伝統医学の一貫性と多様性を学ぶことで道理に至る
2022/08/10 | category:原南陽
原南陽の脈論のみどころ 原南陽の脈論(『叢桂亭医事小言』収録)には、興味深い脈診法が記されている。脈診法というより脈診観というべきであろう。とくにキーワードとなるのは「押し切れ」と「打ち切れ」であり両者を結ぶ「胃気」である。これら3つのキーワードをいかに理解...
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2022/08/05 | category:難経
難経 六十八難のみどころ 井栄兪経合をテーマにした問答は六十三難・六十四難・六十五難と続いてきた。それぞれ井栄兪経合における相生関係・相剋関係・小循環と緻密にかつ立体的に陰経陽経における井栄兪経合の構造を説かれている。 六十八難では井栄兪経合にそれぞれ特徴...
2022/08/03 | category:難経
難経 六十五難のみどころ 本難では井穴と合穴が主役となっている。とはいえ一見したところ六十三難の内容と重複しているようにみえる。しかし、六十三難とは明らかに異なり、強調されている内容がある。それを理解することで、井栄兪経合システムの理解につながる。 井...
難経 六十四難のみどころ 前の六十三難では井栄兪経合の起点(井穴)を示し、五行の性質とともにその順序を示した。 六十四難ではさらに発展させ、井栄兪経合の五行にまたさらに陰陽を加えることで、五行の夫婦関係にまで発展させている。六十三難を縦の関係とすると、六十...
2022/08/02 | category:難経
難経 六十三難のみどころ 前章六十二難では原穴(とくに陽経の原穴)がテーマであった。而して本六十三難では井栄兪経合が主役である。 井穴・栄穴・兪穴・経穴・合穴は五兪穴とも呼ばれ、鍼灸学生の頃から暗記する必須知識でもある。 しかし六十三難の内容では、ま...
2022/07/18 | category:難経
難経 六十二難のみどころ 本難では五輸(五要穴)と原穴について論述されている。『なぜ陰経では原穴は兪穴と一緒なのに、陽経では原穴と兪穴は別々なのだろう?』という疑問について記されている。 この素朴な疑問に対して、歴代の医家たちの答えがまた意外なほど納得...
難経 六十六難のみどころ 六十六難は原穴について詳しく記されている。原穴は五臓六腑の診察や治療に用いられ、臨床では非常に有用性の高い経穴の一つである。 『だからこそ、ここは原穴の性質を根本的に理解し直す必要があるのではないか!?』と、強く自省の念を感じさせ...
難経 三十八難のみどころ 本三十八難では三焦と原気との関係性が説かれている。 すなわち三十六難と三十九難ではそれぞれ命門と原気、命門と腎との関係を明示している。本三十八難では三焦と原気との関係を示している。「原気に別あり(有原氣之別)」という言葉も意味...
難経 三十九難のみどころ この三十九難もエキサイティングな内容が記されている。 三十六難三十九難を丁寧に読むことで、原気の定義を絞ることができる。原気の定義が明確になれば原穴がいかに特殊な経穴であるか?が明らかになる。 この原穴の特殊性を意識するよう...
難経 三十六難のみどころ 本三十六難では腎の左右をそれぞれ腎と命門に区分した。世にいう命門学説である。 この右腎を命門に相当させる生命観はそれ以降、各医家の大きなテーマともなった。 腎という水臓に命門相火を含ませるという生命観は、陰陽論でみても陰中陽...
2022/06/16 | category:難経
難経 三十二難のみどころ 本難では心肺の二臓を説きつつ、栄衛について論じている。 なぜ心肺の二臓だけ膈上にあるのか? 他の臓腑はみな膈下に在るのに。仲間外れではないか?という問いから本文が始まる。 膈は浄不浄を分ける機関であり、特に君主と宰相に...
2022/06/15 | category:難経
難経 三十一難のみどころ 先の三十難では栄衛相随が一つのテーマであった。そして本難三十一難では三焦がテーマとなる。一見関係のなさそうなテーマにみえてその実、絶妙に繋がっていることに『フーム…』と思わず感嘆の声が出る三十難と三十一難である。 『難経』にお...
2022/06/15 | category:脾胃論
脾胃論 三焦元氣衰旺のみどころ いよいよ東垣鍼法の締めくくりです。 『脾胃論』中巻の三焦元気衰旺では少ない文章ながらも、三焦を元気を対象とした論が展開されています。 本論に関する考察も「東垣鍼法から陰火学説を考える 後篇」(『中医臨床』2022年9月...
2022/06/08 | category:脾胃論
脾胃論 陰病治陽 陽病治陰のみどころ 本章では『内経』に記されている陰陽の法則を基盤に鍼治法が構築されています。『内経』の陰陽論に忠実に、且つその時の病態を治療すべく工夫した李東垣の姿勢が記されています。 本論の内容は「東垣鍼法から陰火学説を考える 後...
2022/06/03 | category:脾胃論
脾胃論 胃氣下溜五藏氣皆亂其為病互相出見論 の読みどころ 『東垣鍼法を理解するために…』企画の第4弾記事は『脾胃論』の胃氣下溜五藏氣皆亂其為病互相出見論です。本論は非常に興味深く且つ難解な内容だといえます。 中でも『霊枢』にある鍼法概念「同精」「導氣」が李...
『脾胃論』中巻 脾胃虚弱随時為病随病制方 のみどころ ・李東垣が提唱した陰火学説および陰火病態を理解しよう! ・李東垣は治療に鍼を用いており、その鍼法の深意を理解しよう! …と、この二点がこの記事の主旨です。 すでに原稿は書きあげ、めでたく『中医臨...
脾胃論 飲食労倦所傷始為熱中論 のみどころ 東垣鍼法について調べよう!と思い立ち、最初の記事を書いたのが2021年7月の『脾胃論の「凡そ治病、當に其の所便を問うべし」』でした。 あれからほぼ一年…。 ようやく形になり、めでたく『中医臨床』2022年6月号...
2022/05/07 | category:黄帝内経 素問
素問 四気調神大論第二について 四気とは四時の気、この論では人体の気が天気すなわち四季の移り変わりに応じることの重要性を説いています。 春は発陳、夏は蕃秀、秋は容平、冬は収蔵と、各季節の特徴を表わしている点はイメージしやすいですね。 ※『重広補註...
素問 上古天真論第一について 素問の第一論は、軒猿黄帝の生い立ちからスタートします。黄帝が如何に神童であったかが記され、また最後には「登天」するという言葉が用いられていますが、この論の主旨に沿う表現だと思います。 ※『重広補註黄帝内経素問』京都大学...
2022/04/19 | category:脈経
これまでのあらすじ 第一章は脈象24種、第二章は平旦から天地と人を繋ぐ脈、第三章は陰陽に区分することで脈を三界する内容、そして第四章は脈を中心とした生理学の話。第五章の平脈には個人差があり、脈にはその人の性分が表れるというお話でした。 今回は脈を五層に分け...
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