鍼道五経会の足立です。
鍼といえば東洋医学。東洋医学といえば伝統医学。
そして伝統医学といえば非科学的…と思われている向きもありますが、私はそうは思っていません。
鍼は自然科学に通ずることが非常に多いと感じます。
例えば気象学や物理学。
台風の動きなどは経穴デザインに非常に近く、人体観を具体的にイメージするためにも知っておくべきことだと個人的には考えています。
下の引用動画は「【台風5号】18日間の一生を1分で振り返る」というタイトルで、
低気圧の盛衰を紹介してくれています。
立体的に雲の動きが見えて勉強になります。
低気圧の要素は「水を伴う気の流れ・上下内外を含む回転(らせん)」です。
下の動画は一年間の(東経130~140°あたりを中心とした)の北半球南半球を含めた全球の大気と水の動きです。
赤道付近の低緯度帯で活発な雲の発生が起こり、かつ中緯度帯では偏西風が起こっている様子がビジュアルで確認できます。
人体のある経脈の動きのイメージに(私の中では)重なります。
下の動画では低緯度帯と中緯度帯の大気の上昇と沈降を分かりやすく講義してくれています。
(途中の謎フィギュアスケートはスルーするということで)
以上のように、気の動きは目に見えませんが、水(水蒸気)を重ねると分かりやすくなります。
また大気の動きに太陽の陽気が基点となっていること。その動きを方向性には回転(地球の自転)が関与していること…などなど、人体観の理解や鍼治療に活かせるヒントがあります。
鍼治療に活かせる回転・らせんといえば低気圧と高気圧です。
・風は気圧の高低によって起こります。
・回転の向きは北半球と南半球で違います。
下の動画は美しくも恐ろしいスーパーセルの動画集。
そして、気の動きと同等に重要なのが水の動き。
大気中の水蒸気も水ですが、さらに大きな水として海の水があります。
大気の動きは上動画の通りですが、海中の水の動きはまた異なります。
気と水は協調してはいるがまったく同じ動きではない。
当たり前のことかもしれませんが、これを東医的には衛気と営気と対比できますし、気と水ともみることもできるのではないでしょうか。
また、海の動きには海流の他に潮汐力があります。
潮汐力は月の引力により起こります。月の存在は東洋医学でみても必須の存在です。
潮汐力を分かりやすく解説してくれている動画が見つけられなかったので、
コチラのサイトの潮汐力の解説を参考にしてください。
地球とそれを取り巻く環境を理解することは人体の理解にもつながります。
これも天人合一の思想につながるのでは?と考える次第です。
…と、こんなことを考えながら科学の知識、自然の事象と鍼灸を対比させることはなかなかに面白く、ひとりほくそ笑んでいるのであります。