伝統医学の一貫性と多様性を学ぶことで道理に至る
2021/07/02 | category:幼科要略
これまでのあらすじ 前回は伏気に関する内容でした。人体は天と地の間でそれぞれの氣(天氣と地氣)の影響を受けて生活しています。そして天地の運行は“時間”とも言い換えることができます。時間を一年単位で言い換えると四季。四季すなわち四時における人体の気はどのように...
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2021/07/02 | category:李東垣
李東垣の生命観 補土派として知られる李東垣の医学を改めて記事に挙げておきたいと思います。補土派という名から、脾胃(土)を補うことを目的とした医学との印象があります。しかし流派というものは、独自の人体観と病理観と治病観を備えています。むしろそれらが無ければ流派...
2021/06/29 | category:幼科要略
これまでのあらすじ 前回「幼科要略」は概論的な内容、例えば小児特有の基本体質、そして葉天士以前の小児熱病に対する治法などについてザっと学びました。特に小児は純陽の体ですので、進行の早い熱病には抜群に相性が良くありません。病伝速度が速い熱病に対し、攻防の選択を...
2021/06/23 | category:幼科要略
葉派医学は『温熱論』で十分か? 温病学派を学ぶべく、最近まで葉天士の『温熱論』を記事にしていましたが、どうもスッキリしない点が残されています。 確かに衛気営血弁証や舌診・癍疹など熱病に対する診察と診断の有為性は分かりました。が、『温熱論』だけ読んで葉家医学...
2021/06/21 | category:温熱論
衛気営血弁証だからこそ婦人の熱病を… いよいよ『温熱論』の最終章、婦人の温熱病です。 なぜ同じ温熱病なのに、男女を分ける必要があるのでしょうか?女性には女性特有の基本体質があります。これを無視して診断・治療はできません。 そしてなにより衛気営血弁証を...
2021/06/20 | category:温熱論
葉氏医学の望診 葉天士の医学は衛気営血弁証、そして舌診がよく知られています。しかし葉天士の書を通覧するに、葉氏一門の医学は舌診に限定したものではなく望診そのものに注力していると思えます。 その例が本章の「歯を診る」診法と前章の「癍疹」です。 本章では...
熱病における斑疹とは? 『温熱論』本文では「論舌白如粉」に続いて(?)記載されているが、内容を考慮して別記事として紹介させていただきます。 斑疹とは熱邪が余勢を駆って皮膚表面に発出した現象であり、それと同時に身体が自然に行う解肌のような現象でもあると個人的...
いろんな舌証 前章の黒舌から一転して淡紅舌の所見です。 淡紅舌といえば、平の舌証所見の一つにもみえますが、どうやら平の舌証について紹介しているわけはなさそうです。では葉天士が説く淡紅舌について読んでいきましょう。 写真は『温熱湿熱集論』福建科学技術出...
2021/06/19 | category:温熱論
いろいろな舌苔・黒苔 ベースの舌が無苔、そして烟(けむり)煤(すす)という文字から、舌に付着する黒苔の性状をイメージしやすくなると思います。 黒苔は極証(陰陽の極み)を表わす舌証として知られています。 本文でもその旨が記されています。 写真は『温熱...
2021/06/18 | category:温熱論
舌苔について 前章の「絳舌を論ず」では、舌の乾燥が津液・陰分の損耗を判定する指標としていました。 今回はその反対。東医家は津液の過多を表わす所見として舌苔を診ています。 『温熱論』に記される治療観においては湿を主対象とする局面があります。その湿濁・湿...
2021/06/11 | category:温熱論
気分の熱から営分の熱へ 前回は気分の熱が進むことで、裏(陽明腸胃)に結する証を軸に、下法適応証(下すべき証)を舌診で見極めるお話を説かれていました。 今回は気分熱が営分に侵攻する話について記されています。 『温熱論』に記される衛気営血弁証を読むと、葉...
舌診のお話 ここから舌診について詳しく論じられています。呉有性も『瘟疫論』下巻にて舌診について詳細に述べています。 葉天士が説く「舌診論」篤と拝見いたしましょう。 写真は『温熱湿熱集論』福建科学技術出版社より引用させて頂きました。 以下に書き下し文...
2021/06/06 | category:温熱論
裏位はどこにある? 本段では裏結について述べられています。温熱病において裏位とはどこに当たるのか?を明確に意識して読むと良いでしょう。 当たり前ですが、表と裏を始めとする病位が不明瞭だと治療方針が立てられないからです。このことは鍼灸治療も全く同じことがいえ...
営血分に熱邪が侵攻しなかったら… 前段では衛気営血弁証でよく知られる「気分から営血分への病伝」について記されていました。 今回は気分の熱が営血分に進まずに留まってしまうケース、いわゆる三焦留恋について説いています。 葉天士は気分熱が留まる病位を三焦で...
2021/06/05 | category:温熱論
営分への侵攻 この段落では、温熱邪が営分に侵攻した際の病症、そして治法についての概略が記されています。 さらには深い層に熱が達した場合、その影響をうけ陰氣や津液もまた消耗します。 営血分に侵入した熱邪を起点に、諸々の病変に対する処置法についても紹介されて...
葉天士プロフィール 去年の5月頃は明代の医家 呉有性の『瘟疫論』(1642年)を勉強しました。(→『瘟疫論』上巻リンク) 今年は温病学派を代表する葉天士(葉桂)の『温熱論』(1746年)をアップしようと思います。 その前に葉天士についての豆知識を少し知っ...
2021/05/23 | category:浅田宗伯
※『橘窓書影』画像は京都大学付属図書館より引用させていただきました。 ※以下、青枠内が本文です。 その49、急則治標、緩則治本ということ 一、 病に標本と云うことあり。標は現今の急證なり。 本は本源の病なり。 時に臨みてはその本源を捨て、急を救う...
2021/05/22 | category:浅田宗伯
※『橘窓書影』画像は京都大学付属図書館より引用させていただきました。 ※以下、青枠内が本文です。 その38、脈診における縦と横 一、 脉学は先ず浮沈二脉を経とし、 緩緊遅数滑濇六脉を緯として病の進退 血氣の旺衰を考究するときは、 其の餘の脉義 ...
2021/05/20 | category:浅田宗伯
浅田流の臨床医訓ともいうべき五十七カ条の続きその3です。(その1はコチラ)(その2はコチラ) ※『橘窓書影』画像は京都大学付属図書館より引用させていただきました。 ※以下、青枠内が本文です。 その27、そこにはすべて意味がある 一、 薬剤...
2021/05/18 | category:夢分流
四つの脈の大事 腹診を推しますが脈診についても触れられています。重要です。 その五、四つの脈の大事 『鍼道秘訣集』京都大学付属図書館より引用させていただきました 五、四つの脉之大事 脉は往古(いにしえ)より、七表八裏九道と分つといえど...
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