『中医臨床』に陰火学説に関する論考を寄稿

『中医臨床』2021年6月号、杏林春秋のコーナーに寄稿させていただきました。
「陰火学説を素霊難および脈診の観点から考察する」と題し、李東垣が提唱した陰火学説についての論考をあげています。


東洋学術出版社さんのサイトでは【読みどころ】記事のひとつに採用してくれています。
鍼灸雑誌が減っていく昨今、ぜひご購入ください(私の論考の是非は置いておくとして…)

とはいえ、本稿を書こうと思ったきっかけは李時珍の『瀕湖脈学』でした。
ちょうど『瀕湖脈学』の記事をアップしていた頃なので、今年(2021年)の2~3月のこと。
『瀕湖脈学』洪脈の項に「陰火」という言葉を見かけ、それで陰火に興味を持ったのですね。

『陰火という言葉は知っているけど、虚熱とどう違うのか?』
『もし虚熱と同じなら洪脈が出るのはおかしいではないのか?』
しかし、陰火について調べると納得いく説が少ない…という事実も意外でした。(中には虚熱と混同されている情報も見受けられたほど…)
と、そのような疑問・経緯から陰火学説の考察が始まりました。

あとは『中医臨床』をお買い求めの上、目を通してくだされば幸いです。

SNSにも書いたことですが、伝統医学を勉強していくと、ただ病気を克服するための方法論だけでない側面がチラリと垣間見える時があります。陰火という概念もまさにその一つであると考えています。
このようにみると、伝統医学とは命の讃歌なのだと思うようにもなり、ただ治療技術を磨くだけではない奥深い魅力が包含された世界なのだな~としみじみ思う次第であります。

おすすめ記事

  • Pocket
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す




関連記事

「胎毒治療から生命観をさぐる ー中朝医学文献編ー」を『中医臨床』に寄稿
『中医臨床』に「中風に対する鍼薬併治」を寄稿
『医道の日本』7月号に記事掲載
機関誌『おけら』に論考『診法における機』を寄稿
『中医臨床』に「東垣鍼法から陰火学説を考える(後篇)」を寄稿
『中医臨床』に「易水派の鍼法について ー雲岐子から羅天益までー」を寄稿
『中医臨床』に「海蔵拨原法」を寄稿
『医道の日本』6月号に3記事掲載
『中医臨床』に「つわりの鍼灸治療の症例」を寄稿
機関誌『おけら』に共同論文『緯書と医書』掲載
鍼灸OSAKA138号の特集は冷えと冷え症
『中医臨床』に「易水派の治療について-羅天益が記した灸薬併治-」を寄稿
「胎毒治療から生命観をさぐる ー日本医学文献・用薬編ー」を『中医臨床』に寄稿
『中医臨床』に「東垣鍼法から陰火学説を考える(前篇)」を寄稿

Menu

HOME

TOP