め、小兒の百病を除く」とあります。
ちなみに、朱蜜は朱砂と蜂蜜を合わせたものと考えられますが、朱砂を使うの用法は、日本においては『校正 方輿輗』(有持桂里 著)では「舊(旧)法、朱蜜を用いれども、是ならず。先哲既にその非を辨(弁)ぜり。」と朱砂の使用を戒めています。
赤文字は文意が合わないため、脱字箇所かと思われる。
医心方巻二十五はこちらの『e-国宝』さんからも閲覧できます。
■熊胆(絵無し)
〔気味〕苦、寒、無毒
〔主治〕
諸疳を治す(日華)
小児の驚癇、瘈瘲に竹藶を以て両豆ばかりに化してこれを服す。心中涎を去ること甚だ良し(孟詵※17)
熱を退け心を清し、肝を平し目を明らかにして翳を去る。(李時珍)
〔発明〕熊胆の苦味は心に入る。寒は熱に勝ち、手の少陰、厥陰、足の陽明経の薬となる。
故に能く心を涼し肝を平し蟲を殺し、驚癇疰忤、翳障疳痔、虫牙蛔痛の剤と為る。
熊胆の苦味による清熱が主な作用でしょうか。五行的にみると心火が旺盛となり、その火熱の勢いが強すぎて肝木風症のけいれん・ひきつけを起こすという病理に対して有効であると示唆しているようです。ある意味、かんのむし(カンシャク)もこの範疇に入るのでしょう。また、23:00~3:00の時間帯に決まってギャン泣きするようなタイプの夜泣きもこの対象となるでしょうね。

■人参
〔気味〕 甘、微寒、無毒(微温、温の説あり)
〔主治〕
五臓を補い、精神を安んじ、魂魄を定め、驚悸を止め、邪気を除く、目を明し心を開き智を益す。(本経)
…虚損虚弱、嘔噦を止め、五臓六腑を補し、中を保ち神を守る…(甄権)
〔発明〕
李杲曰く、人参の甘温は能く肺中の元気を補する。肺気旺なれば則ち四臓の気も皆旺し、精自ずと生じて形も自ずと盛ん。肺は諸気を主る故なり。
言聞に曰く、人参を生で用いればその気涼。熟して用いればその気温。味の甘は陽を補い、微苦は陰を補う。
気は生物を主り、本は天。味は成物を主り、本は地。気味の生成、陰陽の造化なり。
涼なるは高秋清粛の気、天の陰なり。その性は降。温なるは陽春生発の気、天の陽なり。その性は昇なり。
存(甘の誤か)なるは湿土化成の味、地の陰なり。その性は濃。
人参の気味は倶に薄く、気の薄なるは、降を生じ升を熟す。味の薄なるは、升を生じ降を熟す。
土虚火旺の病の如くは、則ち宜しく生参(を用いる)、涼薄の気、以て火を瀉し而して土を補う。これその気を鈍用する也。
脾虚肺祛の病には、則ち宜しく熟参(を用いる)、甘温の味、土を補い金を生じるを以て、これその味を鈍用する也。
李東垣、相火を以て脾を乗じ、身熱而して煩し、気高く而して喘、頭痛而して渇、脈は洪大なる者に、黄柏を用い人参を佐とした。
孫眞人は夏月の熱が元気を傷り、人汗大泄、痿厥に成らんと欲すに、生脈散を用い、熱火を瀉し金水を救うを以てす。
君薬に人参の甘寒を以て、火を瀉し元気を補す。
臣薬に麦門冬の苦甘寒を以て、金を清し水源を滋す。
佐薬に五味子の酸温を以て、腎精を生じ耗気を収す。
これ皆、天元の眞気を補すにして、熱火を補すに非ざる也。
前回でも書きましたが樋屋奇応丸における人参の役割としては、大きく3つあるのではないでしょうか?
1つは、精神を安定させ、安寧作用を発揮すること。
2つは、胃氣を確保すること。胃土を安定させると木氣実による気鬱・易怒も緩むのです。
3つは、補中により生じた金氣により木氣実を抑えること。培土生金→金剋木の流れです。
と、いろいろな方面から考えることで、夜泣き・かんのむしの治療を小児はりで組み立てることができますね。
また、麝香、牛黄、熊胆などの動物生薬はその刺激が強い性質を持っていると考えます。もちろん使用料は微かですが、これら強い作用を持つ生薬に拮抗させるためにも胃氣を傷つかないよう補強するという意味でも、人参の使用量が最も多くなったのではないでしょうか?
このように考えることもドーゼを意識する鍼灸師にとって参考になるかと思います。

 

ちなみに、添加物についても調べてみました

添加物として使用されている生薬の効能を(樋屋奇応丸に関係がありそうな箇所を)下に記します。

■龍脳(龍脳香)
〔気味〕
辛、苦、微寒、無毒
〔主治〕
心を鎮め精を秘し、三虫五痔を治する。(李珣)
心盛んにして熱有るを散ず。(王好古※18)
小児の痘陥、諸竅を通じ、鬱火を散ず。(李時珍)
〔発明〕
宗奭(※19)曰く、この物、関隔熱塞、大人小児の風涎閉塞、及び暴かに驚熱を得るを大いに通利する。甚しきこと済用と為す。然るに常に服する薬に非ず。
朱震亨曰く、龍脳は火に属する、世(の医)はその寒にして通利するを知り、然して未だにその熱にして軽浮飛越(の性質)に達せず。その香にして貴細を喜び、動輒すること麝香と同じく桂附の助けと為す。然るに人の陽は動じ易く、陰は虧し易い。
王綸(※20)曰く、龍脳は大辛にして善く走る。故に能く熱を散じ、結気を通利する。目痛、喉痹、下疳の諸方に多用する者、その辛散を取る也。
李時珍曰く、古方の眼科、小児科は皆言う、龍脳の辛涼、能く心経に入る故に目病、驚風を治するの方に多く之を用いる。
・・・目病、驚病、痘病、皆 火病なり。火は鬱すれば則ちこれを発す。治の法に従い、辛は発散を主る故なり。
その気、先に肺に入り、心脾に伝う。能く走り能く散じ、壅塞を通利するときは則ち経絡は条達し、而して驚熱自ずから平し、瘡毒は能く出づる。猪を用いて心血能く引き、龍脳心経に入る。龍脳が能く心に入るに非ざる也、
添加物扱いなのでどれほど含まれているのか不明ですが、この龍脳の作用も閉塞を通じさせ、気を行らせ走らせる効能を持っています。香りのチカラは氣の動きに対して強力ですから。当然、氣だけでなく精神面にも効果があります。
また李時珍が古の眼科、小児科は皆言う…という言葉も気になります。眼科と小児科でなにか共通の見方があるのかもしれません。
■米粉(粳米)
〔気味〕甘、苦、平、無毒
※孫思邈曰く、生は寒、燔は熱。
李時珍曰く、北の粳米は涼、南の粳米は温。赤粳は熱、白粳は涼、晩白粳は寒、新粳は熱、陳粳は涼。
頴曰く、新米を食し、風気を動ずる。陳(米)は気を下す。病人に尤も宜し。
〔主治〕
気を益し、煩を止め渇を止め泄を止める。(別録)
中を温め胃気を和し、肌肉を長ずる。(蜀本※21)
血脈を通じ、五臓を和し、顔色を好くする。(李時珍)
寒梅粉(糯米)本草綱目では稻米の項を以下に引用
〔気味〕苦、温、無毒
頌(※22)曰く糯米の性寒。…
時珍曰く、糯の性、粘滞にして化し難し。小児、病人には最も宜しく之を忌むべし。
〔主治〕
能く営衛を行らし血積に中る、芫青、斑蝥の毒を解する。(士良※23)粳米は漢方湯液では、白虎湯にも使用されます。胃氣を確保する目的で処方されますが、ここでもそのような意図があるのかもしれません。

■蜂蜜
〔気味〕甘、平、無毒
頴(※24)曰く、諸蜜の気味は、当に花を以て主とする。冬夏(の蜜)は上と為し、秋(の蜜)はこれに次ぐ。春(の蜜)は則ち変じ易く酸く。
閩・広の蜜は極熱。南方の霜雪少なきを以て、諸花多熱なり。川蜜は温、西蜜は則ち涼。
閩・広・川・西は地方名かと思われる。閩は中国古代の越族の一派、今の福建省の地。
李時珍曰く、蜂蜜 生は涼、熟は温。不冷不燥にして中和の気を得る。
〔主治〕
心腹の邪気、諸驚癇痓(を治す)、五臓を安んじ諸々の不足を(補す?)氣を益し中を補う。止痛解毒、衆病を除き、百薬を和す。…(本経)
脾気を養い、心煩を除く…(別録)
営衛を和し、臓腑を潤おし、三焦を通じ、脾胃を調える。(李時珍)
〔発明〕
李時珍曰く…その薬に入りての功に五つあり、清熱、補中、解毒、潤燥、止痛。
生は則ち性涼、故に能く清熱する。
熟は則ち性温、故に能く中を補う。
甘にして和平、故に能く解毒する。
柔にして濡澤、故に能く潤燥する。
緩にして急を去るに以てすべし故に能く心腹、肌肉、瘡瘍の痛みを止める。
和にして中に致すに以てすべし故に能く百薬を調和する。甘草と功を同じくする。

蜂蜜は丸剤にする際に使用されますが、それだけでなく諸薬の毒性を和するという目的があります。特に樋屋奇応丸においてはその目的は大きいのではないでしょうか。
金箔(本草綱目では金屑)
〔気味〕辛、平、有毒
※有毒or無毒について…
大明曰く無毒。
李珣曰く、生は有毒、熟は無毒。
宗奭曰く…必ず須らく(金)屑を烹煉煅して箔と為し、方に薬に入れるべし。金箔もまた生金に同じく、毒有りて人を殺す。且つ解し難し…。
〔主治〕
精神を鎮め、骨髄を堅くし、五臓の邪気を通利する。これを服して神仙となる。(別録)
小児の驚、五臓の傷、風癇失志を療し、心を鎮め魂魄を安んずる。(甄権)
癲癇風熱、上気咳嗽、傷寒肺損吐血、骨蒸労極まりて渇を作す。并びに箔を以て丸散(薬)を入れ服す。(李珣)

金も心火、魂木魄金を鎮める性質があります。蜂蜜の甘味が加わることでかなり安心作用が強まりそうです。

と、関西ではおなじみの樋屋奇応丸ですが、ひとつひとつ調べていくととても勉強になります。
実際、以上の解釈が樋屋奇応丸の方意にどこまで合っているか?となると合っていない所もあると思います。しかし、生薬(ひいては方剤)が持つ体の動かし方(方向性・ベクトル・経緯)を知ることが鍼灸治療にとって大きなヒントになるのです。

樋屋奇応丸はあの鑑真が…!?

と、このレポートを書き終わる頃に、樋屋奇応丸のサイトでこのような一文を見かけました…
「もともと奇応丸の原型処方は、唐招提寺で有名な唐の高僧 鑑真が伝えたといわれ…」
「麝香、人参、熊胆、沈香は…高貴薬であるため庶民の手には入りにくく、公家や僧侶の秘薬として用いられました。」

確かに沈香は伽羅の一種であり、沈香だけでなく、龍脳も麝香もお香・護摩に使われる生薬です。
以前、真言宗の住職さんから教えていただいた話では、護摩で焚かれる物の多くは生薬として使われているとのこと。
そう考えると、僧 鑑真が持ち帰ったと言われる医書がどんなものだったのか?奇応丸の原型とは?とても気になるところです。
まだまだ樋屋奇応丸ネタは終わりそうにありません。

※1、李珣…五代十国前蜀の人。『海薬本草』を撰する。
※2、大明…日華子諸家本草の説明に「日華子、姓は大、名は明なり」との記述あり。
※3、元素…張元素(1151-1234年)、易水派の祖
※4、劉完素…劉河間(1100?-1200)、金元四大家のひとり、寒涼派と呼ばれる。防風通聖散を考案。著作に『素問宣明論方』『素問玄機原病式』がある。
※5、時珍…李時珍(1518-1593)『本草綱目』『奇経八脈考』『瀕湖脉学』を記す。
※6、本経…『神農本草経』李時珍曰く、神農本草経の薬を三品に分け、計三百六十五種とし、以て周天の数に応ずる。
※7、弘景…陶弘景(456-536)
※8、薬性…『薬性本草』かと。薬性本草の項に「李時珍曰く…唐の甄権の著す所なり。権は扶沟の人で、隋に仕え秘省正字と為った。唐の太宗の時には百二十歳であった。…又『脉経』『明堂人形図』各一巻を著した…という。
※9、李杲…李東垣。金元四大家のひとり。補土派と呼ばれる。補中益気湯を考案した。著作に『内外傷辨惑論』『脾胃論』がある。
※10、朱震亨…朱丹渓。金元四大家のひとり。滋陰派と呼ばれる。著作に『格知餘論』『局方発揮』がある。
※11、厳用和…『済生方』(1253年)を著わす。
※12、別録…『名医別録』のことかと。
※13、日華…『日華諸家本草』のことかと。
※14、甄権…※8を参照のこと。
※15、思邈…孫思邈。
※16、寧源…明代の人。『食鑒本草』を編纂する。
※17、孟詵…唐代、梁の人。『食療本草』を撰ずる。
※18、王好古…張元素、李杲に学ぶ。
※19、宗奭…寇宗奭。宋代の人。『本草衍義』を撰する。
※20、王綸…明代の人。『本草集要』を著す。
※21、蜀本…『蜀本草』五代十国の後蜀の孟昶が命じて編纂させた。
※22、士良…陳士良、『食性本草』を撰する。
※23、頌…蘇頌。北宋の人。『図経本草』を編する他、世界で初の水運儀象台を設計。医学、天文学で秀でる。
※24、穎…汪穎のことかと。明代の人。『食物本草』を撰する。

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