伝統医学の一貫性と多様性を学ぶことで道理に至る
2021/01/23 | category:診家枢要
分かるようで分からないソムリエ的な表現 滑脈の回です。 前回の緩脈と同様、滑脈も脈状の幅が広い脈です。病脈としても滑もあり、平脈としての滑もあります。 脈滑の本質をよく理解すべき項です。 まずは滑脈の感触・形状を説明するのがおなじみのフレーズ「盤に...
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2021/01/19 | category:診家枢要
脈はそもそも何を表わすのか? 緩脈は平脈の一条件「和緩」といった言葉・脈状してもよく知られています。(※診脈の道『診家枢要』においても「胃脈は謂(いわゆる)中按してこれを得る、脈和緩なり」とある。)他にも土用の時期の脈としても学ぶことが多いですね。 し...
弦と対比になる脈状は? 本章はおなじみの弦脈です。弦脈は臨床でもよく診る脈状のひとつですね。 本書では脈の緩急・剛柔を軸とした脈状対比があります。弦はその一つ、急・剛にあたる脈状です。 弦脈の感触は「弓の弦の如し」であることはよく知られています。この...
2021/01/16 | category:診家枢要
現われざる脈 今回のテーマは微脈です。虚脈と同様に氣血ともに虚を示す脈状です。 まずは『診家枢要』が説く微脈をテンプレート通りに読んでいくとしましょう。 微脈の特徴をひと言でいうと「顕(あらわ)れざる脈」。その特徴を形容する言葉が「依稀」「軽細」「有...
洪脈は波が鍵! 洪脈は“大波が押し寄せるような脈”と表現されることが多い脈状です。波という表現はまさに正鵠を射るような表現です。 まずは下の書き下し文を読んでみましょう。 洪脈を表わす要素として「大にして実」つまり“洪脈の中に実脈の要素が含まれる”という...
脈状を理解するコツ 今回は虚脈と実脈の両脈を紹介しましょう。脈状の章(脉陰陽類成)では“対となる脈状”を順に紹介しています。浮脈と沈脈、遅脈と数脈、そして今回は虚脈と実脈の対比です。 脈位を軸にした対の脈として、浮脈と沈脈。 脈数を軸とした対の脈として、...
2021/01/05 | category:診家枢要
脈の遅数が示すのは寒熱のみなのか? 脈の遅数は重要な意味を持つと考えています。しかし初級の段階では遅数=寒熱の指標として教えられることが多いですね。 ということで、まずは遅脈・数脈の定義、すなわち脈数と息数の関係について覚えるとよいでしょう。 今回は遅脈...
沈脈の形状・性質・各部位における病症 『診家枢要』の脈陰陽類成では、沈脈の要点・形状・特性、そして各部位における病症といった形式で解説が丁寧に記されています。以下は『診家枢要』の書き下し文を紹介します。 脈の陰陽類成 沈は浮な...
いよいよ脈状に入ります。『診家枢要』に記される脈状の数は30種。 まずは浮脈からスタートです。 脈の形状・性質・各部位における病症 浮脈の形状、浮脈の全体的な性質・特性、そして各部位における病症といった形式で解説が成されています。 脈の陰陽類成 浮脈...
2020/12/27 | category:診家枢要
脈診の要訣・秘訣が盛りだくさん 後半部は特に要訣の内容が濃いですね。 「挙按尋」「上下来去至止」「脈貴有神」などなど、並の脈診セミナーではあまり触れられない秘訣について説かれています。 持脈の要には三つ有り。曰く挙、曰く按、曰く尋。 軽手にてこ...
一見、初級者向けの脈診のキホンにみえるが… 『診家枢要』の中でもこの「診脈の道」はおススメのパートです。 一つ一つの文字・言葉から脈診の要訣(ポイント)をどこまで受け取ることができるのか?読み手の力量が問われる章です。 診脈の道 凡そ診脈の...
2020/12/20 | category:診家枢要
脈を通じて五藏を理解する 五臓の脈を診るシリーズは続きます。前章「五臓平脈」を振り返ると、前章では脈状を軸とした五臓の平脈。 本章は呼吸・脈位を軸とした五臓の平脈や脈の生理学について端的に示してくれています。 特に呼吸は脈と密接な関係があります。...
2020/12/16 | category:診家枢要
平脈は多種多様 臓腑の脈診配当の次は五臓の平脈です。前章では脈位を示したので、本章では平脈の定義を示しています。 平脈にも条件により様々な平脈があります。 脈位における平脈、脈状における平脈、脈力における平脈、脈数における平脈、脈機における平脈…等々...
脈診を通してみる臓腑観 本章「左右手配臓腑部位」はその名の通り“左右の脈における寸関尺の臓腑配当”といった内容になります。当会でいう「脈の五要素」の中の脈位にあたります。 脈診における臓腑配当は、鍼灸師だけでなく漢方医もよく使う脈診法ではないでしょうか。 ...
『診家枢要』が説く脈のイロハ この脈象大旨から『診家枢要』の脈診講義が始まります。“脈のキホン” “脈のイロハ”といったところでしょう。 ・氣血と脈の関係 ・体格と脈の関係 ・性格と脈の関係 ・性差と脈の関係 と、シンプルにして基本原則...
『診家枢要』の著者、滑伯仁は元代、14世紀の人です。名は壽、字(あざな)が伯仁、号を攖寧生(えいねいせい)。 『診家枢要』の他にも『十四経発揮』『難経本義』といった鍼灸師にとって縁の深い医書を記しています。 ちなみに日本の江戸期に出版された『診家枢要』...
2020/12/09 | category:切脈一葦
死脈を学ぶ意義 死脈という言葉があります。 『この脈が現れるということは…死は免れない!』という死を予期させる脈のことです。 死脈とは人の生死吉凶を占う脈として重視されています。患者さんの予後を把握するという点では重要な指標といえるでしょう。 しか...
2020/12/06 | category:切脈一葦
脈を捨て証を取る、証を捨て脈を取る 「脈を捨てて証を取る」「証を捨てて脈を取る」という言葉があります。「脈を捨てる」とはいえ、脈診が信用できないという意味ではありません。 しばしば「脈診よりも●診の方が信用できる」などといった技術比較論、技術優劣論などの説...
2020/12/03 | category:切脈一葦
邪気と正気の共存により人は生きている 邪正一源を読んだ感想として「邪気と正気のせめぎ合いで病は生ずる」から 「邪気と正気が共存することで人は生きている」という風に正邪虚実観が変わりますね。 静的な病理観や人体観でみると、邪気と正気は相い争うもの(邪正...
邪正一源…邪気と正気の関係は? 邪正一源、いよいよこの章に入りました。本章「邪正一源」は私が『切脈一葦』に注目したきっかけとなった章です。 ちなみに、邪正一如(じゃしょういちにょ)という言葉があります。 この邪正一如は、仏教用語のひとつで天台宗・日蓮...
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