『切脈一葦』総目

昨日の『切脈一葦』序に続いて総目、つまり目次の紹介です。

『切脈一葦』は上中下巻に分かれています。

古典文献を読むには本文から読破するのも良いですが、序文に目を通すことも重要だと思います。

『どんな人が序文を書いているのか?』
『著者とどのような関係があるのか?』
『著者本人が書いた自序なら、最も熱い思いが込められているはず…。』

などなど、序文から吸収できることも少なくないのです。

そして目次も同様。

『どのような構成なのか?』
『イの一番に持ってくるのはどんな内容なのか?』

これだけでも作者・編者が意図する考え・書の構造が窺い知れるというものです。

ということで『切脈一葦』の総目は以下のようになっています。

切脈一葦総目巻の上
脈位
反関
平脈
胃氣巻の中
浮芤・蝦遊
滑洪
数・急疾動躁□(馬+夬)
弦緊・革牢弾石
実長
沈伏
濇(澀と同じ)・魚翔釜沸
遅緩
微弱軟・(濡耎輭と同じ)
細(小と同じ)
虚短
結(停と同じ)屋漏

散・解索
絶脈
婦人
小児巻の下
四診合断
陰陽二脈
邪正一源
脈証取捨
死生要訣切脈一葦総目 畢

 
写真:『切脈一葦』京都大学付属図書館所蔵 より引用させていただきました。

最初に論じているのが脈位という項目です。

平脈や胃の気を論ずるよりも、まず伝えたいことは脈位なのです。
そして脈状は中の巻にあり、優先順位は脈位よりも低いといえます。

いかに中莖暘谷が脈位を重視していたか、そして脈状を細分化させることに異議を唱えていたかが想像できます。

そして中巻に脈状のラインナップが確認できますが、その内容は脈状名の分類を眺めるだけでも独特ですね。

「浮脈と芤脈と蝦遊の脈」「滑脈と洪脈」「数脈・急脈・疾脈・動脈・躁脈」と他の脈診書にはみられない分類です。

ということで、書き下し文を下巻ラストまで、コツコツとアップしていきます。

1、序文はコチラ

3、脈位はコチラ

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