サッカーにみる5と6の相性

中国医学思想では5と6の相性が非常に良いと感じています。
各数字と人体観・生命観が対応するのは以前記事に書いた通り。(コチラを参照のこと「多層的人体観鍼道五経会の追窮する鍼灸」

1〜9の数字の中で、5と6の数字観は重なりあっていることが多いです。

この意味はなにか?と考えたとき、ひとつの案として「生命観に立体的な広がり、複層的構造を持たせるための概念ではないか?」と考えた次第です。生命観にまつわることなので脈診にも繋がってきます。

なぜ五臓六腑なのか?

例えば五臓六腑、例えば五運六気。

五臓五腑でも六臓六腑でも問題はないはず…なのですが、なぜか五臓六腑という表現をよく使います。

なぜか???

五臓五腑では肝心脾肺腎の五臓に、胆小腸胃大腸膀胱の五腑が対応しています。

この臓腑観に心包・三焦という抽象的・観念的な臓腑が加わります。

『図註八十一難経』より三十六難の図(難経古注集成2より引用させていただきました)

この心包という臓にはさまざまな説があり、三焦の存在にも是非が分かれたりしていますが、事の是非は置いておきまして…

五臓五腑という固定された存在・臓腑観に、三焦という不安定・抽象的な存在が加わることが意味があることだと思えるのです。

固定された生命観に立体感を持たせているのですね。

生数と成数の分かれ目

この立体化を端的に表しているのが、生数と成数の関係です。

やはり数字の思想ですが、1〜10までの数字には五行的意味があります。

前半の1〜5が生数に属し、一水、二火、三木、金四、五土となります。

後半の6〜10が成数に属し、六水、七火、八木、九金、十土と配置されています。

生数で生まれ、成数で形を得る…といったイメージでしょうか。

河図洛書(『類経附翼』経絡治療学会 発行より引用させていただきました)

水火木金土の五行が生まれ、そして形而下の存在として立ち働くには、場が必要です。

その場としての存在が土であり、形而上と形而下の分かれ目が5と6の間です。

生数から成数にステージアップしているのです。

話は逸れますが、相火というある意味6番目の存在を応用する試みが中国医学の発展と多様化に結びついたとも言えるのではないでしょうか。

サッカーにみる5と6と11

これを数学的、幾何学的に見てみましょう。

5と6の関係を正五角形、正六角形に当てはめてみます。

5と6の数字は概念的、観念的要素が強いのでピンとこないかもしれません。ですから図形として立体的・ビジュアル的にみると理解しやすいでしょう。

さて、正五角形と正六角形を組み合わせると見事な多面体が完成します。これを三十二面体(もしくは切頂二十面体)といいます。五角形が12面、六角形が20面、そして頂点は60個、辺の数は120個あります。

小さな正三角形を多数組み合わせた構造で球体を作ることは可能です。しかし最小単位で球体を作るための最適要素が、正五角形と正六角形の二つの組み合わせなのだろうと想像します。

球体はこの世界においては非常に安定した存在だといえます。

極大の存在である惑星や恒星が球体であること、そして極小の存在である卵・卵子の多くが球体であることも、まさに生命そのものに結びつく思想であり存在だと言えます。

サッカーボールが5と6の組み合わせによって形作られた多面体(切頂二十面体)であり、奇しくも5+6の11人を1チームとする点も数字の不思議さが介在しているようにみえてきます。ワールドカップの影響でしょうか…。

ちなみに切頂二十面体に配列された分子構造を持つものに炭素が知られている。炭素原子が60個が切頂二十面体状に集まった状態をバックミンスターフラーレン(略してフラーレンというらしい)という。このフラーレンは美しい構造だけなく、その性質にも注目を集めているらしい…が、ここでは割愛させていただく。興味ある方はこのサイトがおススメ「C60・サッカーボール分子・バックミンスターフラーレン

ある脈法に秘められた5と6と11

そして脈診では気口九道脈診がこの5と6と11の球体(多面体)の世界観にマッチした脈診法ともいえるのです。

脈診には様々な脈診法があり、各脈法にはそれぞれの人体観、生命観を内包しています。同じく気口九道脈診にもこの5と6の11にまつわる生命観が秘められていると私は考えています。

正経と奇経の病を診るとされる気口九道脈診、この時点で他の脈法と一線を画していますが、奇経をみることの意味にも5と6の11は関係していると言える…かもしれません。

5と6の思想が反映するのは脈診だけではありません。例えば腹診にもこの数字観が反映するものもあります。

ですが、今回はここまでということで。

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